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胸熱『グランツーリスモ』

映画を観てきた息子から、『グランツーリスモ』めちゃよかったとLINEがきた。

仕事終わりに行けそうな上映回があることを確認し、さっそく映画館へ走った。

ゲームの勝者からレーサーへ

ゲームの世界のことは全くわからないんだけれど、「グランツーリスモ」というプレステのゲーマーが、本物のレーサーになるストーリーだ。

主人公は、ゲームばかりやっているヤン。
それを良く思っていない父、そして兄と母。
その思いが、いつかのうちのこととダブる。

人生はその人のもの、好きに生きたらいい。
そう思ってはいても、親というのは堅実な(大抵つまらない)路線を子どもに望んでしまう。

大学生だった息子が、絞り出すように「最先端のことをやりたいわけじゃない」と言ったことを思い出す。
大学を出て、どこかのメーカーに拾ってもらってサラリーマンになるなんて、いつの間に?誰が決めてたんだろう。

息子は新たに自分で決めた道を歩き始めた。

映画『グランツーリスモ』が、初めて見たスーパーGT富士スピードウェイと重なって見えた。

命をかけて競うモータースポーツ。
危ないからやめて!と言うのは、ここではない。
それぞれが自分の持ち場で、真剣に仕事をしている。

どうか最後まで、アクシデントがありませんようにと祈る。
映画を観ながら、胸が締め付けられるようなあの日の緊張感が甦る。


レース観戦に来たお父さんとヤンが抱き合うシーンは、たまらなかった。
富士スピードウェイの観戦を思い出し、思わず涙がこぼれた。

リアリティある迫真のレース、一人の青年が果敢に立ち向かうストーリー、どちらにも胸が熱くなる映画だ。

映像を多少派手に盛っていても、そこは映画だから。
レースの結末を、固唾を呑んで見守った。

気づけばヤンはすっかりレーサーだ。

上映時間134分!?
時速300キロで走り抜けるように、あっという間だった。

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