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母の待つ里

久しぶりに、予定のないひとりの休日。

浅田次郎の小説を読んでいる。

男性にとって、母親はどういう存在なんだろう。

今日、夫は義父母の家に行った。
父を在宅介護している母を手伝うために。
頑固な父を支えてきた母、さすがにそのプライドにも限界が感じられる。

昨日行ってきた私は、今日は家にいてたまった家事をしている。
そこへ息子から「コストコ、何か要る?」というLINEが。
クロワッサンや水などを頼むと、お昼過ぎに息子夫婦がやってきた。

コーヒーを淹れ、買ってきたキッシュでランチ。
しばらくクルマの話や、他愛のないおしゃべりをして過ごした。


浅田次郎著『母の待つ里』、期待いっぱいで読み始めた。
あの切なく気持ちよく泣かせてくれる浅田ワールドが、また展開されるのか。

ところで、浅田次郎さんには何度かパーティでお目にかかったことがある。

その日は『壬生義士伝』の感想を話した。
「あぁそうだったのかという、真実がわかる瞬間が好きです」と、そんな内容だったと思う。

浅田次郎氏からは「早く本を書いて(こちらの世界に)来なさい」と言われた。
せんせ、私が何者でもないってことさえご存じないのに。
でもその一言は、浅田次郎氏に約束したことのように、今も心の中で燃え続けている。

何度かスマホで記念写真も撮らせていただいた。
そして毎回、それを見た友だちが「作家とファンを越えた何かが感じられる」と笑う。

そういうことは否定したくなるものだが、なぜかそういう空気があることを、自分でも納得して笑ってしまう。

夫婦という感じではなく、決して愛人などではない。
(浅田先生に失礼ですってば)
でも、なんだろう。長年一緒にいたような絵になるのは。

考えられるのは、私の仕事が秘書業で、ボスの後ろであれこれ働いているからか。
見えない押しの強さみたいなのが、つい前面に出てしまった。
そう思うと納得できて、何度見ても自分の写真写りに苦笑する。

最近何かのインタビューで、浅田氏は「本気出しますよ」とおっしゃっていた。

そんな次郎さん(こんどは友達気取り?)に、また会えたらいいな。
『母の待つ里』の感想を話したり、お弁当の卵焼きの話なんかしてみたいから。

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