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【ライターの仕事】とびらを開く~読み聞かせグループ「まほうの手」

2023年9月25日付河北新報夕刊に、取材記事を書きました。
毎週月曜日に掲載されている、宮城県内の市民団体・NPOの活動を紹介するコーナーです。

ーNPOの輪ー
私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。

河北新報ONLINE

手話で絵本を楽しむ


「まほうの手」は、「手話による読み聞かせボランティア養成講座」(せんだいメディアテーク主催)の受講者による仙台市のボランティアグループです。聞こえない子どもたちにも、絵本の世界を楽しんでほしいという思いで活動しています。

2012年に活動を開始した当初は、手話が使える聞こえない人が多く、その後、手話が使える聞こえにくい人、聞こえる人も加わり、メンバーは約20人。年3回程度実施する「手ではなすおはなしの会」に向けて、その企画や読み聞かせの練習をしています。


メンバーの一人で聴覚障害者の小野恵里さんは「絵本は子どもたちの心を養う力を持っています。自分らしい手話の表現で読み聞かせをしたい」と養成講座を受講しました。

ここでの読み聞かせは、音声言語を視覚的に翻訳する日本語対応手話ではなく、日本手話を使って行われます。障害者基本法で、手話は言語であると位置付けられていて、中でも日本手話は聞こえない人の視覚言語として、日本語とは別の独自の文法体系を持ち、手指だけでなく目の動きや顔の表情、しぐさなどで表現します。聴覚障害者当人が直接読み聞かせを行うことは、聞こえない子どもたちが言葉の概念を深め、言語能力を高めることにつながるといいます。

おはなしの会には、聞こえない子も聞こえる子も一緒に参加できます。子どもたちは、音声がなくても語り手の豊かな表情から話を理解し、絵本の世界に魅了され引き込まれていきます。おはなしの会は、聞こえない人が手話という言語を持ち、視覚で見たものを身体表現で表す文化を持っていることを知ってもらう場にもなっています。

メンバーの羽生薫さんは、聴覚支援学校の幼児部のころから絵本が大好きでした。「今の子どもたちは、本との関わりが薄いことが心配です。絵本の中で、いろいろな経験に出合いながら言葉をたくさん習得してほしい」と精力的に活動を続けています。

22年12月には有志が集まり、まほうの手お出かけ隊を結成。仙台市以外でも手話で絵本を楽しむ機会を広げようと活動しています。

まほうの手の連絡先
せんだいメディアテーク企画・活動支援室
022(713)4483

手ではなすおはなしの会2023・秋

開催日:2023年9月30日(土)
場所:せんだいメディアテーク7階(仙台市青葉区)
時間:①11:30~12:00 ②13:30~14:00
※受け付けは30分前から。
※読む絵本が異なり、両方参加することもできる。
対象:幼児から小学校低
※先着20人。無料。直接会場へ。
連絡先:仙台市民図書館 022(261)1585
メール tosyokan@smt.city.sendai.jp 

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私の原稿は、河北の担当記者が校正し、整理部で見出しや写真、キャプションを整えて掲載されています。新聞紙面掲載記事は、河北新報ONLINEからどうぞ。

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(ウチソト編集室ライター葛西淳子)

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