そこに、星野源。

実は、私、小学生のころ、春休みにドラえもん映画を観に行く同級生たちを横目で見ながら、心のどこかで少しだけバカにしていたんです。

というのも、すでに、私はハリウッド映画にハマっていたから。

小1の時、TVで観た『バック トゥザ フューチャー』(以下、BTTF)にビビビっときてしまった私は、父親に頼んでBTTF3を観に映画館に連れて行ってもらった。

上映が始まってすぐ、「あ、字幕じゃん…(汗。どうしよう、漢字読めないよね!?」と慌てる父に、「大丈夫。ひらがな読んで、あとは想像でわかると思うから!」という、なんともカッコイイ返しをしたことが我が家の伝説になっているほど。

そんなこんなで、当時の大人気ハリウッド映画を映画館で堪能してしまった私には、「ふっ。ドラえもんて…お子様向けじゃん!ダサっ」みたいな心境だった。

そして、約30年後の、今日。

すっかり大人になってしまった私は、
ドラえもんの映画を観に行きたいね、と話している。息子と。

まるで、30年後の未来でドラえもんが待っててくれたみたいな不思議な感覚。待たせてごめんよ、ドラえもん。

きっかけは、4歳の息子の保育園のお友達からの口コミ。
「今度ドラえもんの映画を観に行くよー!今日はね、テレビで前の映画をやるんだよー!」帰りがけにそう教えてくれた。

我が家では普段はドラえもんの放送をみていない。
「あ、確かに今日、『カチコチ南極大冒険』っていうのやるみたいだよ。録画しておいて明日みようかー」というと、「今日やるって言ってたもん!今日みなきゃ!」というので、途中まではリアルタイムで見ること…。
(4歳でも立派に口コミが成立するんですね!)

で、隣でみていた私、続きが気になってしまうくらいに、引き込まれてしまいました。面白かった!それこそBTTFが原点の私にとって、タイムスリップものは大好物だし、伏線も見事で、映像もキレイで、、、楽しめました!

そして…そこに、星野源。

彼のことは、特に好きでも嫌いでもなく、「あー、なんか復活したなー。」「あー、なんかブーム起きてるなー。」と他人事な感じだったので、【星野源がドラえもんのために新曲を書き下ろす!】みたいなニュースをみたときも、ふーん、でしかなかった。
興味なくてごめんよ、星野源。

でも、このドラえもん映画の録画を見るうちに何度か聞いて「やばい、いい歌じゃん!」と気づいてしまってから、ずっと頭の中でループしています。しかも、息子も保育園で覚えてきたので、一緒に歌えますw

わたしが鳥肌だったのが、この出だしの歌詞。

少しだけ不思議な 普段のお話
指先と机の間 二次元 落ちこぼれた君も 出来すぎあの子も
同じ雲の下で 暮らした次元 そこに四次元

そうそう、ドラえもんって、普段の話なんだよなぁ。
指先と机の間?
ん?あー、そうだよね、ドラえもんの世界は、もともとペンで描かれた漫画だったわ。漫画家の指先と机の間から紡ぎだされたお話。うわぁ、なんか、藤子F先生が、汗を流しながら机に向かって漫画をカキカキしている姿が浮かんでくるわー。ゾクゾク。
そこで愛すべきキャラたちが普段の日常を暮らす3次元的な世界が広がっていって、で、そこにいきなり4次元登場!4次元ポケットをもつドラえもんという非日常な存在が入り込んできて、物語が生まれる、と。ゾクゾクゾク。

す、す、すごい、出だしの歌詞だけで、ドラえもんとはなんなのか、言い得ているし!次元が増していく感じもゾクゾクするー!「そこに4次元」って言うだけで、ドラえもんの顔が見えるー!

と思って一句ずつ、拾っていくと面白い!なんで「同じ空」じゃなくて、「同じ雲」って歌詞になってるんだろうとか。
あぁ、なんかこの歌を聴いただけで、元々ドラえもんのファンでもないのに改めて「ドラえもんって素晴らしい!」って思えてきて、愛着が生まれてくる不思議。

よくよく調べると、1行目は藤子F先生が「SF=少し不思議な話」と言ったというエピソードを元にしているとか、かなりこだわって作ったようなので、ファンにはさらにたまらないかんじなんでしょうね。

30年前、こんなにも身近なSFをバカにしてハリウッドのSFにのめりこんでいた私。(というか、よく考えたらBTTFもドラえもんもほぼ同じじゃん!)

その後も、ワンピース現象(読んでないと人生損していると言われれば言われるほど読みたくなくなる現象)みたいなかんじで、「ドラえもん映画はいいよ」という声たちを無視し続けてた私。

お待たせしました、ドラえもん。
ありがとう、星野源。

息子に便乗して、歴代映画(AmazonPrimeで発見!)も見倒そうと思います!

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