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その鉱石、食べられます。 - 【鉱石蒐集室】 波水 蒼様

食べられる鉱石、あります。

そんなキャッチコピーを目にしたら、ファンタジー小説かな?と思う方もいるかもしれません。
ですがこちらの作品は、現代ドラマです。

食べられる鉱石というのは、琥珀糖というお菓子の事を意味しています。
砂糖と寒天を煮溶かして、乾燥させ、結晶化させた半生菓子です。

お話は、京都の通りにある一件のお店を軸にした人間模様のお話です。
鉱石を模した琥珀糖を専門に取り扱う「ジオード」というお店を中心に、店主の琥太郎とそこに来るお客さん達の日々の生活を描いています。

鉱石そっくりのお菓子だと!?食べてみたい!!と私はまず、あらすじを見てホイホイされました。笑

寒天のお菓子って昔食べた事あるんですが、私はあまり美味しかった記憶がないです……。
しかし、この作品に出てくるのはどれもこれも美味しそう!
登場人物達が感動したり、美味しそうに食べている姿が見えるので、余計そう思うのかもしれません。

それぞれのお話に出てくる琥珀糖によって、見た目も味も違い、それを想像するだけでついつい気分が上がってしまいました(*´▽`*)
各話の最初に鉱石の紹介をしてくれるのですが、私は毎回、その鉱石の画像検索をしてから読んでいました。
今回はこれを作るのか〜(*´ω`*)、と。

読み進める度に、本当にこんなお店あったらいいのに…と思っていましたら……。

なんと…あるそうです!!L(゚□゚)」ナント!

作者様からコメントで教えて頂いた時、どれだけ嬉しかった事か!
しかも東京でした!!(((o(*゚▽゚*)o)))


そもそもが、このお話はそのお店の琥珀糖を食べた感動で書いたものなのだとか。
琥珀糖の作り方など、取材もしっかりされているのだろうな、と感じます。

私にとってこの作品の琥珀糖は、一種の魔法のようにも感じられていたので、本当にあるよと教えて頂けて、本当に嬉しかったです。
琥珀糖ありきで出来た作品ですが、この物語ありきで、元からあった物が特別なものにもなるのだなぁ、と小説の新たな魅力を教えて頂けました。


あと、作者様のプロフィール欄に「ルビ芸作家」という単語が書かれていて、私はそれがとても気になりました。笑
といっても実際にふられていたルビは、「重破斬(ギガ・スレイブ)!」とかではなく、「身振手振(ジェスチュア)」みたいな、何となくそのまま読んでも差し障りがなくイメージしやすいものを使われていました。

こういったルビ、最初はそこまで多くないのですが、後半に向けて畳み掛けるように増えていきます。笑
なのに、その時にはもう登場人物の背景や人となりが分かっているので、「あー、この人ならこう言うね」って感覚で読めてしまいます。
見事に、作者様の作られた空気感に呑まれておりました。(´∀`)

台詞や出てくる小道具も魅力的な物が多く、この作品ならではの空気感や雰囲気を感じさせてくれるお話です。

できれば、この作品はカフェでコーヒーを飲みながら読みたくなるような作品です。
1日にちょっとずつ、大切に読み進めたくなるような作品でした。

ほっと一息つきたい時に是非、ご覧下さいませ〜(´ω`)

【鉱石蒐集室】へのリンク
※カクヨムの方は退会されてしまうという事で、pixivのリンクを載せておきます。

こちらの作品は同人誌としても販売されています。
紙の本で欲しい方はこちらからどうぞ!


コメントで教えていただいた琥珀糖屋さんにも実際に行ってみました。

私が購入したのはヨーグルト味、葡萄味、キャラメル味の3つ。
思ってたよりもずっと軽い触感でびっくりでした!
そしてとっても美味しい!!

カシュッ、クシャリといった感じの食感です。
そして鼻から抜ける香りが素敵でした(´ω`*)
見事、天青石狂(ヨーグルタホリック)になりました。笑

執筆のお供におすすめです!!(´∀`*)

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