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第三十四回文学フリマ東京 【裏】感想レポート

さて、文学フリマ東京が終了して一週間ほどが経ち、そろそろ浮足立った気持ちも落ち着いてきた頃でしょうか。

先週の文学フリマ終了直後の感想レポートでは、ただただ楽しい思いを共有しようと執筆しましたが、ここらで現実的な部分も書いていこうかなと思います。(とはいえ文フリやっての感想としては、前回の記事が私の感情そのままのレポートです。)

感想レポートを読んでくださる方の中には、「そんなふわふわ抽象的なところじゃなく、もっと具体的な話をしてくれよ!」という要望をお持ちの方もいるかなと。
特にこれから文学フリマに初参加を検討している方は、もっと具体的なところが知りたいのではないでしょうか。

結局、初参加して何部売れたのよ?(゚∀゚)

とかね。
今回はそこら辺も含め、文学フリマ当日までに私が具体的にやってきた内容をお話させて頂こうと思います。

まず結果から先に話しますと、今回の文学フリマで私の本は11冊売れました
初参加でも10冊くらいは売れるのね!?(゚∀゚)と期待されたかもしれませんが、そうそうに初参加でこのくらいは売れるのかと思われるのは早合点だと思います。
というのも、私のブースで購入してくれた方は、どの方も複数冊買っていってくださったからです。(本当にありがとうございます。)
私が今回出した本は、長編シリーズの1、2巻と短編小説が2種類。
実際に購入してもらえた人数でいうと4名です。この他に足を止めてサンプル本に手を伸ばしてくれた方は2名ほど。あとは遠目から見ている方はいても、ブースで足を止めてはもらえませんでした。
今回はほとんど売り込みのための声かけが出来てないので、そこに自信がある方はもう少し来店者は増えるのかもしれませんが、認知度がない初参加だとこれくらいです。

ただ、このくらいは初参加でも足を止めてもらえるのね!?(゚∀゚)と期待されるのも、少々早合点かと思われます。
当日は全然売り込み出来てませんが、結構考えて前々からの準備や宣伝をやってた結果が上記なのかなと自分で思うからです。
実際に購入して頂けた4名の方、全くサンプル本は読んでいません。という事はあらかじめどこかで中身の情報を得ている可能性が高いのです。
当日までの準備や宣伝もまったくやってなかった場合、1冊も売れない可能性は多いにあったろうなと感じています。

なので、もし初参加を考えていて1冊でも本が売れてほしい!と思っているのであれば、事前の準備は絶対にしておいた方がいいです。
微々たるものではあるかもしれませんが、私が当日までにやってきた準備について、これから書いていこうと思います。


1.執筆活動を続ける

はい。とにもかくにもこれが一番重要ですよね。
私の場合は執筆を始めてからカクヨムで4年間、活動を続けています。
特にカクヨムに作品をアップしないといけないとかそんな事はなく、どこかしらで「私は小説を書いている人ですよ」と常日頃からPRしておくのが大切だということです。
参加者の方に聞きましたが、やはり小説イベントの方が漫画やイラストのイベントよりも出ていく冊数が少ないそうです。
小説は一目で自分に合うかどうか判断できないですからね。その作者がどんな文章を書くか、実際に見られる場所があった方が、買い手側からしたら格段に安心感があります。

Web再録本とか売れるのかしら?と心配されるかもしれませんが、そこが気になるのなら紙の本だけの特典になるような何かを付けてもいいかなと思います。
私の場合はWebに上げたそのままの文章ではなく、追加エピソードを加えたり構成を見直したり、挿絵を付けたりしています。
今回の文フリでも何名かカクヨムで見かけた名前の方を見ましたが、再編集したものを本にしています、と言っている方も多かった印象です。
もちろん紙の本にしたというだけで価値があると思いますし、そのままの文章を本にしてもらっても、文フリ用だけに新たに書き下ろしても自由です。

趣味のイベントですからね。あまり細かい事を気にしすぎず楽しむ事をおすすめします。


2.紙の本を作成する

なぜこれを2に持ってきたかというと、実際頒布しようとしている本は出来るだけ早く用意した方が色々な場面で役に立つと思ったからです。
この後に書いていく予定ですが、Twitterやら何やらで実際に自分の本を宣伝する時に実物がないと宣伝しづらいです。
認知度のない初参加なので、出来るだけ多くの人の目に触れてもらった方がいい。そのためにも、ある程度の宣伝期間が必要です。
文フリに間に合えばそれでいいや~と〆切を甘く設定していると、それだけ自分の作品を知ってもらう機会を失する事にもなるわけです。
本が一発で綺麗に仕上がるとも限りませんし、イベント近辺は印刷所も混みます。装丁の修正や推敲する時間も考え、早め早めに作品は仕上げておきましょう。

何部刷るべきか、というので悩む方もいるかもしれませんが長年創作活動を続けるつもりなら自分が抱えられる在庫数くらい刷ってしまっても問題ないと思います。
というのも、今回私は長編シリーズ各30部ずつ、短編は5部ずつ刷ったのですが、在庫はまた別のイベントで持っていけるからです。
イベントの度に毎度刷ると、それだけ送付手数料がかかっちゃいますからね。創作友達も言ってましたが、何年か後にその本を欲しいと言ってくれた人の為に持っていてもいいのではないでしょうか。

今回の文フリでも、誘ってくれたまりるさんの2015年に作られた本をゲットできて(´艸`*)ムフフとなってるので、まだ見ぬ未来の読者のために持っててもいいかなとポジティブに捉えています。笑
2015年ってまだ創作活動もしてなくて文フリの存在もしらない時で、どうやったって手に入れられなかった作品が今手に入ってるわけですよ!残しててくれたの、有難くないですか?
案外、200P 30部というのはそんな量でもなく、引っ越し用段ボールの一角が埋まる程度です。
文フリ参加した帰りには大体「もっかいやりたい!(゚∀゚)」となってると思うので、部数はそんなに深く考えなくてもいいのかなと。自分家の押し入れに入る分くらいなら問題ないかなと思います。


3.各SNSで宣伝する

ここから長い闘いが始まるわけですね…。(いやもう小説書き始めから始まってはいるんですが)
ここが苦手という方も多いんじゃないでしょうか?かくいう私も宣伝は苦手です…。
もともと内輪でわいわい楽しむためにTwitterを始めたのもあり、当初のフォロワー数は17とかで「え、宣伝…できるか?(;´・ω・)」みたいな状態でした。

なのでまずやったのはフォロワー数を増やす事です。
ただこれは本当に地道です…。確か去年の6月辺りから意識して増やそうとしてたはず…。
フォロワー数をどう増やしたか、は色々と方法を調べれば出てくるので、自分に合った方法を探されるのをおすすめします。というのも、方法によっては「これはやりたくないな…」というのが出てくるんですよ。
特に既存フォロワーに不満が溜まるようなやり方は嫌だったので、出来る限りそこに配慮したやり方で増やしたつもりではいます。
あと私自身にも言える事ですが、ちゃんと自分の狙った層に宣伝できないと意味がないのでフォロワーの集め方も考える必要があるかなと思います。

私の温度感としてはTwitterの宣伝は結構遠回りな印象です。フォロワーになってくれたらそれで終わりという事ではなく、ある程度密にコミュニケーションを取ってたり、私自身についていくらか興味を持ってくれた人の内何人かが実際にカクヨムに作品を見にきてくれている印象。その数も別に爆発的に増えるわけではなく、最近はPVが動く日がちょっとだけ増えたかな~?くらいの変化です。そしてその中から本を買いたい!と思ってもらえるほど気に入ってもらえるなんて、まぁ多くはないですよね。

もとから熱心なファンが付いている方でもなければ、Twitter広告はすぐに結果に結びつくものではありません。ただ宣伝はするに越した事はないし、PRする人の母数は多ければ多いほど実際の頒布数にも繋がるとは思います。
一朝一夕にはいかないものですが、ここは地道に頑張るしかないです。

広告や宣伝は普段ほとんどしない為かすごく尻込みしてしまう方なんですが、自分が罪悪感や申し訳なさを感じない所までは積極的にやった方がいいのかなと思いました。
しつこくないかしら…とか思ってしまいますが、イベント前に2,3回告知される程度であれば私は気にしません。
むしろ私のフォロワーさん方はRTしてくれる方も多く、その節は大変お世話になりました。ありがとうございました。m(_ _)m

それからフォロワー数を増やす上で気をつけた方が良い点として、あまり数字の上限に囚われすぎない事が大切だと思います。
フォロワー数を増やそう、という目標を掲げてやっていたのもあり、やっぱりがくっと減るタイミングがあるとストレスを感じる時もありました。
ただ、あんまりここに固執するとSNSが嫌になっちゃうのでね。数字に躍起になるあまり創作活動の方に身が入らなくなったりもしましたし、「なんで増やすのか?」という事を常日頃から忘れないようにすると心の安寧が保てます。
Twitterの数字は手段の一つでしかないのであまり気にしない方がいいですよ。私よりフォロワー数が少なくても、文フリでがんがん本が売れる方もいます。要は他で宣伝する場所があるのなら、無理にSNSでやる必要はありません。

ただTwitterを通して熱心な創作者の方と知り合う機会もできたので、マイナスな点やストレスな事ばかりでもありませんでした。
他の方の創作物から、良い刺激も貰えていると感じています(´ω`)

あとはnoteやBOOTHなんかに本の詳細な紹介をのっけたり、自分の趣味嗜好の紹介として興味のある作品の紹介をしたりなんかもしました。
Twitterはどちらかというとイラストとかの方が宣伝しやすいツールかなと個人的には思います。文章としても、入力文字数が少ないので、小説よりかは作者自身の売り込みをするようなイメージが強いです。
なんでもしかしたら、人によってはnoteや各小説投稿サイトで宣伝する方が有効かもしれないですね。
長い文章読むのってなかなかタイミングがあるので、読むぞ!と気合い入れてからじゃないと集中力が続かないのでね。

あと案外バカにできないと思うのが文フリのWebカタログです。
運営からのメールには1週間前くらいから更新する人が多い、と書かれていましたが、ここに情報のっけるのは早ければ早いほど良いと私は思います。
私にも言える事ですが、熱心なイベント参加者は結構見てます。Webカタログはブックマーク機能があって、何人がブックマークしてくれたかサークル側から分かるようになっています。文フリ一ヶ月前くらいからWebカタログは編集可能になるので編集可能になってすぐに情報をのっけたのですが、すぐにブックマークが付いたんですよね。
前の感想レポートでも書きましたが、ジャケ買いしない勢は事前に本の情報を漁ります。Webカタログは貴重な情報源なので、ぜひ丁寧に作ってほしいと買い手側の願望としてお願いしておきますm(_ _)m

あと装丁や表紙も出来るだけ考えた物にすべきと思います。ただの趣味のイベントと侮るなかれ、皆さんとても質の高い本を作られます。
派手であれ!とは言いませんが、世界観が分かりやすく、目に留まるにはどうすればいいか考えた物にすべきだと思います。
Webカタログにずらっと本が並んだ時、どう見えるか意識するのは大切です。今回の文フリ東京では1000ブース近いサークルが参加しました。とても全部の作品の紹介は読めません。
あなただったらどんな装丁だったらクリックしたいと思いますか?そこを意識する必要はあると思います。



他にも当日に作ったPOPやら値札の事とか当日の備品についても書く予定だったのに、思ったより長くなってしまったので今回はこの辺で…。

え?こんな事しなくても自分は初参加でもっと売れたよって?
そんなスーパーマンの話はしてないの!(´Д`#)プンスコ

何回も文フリ参加されている方も言ってましたが、初めて見るサークルだとやはりあまり売れないそうですね。何度も参加して顔を覚えてもらわないと難しいと仰っておりました。
だから今回あまり売れなかったという方も、あまり悲観しすぎないようにしましょ!

あなたの作品にないのは価値ではなく、認知度ですよ!
頑張って覚えてもらいましょ!作品いっぱい作って、なかなか面白い物書く作者だなぁって思ってもらえるよう頑張りましょ!
一緒に!!٩( 'ω' )وエイエイオー!

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