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音楽の栞(2024年4月)
盛りだくさんの4月は、季節もあってかどこか華やいでいた。
3月後半からの「トンネルを抜けた感じ」がまさに実感としてあって、多少のゆらぎや疲労こそあれ、それら自体が心地よく、いい疲れを感じることができた。
そんな4月をよく聴いた音楽とともに振り返りたい。
4月のプレイリスト不思議なんだけど、4月はやたらと
「愛」とか「手放す」とか「豊か」とかいう言葉によく出くわした。
中でも「愛」は、怖いく
映画 “PERFECT DAYS”
劇場が明るくなっても、しばらく立ち上がれなかった。
胸はいっぱいだし、涙は止まらないし、頭の中であの場面この場面がリフレインしているしで、もうね。
なんどもため息がもれ、つられてほほ笑み、つられて泣き、胸をいっぱいに満たしたものがあふれてはハンカチをぬらし、いつか東京で見た景色をなつかしみ、あの頃と今の生活をなぞり、音楽に酔いしれ、音と光と風にめぐる時間と季節を感じ……そんな2時間。
やかま
音楽の栞(2024年3月)
3月は、前半と後半で色がまったくちがった。
例によって体感はやはり長く、盛りだくさんの1ヶ月。
1月・2月につづきヘトヘトだったが、後半はそのトンネルをほぼ抜けたか、もう抜けつつあるか、それくらいにまで来た感触があった。
そんな3月を、音楽とともに振り返っておきたい。
3月のプレイリストシャッフルせずに聴くならこの順番かな、という並びにしてある。
以下は順不同でいくつかピックアップしてお
心に『テッド・ラッソ』
『テッド・ラッソ』を見終えた。
なんなら2周目に突入している。
すばらしかった。
主人公・テッドが、サッカーチームの監督となるところから物語は始まるが、ただのスポーツドラマではない。
コメディであり、人情ものであり、セラピーですらある。
とにかく徹底して「人間」「生き方」を描き、問い、語りかけ耳を傾けてはやさしく寄り添ってくれる物語だ。
見終えたあとも、登場人物たちが心の中に居つづけて
ひとつ手放し、またひとつ
不思議なもんだ。
ひとつ終わると、ちゃんとまたひとつ始まってゆくらしい。
ひとつの別れが、またひとつの出会いを連れてくるみたいだ。
この3月、2年半の片思いに終止符をうち、3年にわたる名前のつけられない関係を終わらせた。
それは、これからも大事に思いつづけるであろう相手のことも、わたし自身のことも、これまでの思い出も、傷つけずに守るための選択だった。
とても勇気が必要だったし、後悔が全く
藤井風『満ちてゆく』その道すがら
ずっと考えていた。
ってどういうことなんだろうって。
だって、矛盾してる気がしたの。
「手を放す」のも「軽くなる」のも、満ちるどころかむしろ失ってるのでは?って。
だから、うつくしいこの曲にうっとり聴き入りながらも、どういうことなんだろうって、どこか掴めずにいた。
3月。
どうしたって別れの季節。
今年もちゃんと、わたしにも別れの季節はやってきた。
その中に、わたしにとって大きな別
目をさまし、目をそらし
春なので、順調に気もちが落ちこんでいる。
なにせ春なので。
春は、切なくてなんぼ、不安でなんぼ、浮ついてなんぼだ。
この落ちこみ具合は、ちゃんと春がきている証拠だ。
そういうことにしておきたい。
ちなみに山形は、今朝からめちゃくちゃ雪が降っている(なんでだよ)。
物心ついたときから、わたしの頭の中では、ずっと誰かの声がしている。
「ぐるぐる考えすぎる」というわたしの性分は具体的には、
星野源『よみがえる変態』
源さんの『よみがえる変態』の文庫版。
先の2泊3日の東京旅行と、帰ってきてからの数日をかけて、読了した。
もう、なんて言葉にしたらいいのだろうか。
1994年生まれのわたしは、いま29歳、今年30歳になる。
で、この『よみがえる変態』のもとのエッセイが連載されていたのが、2011年の春ころから。
源さんは1981年生まれだから、ちょうど源さんが30歳前後の頃の日々や風景や思いがつづられて
高野洸『チクタクタ』へのジレンマ
困った。
とっても大好きな曲なのに、共感しすぎて苦しくて聴けない……
そんな曲に久しぶりに出会っている。
わたしの贔屓にしているアーティスト・高野洸の『チクタクタ』という曲だ。
この『チクタクタ』は、2024年1月30日にリリースされた、高野洸8thシングル『ex-Doll』のカップリング曲のひとつである。
おいおい1月リリースてあーたもう3月だぞ……?とは思いつつ、いい曲って、初期衝動よ
ばらばらのまま、そのままで
2泊3日で東京に行ってきた。
9日の朝に、雪がどっさり降る灰色の山形を出発した。
東京滞在中はずっと晴天で、これでもかというくらい太陽を浴び貯めた気がする。
11日の夕方ごろ山形に帰ってきたのだけれど、9日の雪は夢でも見てたのかなというくらい天気がよくて安心した。
それに、東京で浴びた太陽のぬくもりが自分の中にまだ残っているような感じもした。
雪はちゃんと止むし、いつか溶けて大地を潤すし