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10秒で読める小説

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100作書けたので、次の目標は150作!ってことでボチボチ書いていきます。
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#子育て

【10秒で読める小説】懐かしい味

【10秒で読める小説】懐かしい味

僕は日本で人気カレー店を営む、インド人だ。

「ここのカレーは本場の味なのに、なぜか懐かしいんだよな」
客はみな、不思議そうに言う。

「アリガトウ、ゴユックリ」
と笑顔で言い、僕は厨房に戻った。

日本人である僕の妻が、仕込み用の鍋をかき混ぜながら呟く。
「肉じゃがをリメイクしたカレーが、こんなに流行るとはね」

【10秒で読める小説】さんらん

【10秒で読める小説】さんらん

子ども部屋に行って愕然とした。全然オモチャの片付けをしてない。
「恐竜も虫も魚も、散乱してるー!」

と大声で言ったら長男が駆け戻ってきた。
しかしガッカリした顔で「全然、産んでないじゃん」
産卵じゃねーよ。

【10秒で読める小説】俺がバスを降ろされた理由

【10秒で読める小説】俺がバスを降ろされた理由

バスの中、赤ちゃんの泣き声が響いた。必死に赤ちゃんをあやす、若い母親。

周囲から浴びせられる白い視線に憤慨した俺は、「母子を救おう」と意を決した。
床に座り込んで地団駄を踏む。
「うわあああああん!!」
毒をもって毒を制す。
泣き声を制すのは、更にでかい泣き声だけだ。