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SaaSの事業部長を経験してから、新たにSaaS系スタートアップ企業に転職して感じたこと

色々ご縁があり、SNS等を新規に開設しております。

  • 経歴

    • 前職はベンチャー企業で未経験営業から始まり8年ほど従事

      • 15人目に入社して、現在はグループで450名規模まで成長

      • Google Cloud 専業のリセラーを日本で最初に立ち上げ

      • SaaS事業の立ち上げて、そのまま事業部長に就任

        • マーケ~カスタマーサクセスまで立ち上げなどを経験

サービスの0→1と拡大期を経験していく中で、他では得られない経験をすることができたと思っています。

現在は株式会社primeNumberでアライアンス業務などを担当しております。

これからスタートアップ企業への転職を検討されるかた向けに、
転職のポイントについて紹介していきます。

私が転職活動をする中で、悩んだ点や体感したことを言語化します。
※スタートアップ企業で働いている友人も多いので、その中の失敗談などの内容も含まれています。

スタートアップ企業は追い風

大前提として、世の中の流れとしても、スタートアップ企業は非常に追い風となっております。

スタートアップ育成の2023年を予測、岸田内閣1兆円予算の行方は?
この記事からも、国が本格的に支援を開始していることがわかると思います。

動き出した要因としては、以下2点はあると思っています。

・国内におけるスタートアップ企業の成功事例が増えた
・グローバル化に伴い、あらゆる大手企業のシェアが奪われてしまっている

なぜスタートアップ企業が注目されているのかを紹介してきます。

市民権を得たスタートアップ企業への転職(転職活動をして驚いた話)

スタートアップ企業の転職事情が大きく変わっていたことに驚きました。

当時はSaaS等はなく、本当に何をやっているのかよくわからない企業が多かったです。スタートアップというより、ベンチャー企業という表現が適切かもしれません。

SaaSなどのスタートアップが増えた要因としては、AWSやGCPなどのIaaSやPaaSが普及したことによって、拡張性のあるインフラの提供が当たり前になったことが大きいと思います。(そういった意味で言うと、私も現在のSaaSの土台作りに貢献できたと思います!)

また、スタートアップ企業といえば、待遇面や長時間労働など、いわゆるブラック企業に近いような環境でがむしゃらに働かされるイメージを持ってしまっている方は多いと思います。

今回転職活動をしてみて、企業の知名度や待遇面などが大きく改善されており、比較的リスクなく転職することが可能だと感じました。

これは、人材獲得競争の激化によって、待遇面や情報発信(広告・マーケティング)などに力を入れている企業が増えたということだと思います。

経営戦略の一つとして、採用戦略を取り入れる傾向が強まったようにも感じます。

実際に、スタートアップ企業は、古い体質の企業と比較しても、柔軟な考えを持った企業も多く、
働きやすいと感じる方も多いと思います。

  • テレワーク可能

  • 子育てや介護などの家庭環境への配慮

  • 残業代支給

  • 各種ユニークな手当

  • 各種ツールのクラウド化など

個人的にはGoogle Workspaceが好きなので、その点は加点されていたことは事実です。

また、今回転職活動をして驚いたのが、以下3点です。
・スタートアップ企業の数
・採用にお金を使う点
・大企業や外資などの優良企業出身者が増えた

自分に合うスタートアップ企業が見つけやすくなっている

出展:https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2023h1

資金調達をして、スタートアップ企業を立ち上げる数は年々増加しています。

そのため、自分の価値観に合うスタートアップ企業も見つけやすくなっていると思います。

また、スタートアップ企業の成功事例は研究されており、最初からミッション・ビジョン・バリューなど企業文化を意識して立ち上げている企業も多いです。

注意点としては、制度が整っていないことが多いため、
フェーズが変わるごとに制度の変更などたびたび発生します。

言い方を変えれば柔軟性とも言えますが、当然悪い方向に左右することもありますので、注意が必要です。入社したときは良かったけど、企業が成長するとともに合わなくなってしまい、抜けていった方を何人も見てきました。

経営陣のさじ加減や、成長に合わせた変更など、理由は様々です。

そのため、
・ミッション・ビジョン・バリューに一貫性が保たれているのか
・その考えが現場社員まで浸透しているか
・経営陣の考え方

については、入社後の影響度はかなり大きいと思います。
自分の力では変えることのできない要素なので、しっかりと確認しておくことをお勧めします。

ミッション・ビジョン・バリューを作られた背景や想いがあると思うので、面接などで質問しておくと良いと思いました。

表現が難しいですが、
言語化できない違和感を感じるようであればやめたほうが良いと思います。

事業内容が面白そうでも、実際に会ってみると合わなそう。。。と感じることは結構ありました。

出来れば、一緒に働く現場社員や直属の上司・経営メンバーなどに会って、ビジョンや会社の方向性については、腹落ちするまで最低限確認しておくことをお勧めします。

私の場合は、ほぼ創業よりのメンバーで、受け入れる側の立場だったため、そこまで違和感は感じませんでしたが、逆の立場(転職する側)になって改めて難しいと感じたので紹介しました。

スキルや経験次第では、無理に年収を下げなくても、チャレンジすることが可能


スタートアップ企業では、年収ダウン前提で挑戦しに行くイメージをもっている方も多いと思います。

しかし、実際は、待遇面は改善されてきていることがわかりました。
これは、色んなスタートアップ企業でカジュアル面談や友人などに聞いた話です。

スタートアップ企業では、企業の成長スピードに人的リソースが追いついていない事が多いです。

そのため、本当に必要な人材であれば、高待遇でオファーをすることもあるそうです。

スタートアップ企業による人材の獲得戦争はすでに始まっています。

個人的には待遇面は、企業の成長とともに上がっていくものと考えているので、そこまで気にしない派です。

待遇面よりも提供しているサービスの、市場規模や成長率、競合他社との差別化ポイントなどを調べて、5年後どうなっているのかのほうが重要だと思っています。

5年後大きく成長できるスタートアップ企業であれば、たとえ一時的に年収ダウンしたとしても数年で取り返すことは可能だと思います。

成長産業で、競合優位性があり、組織に対してカルチャーフィットしていれば、数年で取り返す事は十分に可能であり、上手くいけばJカーブで増やすことも可能です。自分の行動次第だと思います。

大企業からのスタートアップ転職者は、ここ3年で7倍まで増加。

出展:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1216Z0S1A111C2000000/

大企業出身者の転職成功事例も増え、徐々にスタートアップ企業に流れてきています。

年功序列制度が崩壊していることや、大手企業からの転職の成功例も増え、
転職に対するハードルが下がって来たことが背景としてあります。

もちろん大手企業にも良い点はあるので、
自分にあった組織を選ぶことが大前提となります。

スタートアップ企業のデメリットは、大企業に比べて規模が小さい分、
圧倒的な競合他社の参入や外部要因などで、一気に市場を取られてしまい、
窮地に追いやられるケースもあります。

また、コンプライアンスなどのガバナンスも未整備なことが多く、組織内の不祥事によって、社会的信用が一気に失ってしまうリスクは大手企業に比べると起きやすいと思います。

なので、スタートアップ企業への転職はリスクの高い選択であることは間違いないと思います。

ただ、途中で会社が傾いたとしても、やってきた経験値は失うことはありません。主体的に様々な業務を取り組んでいた方なら、その実績は価値のあるものとして評価されます。

会社の看板に頼らずに、
個人で切り開く能力を身に着けることが、本質的に重要なところだと思っています。

ちなみに、スタートアップ企業がどのくらい市民権を得たのか調べてみました。


・2015年 資金調達額の総額1,990億円→私のベンチャー入社時期(途中から資金調達しスタートアップ企業に変化)
・2022年 資金調達額の総額9,000億円→7年で約5倍!

資金調達の大半は採用に使われることが多いので、
60-70%位が人件費で利用されていると仮定して計算してみました。

ざっくり計算すると、7年間で、
56万人/年の転職者が増加したと推定します。
※資金調達額から算出したかなりざっくりとした概算値となります。

2015年 約14万人
2022年 約70万人

また、転職者の総数は約1,000万人/年となるので、スタートアップ企業の転職者の内訳は7%位まで伸びていると予測できます。

国からの支援もありますので、
これからもっと拡大していくことも予測できます。

スタートアップ企業の期待値が高まってきていることはわかるかと思います。

スタートアップ企業は増えているとは言え、母数は少ないので、
有力企業には応募者は殺到しています。

すでに、昔のようにやる気があれば受け入れてくれるというフェーズは終わってしまったのかもしれませんね…

primeNumberに入社して驚いたのは、異業種からの未経験の転職者も、
社内のサポートを受けて活躍していたことです。

また、外資系や大手企業出身者も多く、
ほとんどが早期に活躍していました。
※入社して全体的なレベルの高さに驚きました。

市場としても成長産業となり、これからまさに急拡大するフェーズになります。
スタートアップ企業でチャレンジしてみたい方には、ベストな環境が揃っていると思います。

ちなみに転職活動で、熱心に誘って頂いたのは、
意外にも大手企業の新規事業立ち上げでした。

理由は、大手企業では、組織で決められた範囲でしっかりと成果を出すことを優先されてしまうため、リスクをとって0→1を作れる人が少ないそうです。

失敗したときのリスクが大きいため、
機会があっても手を上げてくれないそうです。

プロジェクトを立ち上げても能動的に動くことが出来ずに
自然消滅してしまうことも多いようです。
※新規事業立ち上げができるような方は、タイミングを待たずに外に出て行ってしまうようです。

時代の変化も早くなってきているので、
大企業だから安心というのは終わりつつあるのかもしれません。

海外からの参入も増えているので、競争が激化して行く事も予想されます。

8年前の転職時に言われた言葉で、今でも覚えているのが、
大企業→ベンチャー企業への転職は可能だが、その逆は絶対にない。
とアドバイスをいただくことが多かったです。

その大手企業からオファーをいただいたことと、ベンチャー企業の転職者が増えていることが非常にうれしく思っています。

時代の変化が早くなって来ているので、新規事業立ち上げスキルが重宝される時代が近づいているのかもしれません。

※選考には進んでないですが、おそらく倍率も高いと思いますので、受かるかどうかはもちろん別の話です!

primeNumberに転職をした理由

primeNumberに興味を持ったきっかけは、プロダクト(trocco®)と人です。
※troccoはprimeNumberで提供している、ETLのSaaSとなります。

転職を考えたきっかけは、在籍期間が長くなっていたので、社会勉強も含めて、一度外の世界を見に行きたいと思ったからです。

過去の実績を抜きにし、ゼロベースで考えたときに、今の環境はベストなのか?という確認作業となります。(転職を考えていなくても、外の世界を見に行くことは定期的にやっても良いと思いました。)

実際にSaaS事業運営としてチャレンジしてみたいこともあったので、カルチャーはもちろんですが、ビジョンや戦略・方向性などに納得感があるところにお話を聞きに行きました。

良いところがなければ、覚悟を決めて前職で頑張ろうと思っていました。

応募社数はかなり限定して活動しました。(量より質です!)

入社の決め手は、『カルチャーフィット』と『プロダクト戦略の共感』と『挑戦できる環境』でした。

過去の実績や先入観にとらわれず、純粋な内発的動機づけも重視しています。

カルチャーフィット

一緒に働く人やカルチャーはとても重要です。

カルチャーについては、8 Elements をみていただき、共感できる方であれば、カルチャーフィットは問題ないと思います。

私は『挑戦を楽しむ』という点が特にお気に入りです。

理想だけ掲げて、社員には浸透していないケースもありますが、
primeNumberでは、社員も共感し意識して働いている人が多いと感じました。

また、面接では経営陣含めて、一緒に働くメンバーも参加してくれるので、働いた時のイメージを確認できた点は、安心することができました。

入社後のギャップはなかったので、
面接でも質問したことには正直に回答してくれた印象を持っております。

プロダクト(trocco®)事業戦略の共感と挑戦

プロダクトが素晴らしいのはもちろんですが、プロダクト戦略や方向性に共感を持つことができ、純粋にこの環境でチャレンジしてみたいと思いました。

trocco®では、Product Led Growthやパートナー戦略・グローバル展開など、私がSaaS事業で取り組みたかったところを全て先行して取り組んでいました。

色々と学べることも多く、刺激的な毎日を過ごしております。

プロダクトは、インフラやデータ分析周りの周辺サービスの知識も求められますが、Google クラウドのインテグレーションやリセールも経験していたので、過去の経験は今も活きています。

特にパートナー戦略については、Web上に成功事例がほとんどないため、自分たちで正解を作っていかなければ行けません。

パートナー様と共創することで、新たな付加価値を展開することが出来るとても面白い仕事だと感じています。その魅力についても記事を書きましたので、こちらもご覧下さい。

以上となります。最後までありがとうございました!

私の所属する部署はこちらです


少しでも興味を持っていただけたらうれしいです!



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