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早川沙織からの手紙

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2024年の春。 楠将樹(くすのき・まさき)の通う高校に、早川沙織(はやかわ・さおり)が転校してくる。 沙織は、艶のある黒髪をした美少女だった。 初対面にもかかわらず、なぜか突っ…
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2024年7月の記事一覧

早川沙織からの手紙 #16

沙織ふたたび4  カフェを出ても、沙織とナオミは、空白の時間を取り戻すみたいにしゃべりっ…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #15

沙織ふたたび3  土曜日の昼下がり、センター街の時計広場に到着すると、すでに沙織の姿があ…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #14

沙織ふたたび2  翌日、沙織はケロッとしてた。  ヤガミ少尉の部屋で、肘掛け付きの木製の…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #13

沙織ふたたび1  廊下で、沙織が木嶋と親しそうにしゃべっているのを見かけた。  ぼくは、…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #12

水晶の柱2  昼休憩になると、ぼくと沙織は中庭で待ち合わせて、図書館の2階にある特別閲覧…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #11

水晶の柱1  いつものように目を覚ますと、ぼくは濃密な暗闇に囲まれていた。辺りは、深い海…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #10

沙織3 「あの日、先輩と待ち合わせをしてたの。神社のまえで」 「へー」 「先輩に事情を説明したら、新しい浴衣を買ってあげるよって。先輩の父親はコンサル会社を経営してるのよ」 「そうなんだ」 「私、ショックだった。この日のために一生懸命選んで買ったお気に入りだったのに、ちょっと汚れたら、新しいのを買う人なんだって。ウソでもいいから、似合ってるねっていってほしかった。先輩に悪気はなかったのはわかっているのよ。転んだのは私なんだし。そういう人なんだなって気づいちゃったの、そのとき

早川沙織からの手紙 #9

沙織2  フードコートは、学校帰りの学生たちで半分ほど埋まっていた。  ぼくらの高校の制…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #8

沙織1  HRが終わって、教室でのんびりしていると、メッセージが届いた。  めずらしく沙…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #7

古墳4  1986年の学校新聞に、ヤガミ老人の写真はなかった。  沙織の話によると、生前…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #6

古墳3  ぼくらの学校では中間テストのまえ、つまりゴールデンウィークのまえにクラスマッチ…

ブルー
3か月前
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早川沙織からの手紙 #5

古墳2  その夢を見るようになったのは1年前、高校に入学してからだ。  実際のところ、そ…

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3か月前
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早川沙織からの手紙 #4

古墳1  ぼくの住んでいるF市は、海に面した中堅都市だ。  背後になだらかな山地があって…

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3か月前
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早川沙織からの手紙 #3

転校生3  バス停で小田桐ヒナを見送ったあと、このまま帰るかどこかで時間をつぶすか考えた。  まだ明るかったし、せっかく来たのだから、3階にある大型書店に寄ることにした。  ヨシオたちは、アミューズメントフロアに行くはずなので、その近くは通らないようにした。  マンガコーナーを素通りして、旅行関連の本が並んでいるコーナーにきた。海外から国内までの、人気旅行先のガイドブックやグルメ本が並んでいた。  小田桐ヒナとの会話で、修学旅行を思い出したせいだ。沖縄の本を順番に手に取って