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動物も雨の時に頭が痛くなるの?

こんにちは(^_^)
プラス漢方堂を経営している山本と言います
始めてnoteに記事を書きます
よろしくお願いします
(._.)

僕は漢方カウンセリング(漢方相談)を長年やっています。
雨の時に頭痛などの不調が表れる、いわゆる「気象病」の方の相談は多く経験しています。

あるとき、ふと
「動物も雨の時に頭が痛くなったりするのかな?」
と思ったことがきっかけで色々と調べて判ったことがあります

気象病はネットに色々と解説が出ているように
「急激な気圧低下の影響で、血液中の水分が血管の外に押し出されて起きる様々な症状」
とあります


・もし、動物が雨の時に頭痛が起きると・・

動物で、雨の時に頭痛やめまいなどが起きる個体は、ライオンなど捕食動物に捕らえられてしまう確率が高くなるはずです。
すると、その様な個体の子孫は現在まで残っていないはずです。


それは人でも同じだと考えられます

と、言う事は
現代人が雨の時に体調が悪くなるのは、何か他に原因があるのではないかと考えられます

・天気予報を見て頭痛が起きる人

日本から遥か離れた南の海上で
台風が発生したという予報を見ただけで頭痛が起きる人がいます

今の気圧に変化はないのに気象病が起きるのです

この様な方の場合
気圧の変化の影響で~
という理論では説明できません😓

以前は、この様な方にも五苓散(ごれいさん/気象病に汎用される漢方ですね)を試してもらっていました
が、
効いたり効かなかったり、よく判らないなど、効果はバラバラでした

当時、天気予報を見ただけで、頭痛が起きる理由は全くわかりませんでした。

ストレスなのかな?
とも思いましたが、なぜ台風発生の予報でストレスが起きるのか全くわかりませんでした

が、ある時
全く違う事からこの疑問の答えを発見したのです

・雨とストレス

サル学者の島泰三氏によると、野外でのフィールドワーク観察で、嵐の大雨の時でも小猿は雨に濡れても全く意に介さず他の小猿と遊んでいる事を多数観察したそうです。

それまでは、サルも雨や台風の到来時には、雨風をよけるために岩陰などにうずくまっているのでは考えていたそうですが、実際は、全く違い、小猿は雨風などないように普段と変りなく活動している事を知ったとあります。

その理由として
体毛によって雨水が地肌まで到達出来ないため、体温の低下から守られているのではないかと考察しています。

※島氏は、動物の体毛は家の屋根壁と同じ働きをしていると言っています
※島泰三氏らはレインコートを着ていてもとても寒かったと記述されています

・登山などで遭難時の死因

現代でも、遭難の際の死因は、低体温症脱水症がもっとも多い事が報告されています

でも
鹿やタヌキなどが低体温症で死んだと言う事は聞きません

雪が積もる山間に住むサルが低体温症で集団死したということも聞きません

熊に至っては
冬山の穴で数ヶ月?寝ているのに温かくなってくると目覚めて起きてきます

人間だったら絶望的です・・

人だけが、山などで悪天候に見舞われて低体温症になって死亡することがあるのです

なぜヒトは他の動物と違い低体温症に見舞われてしまうのか?
前から遭難死のニュースを効く度に漠然とした疑問を持っていました
(?_?)

島泰三氏の「はだかの起源」を読んだとき、疑問が氷解しました

・人は「雨風に恐怖を感じる能力」を持っている

ヒトは体毛が殆どないため
雨にぬれると急激に体温が奪われ低体温症になるリスクが高くなります

風があると、より低体温症リスクが高まります

つまり、ヒトにとって「雨、風が強い天候」
命が危険に晒されるストレス状況で
その情報はDNAレベルで刻みつけられていると考えられます

「雨風に恐怖を感じて避難した個体」が生き残り、現代を生きる私たちは、その個体の子孫なわけです

ただ、皆がこの能力を持っているとそれは普通であり、自覚出来なくなっているのでしょう

また、この能力は原始の時代に獲得した能力で「恐怖と紐付いた本能レベルの能力」と考えられます

恐怖を司っているのは
大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)と言う「原始の脳」に位置している
「扁桃体(へんとうたい)」
という部位になります

原始の脳にある情報は自覚出来ないため
現代人は「雨風」に対して「恐怖」を自覚できないようになっています

暴風雨など激しくなると、怖さを感じる様になってきますし、雷などが起きると「恐怖」を感じる人が更に増えてきますね

・恐怖が起こす「ストレス反応」
ストレス反応という生理反応があります

ストレス反応は
「命が危ない時に起きる生理反応」
です

人は大昔からライオンなど大型捕食動物から
食べられる側でした

危険を察知したり
危機に直面した状況を乗り切るためには

瞬時に的確な状況判断をしなくてはいけません

そのために脳が最大限フル活動する必要があり
瞬時に「脳に大量の血液を送り込む」生理反応が
「ストレス反応」です

「ストレス反応」によって心臓が強く収縮するので
脳へ血液を送る頭部の動脈圧が亢進します

すると、頭部に位置する内耳で浮腫が起き、めまいが起きたり、頭痛が起きたりすると考えられます

※内耳には、平衡感覚を司る三半規管があります
三半規管内はリンパ液と言う体液で満たされていて
リンパ液は産生と排泄によって一定の範囲になる様にコントロールされています

リンパ液は血液中の水分から作られ、血液中に戻っていきます
つまり、血液循環によってコントロールされています

内耳を循環する微小血管内の内圧が必要以上に高まると
リンパ液の産生量が増加し、血液中に戻りにくくなるので
三半規管内のリンバ液の量が増えて浮腫むことがあると考えられます

天候による不調が見られるのは
私の経験では女性が多い感じです

女性は肉体的に自己防衛力が男性より低いため
危険要因に反応しやすいためではないかと考えています

動物は雨風でこの様なストレス反応は起きない筈なので嵐の中でも普通に過ごせるのでしょう

・天気予報で頭痛が表れる理由

人の脳の進化と構造からその理由を推測できます
脳はいくつかの層が重なった形になっています

一番表面が新しい現代人の脳で、この部位は大脳皮質(だいのうひしつ)と言われ、人の大脳皮質は大きく発達しています

大脳皮質の下には大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)と言われる古い脳があります

大脳辺縁系の表面部分は「石器人」の脳
その下には哺乳動物と共通した動物脳があり
更にその下には
爬虫類や魚と同じ様な脳の脳幹(のうかん)があり、脊椎と接続しています


引用
https://imok-academy.com/nuronglial-cell/

※脳は進化に伴い、古い脳の上に新しい脳が積み重なるようにして発達してきました

私たちが自覚できるのは
新しい脳(大脳皮質)で処理される情報です

原始の脳(大脳辺縁系)は
内臓や皮膚などから送られてくる情報を受け取り
心拍、体温、呼吸など
眠っていても(意識しなくても)体をその時の環境に合わせて自動的にコントロールしています

この様に
古い脳(大脳辺縁系)は、本能的な生命維持情報の処理を行っていて、原始の脳で処理される情報は基本的に自覚する事は出来ません

この様な脳の構造のため

・「雨、風は命の危機」は
大脳辺縁系(原始の脳)で処理される情報

・「TVの天気予報」は
大脳皮質(現代人の脳)で認識される情報

になります。

大脳辺縁系では、目と耳から入った情報は認識されますが、
大脳辺縁系に「TV」はありません

そのため、TVからの情報でも大脳辺縁系は危険だと認識し
ストレス反応が誘発され、気象病が起きるのではないかと考えています

・病人の写真を見ると免疫細胞が増える

免疫細胞の数は
病気をしていない時は最低レベルの少ない数で
病気の時には増えます

ブリティッシュコロンビア大学の研究で、被験者に病気の人々の姿が映った10分間のスライドショーを見せ、その前後の血液から免疫細胞の変化を調べました

すると、スライドを見た後に免疫細胞が増えていたのです

免疫細胞の数は
意識して増やしたり減らしたりは出来ません

免疫細胞の数は、内臓、目、耳、臭い、皮膚感覚などから入ってきた情報に基づき、原始の脳(大脳辺縁系)がコントロールします

そして
大脳辺縁系(原始の脳)は、病人が目の前にいる事は認識出来ますが、それが写真ということは認識出来ません。
※原始の脳には「写真」もないので

ですので、病人の写真で
大脳辺縁系は「病人がいる」と認識し
身を守る為に
「免疫細胞を増やせ」と指令を出したと考えられます
(^0_0^)ナルホド

・現代人に気象病が表れる様になったわけ

太古の人間が
雨の度にストレス反応が起きて頭痛などが起きていたら
やはり、
ライオンなどの捕食者に襲われるなどで絶滅していたでしょう

なので、通常の雨風程度ではなんともなく
雨風をよける安全なところを探せていたのだと考えられます

それが、現代人になって
しかも、近代になるほど雨の時に頭痛など体調が悪くなる人が増えているようです

その理由は
太古にはなくて
近代になるほど表れてきた「何か」
が関係しているのではと・・

僕は、それは
食事の影響と考えています
特に「甘いもの」の影響です

「甘いもの」を摂るとストレス反応が誘発されます
※この理由は長くなるので別の機会に書きます

普段から、甘いものを摂ってストレス反応が誘発されていると

雨で脳の想定を超える強いストレス反応が誘発されて
その結果、頭痛などの不調が表れる様になっている
と考えています

この仮説を元に
気象病の方には
その方に合った「ストレス反応を解放する漢方」で治療しています

そして
甘いものを
できるだけ摂らないようにアドバイスします

実際
甘いものを摂らないようにされた方は
雨の時の頭痛などが激減しています

起きた場合でも
お渡ししている漢方を1回程度の服用でスッキリされています

・頭痛薬は気象病を起こしやすくします

雨で頭が痛いと頭痛薬
めまいが強いとめまい止め
のお薬を飲まれる方が多いと思います

しかし
頭痛薬やめまい止めといったお薬は
結果的に自律神経バランスを交感神経にバランスさせるので

ストレス反応が起きやすくなり
気象病が表れやすくなるので
あまりお勧めしません

もし、
雨の時に頭痛が起きて辛い場合は
ゆっくりと深呼吸をしてみてください
※ゆっくりと息を吐くのがポイントです

頭部の動脈圧が下がり少し楽になると思いますよ

#頭痛
#めまい
#気象病
#漢方


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