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疲労回復には「補中益気湯」薬剤師が解説!
だるい日が続く、食欲がない、集中力が続かない…。
もしかしたら、知らないうちに疲れが溜まっているのかもしれません。
疲れとは、頑張りすぎた身体が休息を必要としている状態です。
疲労の回復には、規則正しい生活にプラスして漢方を取り入れてみませんか。
今回は漢方薬の中でも疲労回復に有効と言われる「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」について解説していきます。
漢方薬は疲労回復におすすめ!
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皆さんは疲れにはどのように対処していますか。
疲れをそのまま放っておくと、さらなる身体の不調につながる恐れがあります。
疲労には早めの対処が必要です。
疲れやすい体質を改善するために、漢方薬はおすすめの手段。
これを機に、漢方薬を生活にプラスしてみましょう。
そもそも漢方って?
漢方薬は長い歴史の中で、さまざまな生薬の組み合わせによってできている薬です。
生薬は、もともと身体に自然に備わっている力を手助けする役割があります。
根本から身体の不調を改善することで体質を改善していくのです。
漢方の考え方「漢方医学」に関して興味がある方は、以下の記事を参照ください。
漢方の考え方
漢方では、人間の身体は「気」「血」「水」の3つの要素で成り立っているという考え方があります。
どれかが多すぎても、少なすぎてもいけません。
それぞれがバランスを保つことで、健康を維持しています。
では、「気」「血」「水」とはどのような概念なのでしょうか。
【気】
元気を保つために欠かせないのが「気」です。
体内を巡る、生命活動を支えるエネルギー。
身体中にエネルギーが巡っていれば、健康と言えるでしょう。
一方で気が不足すると、慢性的な疲労の症状に陥ってしまいます。
「気」は身体を温める作用もあるので、不足すると風邪を引きやすくなります。
【血】
「血」は栄養素などを含む血流を指します。
何らかの原因で身体の各所の血が滞り、女性の月経異常や腰痛、肩こりが生じると考えられます。
冷えによって血行が悪くなるケースも。
【水】
「水」は血液以外の体液全般を指します。
人間の体重の60%は水分です。
身体はまさに、水でできているともいえるでしょう。
全身の血液以外の水分が偏ることで、身体の不調が起きます。
全身のむくみや頭痛、めまいが代表的なトラブルです。
補中益気湯は「気」の不足に効果的
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補中益気湯は、「気」が不足した状態に用いられる漢方です。
「気」が不足すると、気力・体力が低下します。
補中益気湯の「中」は胃腸を意味します。
胃腸の力を補うことで、消化器官を丈夫にするというのが由来です。
名前が意味する通り、胃腸の機能を整え、弱った身体を回復します。
予防的に服用することで、ウイルスに対する免疫機能を高めてくれる漢方薬としても注目されています。
補中益気湯はどんな症状にぴったり?
加齢やストレスなどで疲れが溜まりやすい
胃腸の働きが弱い
季節の変わり目に体調を崩しやすい
上記のような疲れがあるときに「補中益気湯」は効果的です。
補中益気湯を構成する生薬
人参(ニンジン)
白朮(ビャクジュツ)
黄耆(オウギ)
当帰(トウキ)
陳皮(チンピ)
大棗(タイソウ)
甘草(カンゾウ)
柴胡(サイコ)
生姜(ショウキョウ)
升麻(ショウマ)
以上の10種類が補中益気湯を構成する生薬です。
効能・効果
補中益気湯は体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすい人に用いられます。
当薬局では以下の効果を期待して、補中益気湯を採用しています。
エネルギー補給・滋養強壮
ストレス発散・免疫力アップ
エネルギー補給・滋養強壮
人参(にんじん):朝鮮人参のことで昔から不老長寿の薬として有名な生薬
黄耆(おうぎ):からだの傷を修復し、エネルギー漏れを防ぐ
ストレス発散・免疫力アップ
柴胡(さいこ):ストレスを発散し、免疫力アップ
升麻(しょうま):垂れている身体と心をシャキッと引き締める
漢方薬の飲み方
1日3回食前または食間に服用する。
食間とは食後2〜3時間のことで、胃に食べ物が入っていない時のことです。
基本的に漢方薬に添付されている説明書には、食前又は食間とあります。
しかし空腹時と食後での効果や副作用の違いは明確なエビデンスがありません。
私がおすすめする漢方の服用方法は、ご自身の生活リズムに合わせての服用です。
毎日同じ時間などの服用タイミングより、回数通りに服用することをおすすめしています。
白湯または水で服用しましょう。
漢方薬の服用によくある質問
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漢方薬の服用に関して、よくある質問をご紹介していきたいと思います。
Q:漢方薬はどのくらいで効果が出るの?
A:症状、体質などで個人差はありますが、1日〜1週間で効果が出る人もいれば、1〜2ヶ月で効果が出る人もいます。
1ヶ月以上服用しても効果が現れない場合は、医師または薬剤師などに相談してください。
Q:食事の時間が1日1〜2回と不規則です。薬はいつ飲めばいいでしょうか。
A:食事の時間に関係なく、1日2〜3回、空腹時・食間に服用してください。
空腹時とは胃のなかに食べ物がないとき。
食間とは食後2〜3時間のことです。
漢方の添付されている説明書には食前または食間とあります。
しかし空腹時と食後で効果や副作用の出方が異なることを表すエビデンスはありません。
私がおすすめする服用方法は、服用時間ではなく回数通りに服用することです。
ご自身の生活リズムに合わせ、無理のないよう続けてみてくださいね。
Q:漢方薬の味が苦手で、飲めるか不安です。
A:味覚には個人差があるので人によりますが、補中益気湯は苦味のある生薬の配合が少なく、飲みやすい漢方薬です。
とはいえ、漢方薬の味が苦手という方も多いですよね。そんな方には錠剤の漢方薬がおすすめ。
匂いも感じにくいため、外出先に持っていって服用する場合も飲みやすいですよ。
+kampo(プラス漢方)では、服用しやすい錠剤の漢方薬をメインに取り扱っています。
補中益気湯以外の疲労回復におすすめの漢方薬2つ
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他にはどのような漢方が疲労の回復に用いられるのでしょうか。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
も疲労に効果的な漢方です。
十全大補湯
疲れ
貧血気味
食欲がない
などの症状に向いています。
「気」に加え、「血」も補う漢方薬です。
体力低下を始め、産後の衰弱や貧血、冷え症の改善など、さまざまな目的で使われます。
加味逍遙散
月経異常や更年期の症状など、女性特有の症状によく用いられる漢方です。
交感神経が興奮することによる、女性のイライラにも効果があると言われています。
自律神経を調節することで、気持ちのたかぶりを落ち着かせます。
ストレスによって、以下の症状に悩まされる人が少なくありません。
頭痛
めまい
不安
不眠 など
加味逍遙散は、これら心身の不調にも使われます。
漢方薬で疲労回復!
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疲れを感じやすい人は、ご自身に合った漢方薬を試してみることをおすすめします。
弱った身体を回復に導く、心強い味方になるはずですよ。
漢方薬には様々な効果があります。
疲れにくい身体づくりのために、日々の生活に漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、栄養をとり、しっかり休養をとることも忘れないでくださいね。
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