見出し画像

#61 増える老老介護、日本のトイレって全く介護を意識出来てない!根本から考え直す必要あり!

今、いつもお世話になっている方の
お家のトイレについての
リフォームを計画中です。

その方のお家のトイレは、
半坪、畳一畳分くらいのスペースです。

これって所謂、普通の日本の住宅の
トイレスペースですよね。
デフォルトです。

ところが、このサイズのトイレでは
介護が全く出来ません。
絶対的に一人用のスペースなので
自分で全部出来なければこのトイレでは
役立たずだということになります。

では、どんなトイレなら大丈夫なのか?



所謂、介護が出来るトイレというのは
こんなトイレです。

介護が出来るトイレ

このトイレなら付き添って入り、
横について介助出来ます。

写真では見えませんが、
洗面もこのスペースにあるので
汚れものもすぐに洗える、
手も洗えるということで
この位の余裕がなければ介助が
必要な人の為のトイレとは言えないと
いうわけです。

しかし、実情はほとんどこんなトイレです。

我が家を含め、日本の住宅のトイレは
このサイズ以下が90%ではないでしょうか?


ほとんどのトイレのサイズ感はこれ

実際、このトイレに介助者がつくことは
難しいと言えます。(写真なので奥行きは
深く見えています)

もし、貴方の家のトイレが
このサイズかそれ以下で
リフォームをして介助が出来るトイレに
変えることが可能なら、実行する価値は
とても高いと思います。

なぜなら、条件さえ許せば
自宅で暮らすことが出来るからです。

もちろん、家族だけで全てを抱え込めと
言っているのではなく、ヘルパーさん等の
手を借りることを検討したとしても
自宅で生活するという選択肢を
加えることが出来るし、
期間限定であっても家族との時間を
持つことも出来るかもしれません。

いやいや、私は病院や施設のお世話に
なるので、そこまで自宅での生活には
こだわっていませんという声も
あるでしょうがそもそも病院や施設に
希望通りに入所できるかどうか?
人手不足のなか手厚い介護を受けることが
出来るのかどうか?分からない時代が
すぐそこまで来ているとしたら?

高齢化社会を自分らしく生き抜く為の
キーワードは自宅であり、
特に水回りの状態や使い勝手、中でも
トイレスペースをそれ様に整えることは
すごく価値あることだと感じます。

実際に予定しているプランを紹介

下記は、現状の写真と平面図です。

現状のトイレ
現状の平面図

トイレは、標準的なスペースですので
決して狭いわけではありません。
でも、扉が集中しているのは
いかがなものか?
子育てでも大変そうですが、
介助となれば大人二人のスペースは
ありませんね。

旦那様が倒れて、
何とか時々帰宅出来るようにはなった
ものの、このトイレでの介助が
本当に大変で心身共に
疲弊してしまうとのことから
このリフォームの話になりました。

介護リフォーム(トイレ)、水回り

年金暮らし・・・、先のことを考えると
予算は抑えて欲しいということだったのですが
結局このプランに落ち着きました。
最初に私が提案した形に近いものです。

元のトイレスペースは納戸のように
使いますので、内装はタイルを残し、
予算を節約します。

その代わりといっては何ですが
動線をしっかり作って、引き戸で
動作も楽になるようにプランしています。

洗面室とトイレの間の壁は要らない
のではないかと思ったのですが、
時々はお客様も来られるし、
娘さんも泊まりに来ることもあるので
ココは引戸をいれることにしました。

リビングから(ここで旦那様の寝起き)
トイレ、洗面、風呂の動線は回遊できる
ようになり、引き戸で繋がるので開閉の
苦労が無くなります。

トイレの右側に奥様が寄り添えるので
介助が格段にやりやすくなります。
それでも老老介護は厳しいですが・・・

このリフォームの予算は120万円ほどです。

私の初回提案はこのようなプランでした。

初回の提案

奥様の気持ちとしては、
トイレと洗面脱衣は分けたかったようです。

するとこのトイレの向きでは前が狭い
ので変える必要がありました。

そして、3枚連動引き戸はサイズ的に
オーダーの範囲にはまらず無理だと
わかり、ここも変更する必要がありました。

そして、現状のトイレ部分のタイルを
落として壁を作り直して内装を変えるのは
手間と予算を沢山使ってしまうので
少し我慢して節約することになりました。

斜線の部分の壁は、新設するという意味で
トイレを通らないと洗面室に入れないのも
奥様的にはお気に召さなかった様でした。

要するに、私は介護というところに
視点を当てましたが、奥様は自分の生活や
来客という視点も大切だったわけです。

でも、この方とはとても強く信頼関係が
あるので、割と言いたいことを言い合っても
問題が起きるということがありませんでした。

予算や気持ち、そしてプランナーには
分からない普段の生活など、
色々なことがリフォームでは大切な要素に
なります。

プロ目線はいいけれど
お客様の幸せはそれだけではありません。

時間をかけて、互いに納得でき、
楽しみに結果を待てるということが
とても大切だと思います。

そして、言えることは、
介護リフォームは、本人の為だけでなく
介護する人の為、奥様やお子さん、
ヘルパーさんの為であり、その先で
自然に本人の幸せに繋がるという事です。


また、結果も投稿したいと思っています。
お楽しみにね・・・


この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?