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ヘルスケアの未来のカタチ

ヘルスケア事業を通し様々な企業や団体と協力して取り組む叙階課題事業とは。そしてそこから見える今後のヘルスケア業界のあり方についてお話いただきました。

スピーカープロフィール

増田勇樹

和歌山県出身。MSD株式会社代表取締役。
大阪医療福祉専門学校を卒業後、
理学療法士として病院やクリニックに勤務。
サッカーチームのトレーナーや、フィットネスクラブでのパーソナルトレーナーとしても勤務した。
その後タイでの生活を経て、現在はヘルスケア事業を通した様々な企業や団体と協力し、社会課題解決に取り組む。

タイでの生活

サッカーチームからのオファーがきっかけでタイへ飛び込んだ増田さん。ついた矢先、誘っていただた方が解雇され、自身もクビになります。しかし、そこで帰ってしまうのは面白くないと思った増田さん、このことがビジネスを始めるきっかけとなります。

タイでは様々な問題に直面します。ビザ、言葉、海外ビジネス、、、。
「日々生きるために何かしないと、生きていくために必要な事でやっていこう」これがタイの生活の全てだったと語ります。

そしてビジネスが安定してきたときに起こったのがCOVID19。

タイでロックダウンの生活を強いられることになりました。
時間ができたことにより、考える時間が生まれたといいます。

生きていくために必死にやっていたことから、そこからこそ見える日本や出身地和歌山で何かできないか、自分の仕事のやり方的に、いろんな形でできるんじゃないかと考えたときに、日本の社会課題から考えていこうと思ったそうです。

日本のヘルスケア事情

現在の日本のヘルスケアには様々な課題があります。例えば医療費、介護、社会保障。

日本では、ヘルスケア産業の領域において医療・介護領域は保険で守られています。しかし、ヘルスケアはこの部分だけでなく、もっと大きく見ると市場が見えてきます。この部分をビジネス化していこうと増田さんは言います。

また、実際に経済産業省の方からも健康経営や予防医療、睡眠、癒し、住居など、様々なところにヘルスケアのチャンスが眠っているという風に言われているそうです。

健康って何?

健康とは何でしょうか?身体的、精神的、社会的。このすべてが整っているからこそ健康であることを私たちは忘れがちです。

ウェルネス

近ごろでは「ウェルネス」「ウェルビーイング」という言葉を聞く機会が増えてきました。「ウェルネス」とは健康を身体の側面だけでなくより講義に捉えた概念のことです。

では、これは健康と何が違うか考えたことはあるでしょうか?

「健康」とは、実は「受け身」なのです。自分は健康じゃないから受け身にならないといけない。こんな後ろ向きな姿勢があるのです。

それに対し、「ウェルネス」は積極的に取り組んでいく前向きな姿勢があります。「こんな自分になりたい」「こんな自分が好き」といった、健康にこだわりすぎない特徴を持ちます。健康のために歩きましょうと言われれば、強制されている感じがあるのに対し、素敵な景色を見に行きましょうとなれば、健康を意識せず、健康になる仕掛けができるのです。増田さんはこのような要素がこれからのヘルスケアに必要なのではないかといいます。

ウェルネスツーリズム

そこで増田さんが体現しようとしているのがウェルネスツーリズム産業。これを日本で体現していきたいといいます。

今までの自分のファーストプレイス(生活する場所)、セカンドプレイス(職場や学校)に加え、もう一つの場所にウェルネスを食い込む。そして「豊かな人生を」という中に「健康」というテーマだけでなく、「環境」「自然」「文化」「食」「土地」など地域ならではのものを入れていくのにこれからのヘルスケアの価値があるのではないかと増田さんは言います。

日本はウェルネスに必要な要素をそろえているが、発信し、まとめていくことがまだできていないとタイと比べたときに感じるそうです。

「健康」という付加価値

そして生まれたうちの一つが、日本でのワーケーションリトリートプログラム。リトリートという観点を会社の健康経営という形で付け加えていこうとしたものです。リトリートプログラムではその土地ならではのものを使います。自然に楽しんでいたら気がついたら健康になっている、そんなプログラムを目指しています。

もう一つは医療ヘルスケア製品の中に食品を混ぜていく事。ハーブやスパイス、有機野菜などその土地ならではのものをサプリメントなどの代わりにしていこうとするものです。ここではその土地ならではのもの、旬のものを扱う事で健康という付加価値をつけていきます。身体も健康に、そして地域経済も活性化する事で地域が社会的に健康にもなります。

実際に増田さんは、和歌山での動物から予防医療を教えてもらうきっかけを作ったり、旅館や湯治文化を利用した取り組みをしておられます。生産者や地域の特産品、資源を発信していくこともできたら次なる展開にも繋がります。

これからのヘルスケア

増田さんは最後に、「ウェルネスという考え方、産業の仕方。この全体がこれからの未来のヘルスケアを考えたときに大事になっていくのではないか。その土地その土地に必要なコンテンツをもう一度掘り出してみんなで発信していくのが地域創生に繋がるのではないか」とお話しくださいました。

学生スタッフ感想

今回のお話は私自身、とてもヘルスケア業界に興味があったためとても興味深い内容でした。そしてまだまだ自分の見えていない市場があるように感じました。

増田さんの取り組みの素晴らしい点はその土地ならではのモノを活かし、その土地の人とも繋がり協力してできる点だと思います。

ここplug078でのお話を聞いているとよく人と人との繋がりのもとに様々な取り組みが形となっていくのを感じます。今回のお話でも、やはりその土地ならではの人と密に関わるからこそ形にしていけるのではないかと感じました。


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