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【雑記】予算15万円で小型軽量かつ高画質の超望遠撮影を楽しみたい


はじめに

望遠レンズ、重いです。
カバンに入れるだけで存在感を発揮し、多くは手頃な価格とは言えません。私の撮影方法では必要になる機会も標準や広角と比べると少ないため、今まであまり使ってきませんでした。

しかし、望遠で撮影したい機会というのは必ずあり、その度にシャッターチャンスを逃してきました。GFXは望遠に不利なのです。

今回は、タイトルの通り、予算15万円で軽量かつ高画質の(超)望遠撮影を実現する方法を考えます。

なお、選定に際しては以下のような条件を設けました。

・コミコミ15万円以下程度であること
・GFXと両立できるよう、小型かつ軽量であること(おおよそ1kg以下)
・それなりに画質がよいこと(1型センサー~APS-C程度のセンサーサイズ)
・AFの精度が高いこと、高速であること
・望遠撮影ができること(300mm以上)
・手ぶれ補正があること

レンズやボディの資産が活きたり、クリティカルな機能があればその限りではありませんが、基本的にはこれらに則っています。

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まっとうな候補

SONY DSC-RX10M4

・予算:◯(中古)
・小型軽量:△(1095g)
・画質:◯(1型センサー)
・AF:◎
・望遠:◎(600mmまで)
・手ぶれ補正:◯

まず思い浮かんだのがRX10M4です。
条件の多くに合致します。2017年の発売から時間が経ち、中古がだいぶ安くなりました。おおよそ1kgで、光学ズームは600mmまで対応。また、1型センサーを搭載しているためそれなりに高画質です。特筆すべきはAFで、α9譲りの高性能です。

ただし、先述のように2017年の発売で正直少し古いです。α9Ⅲが発売されようとしているなか、手を出していいものなのかどうか。
ちなみに後継は出ていません。末代になってしまうのでしょうか。

SONY DSC-RX100 VII

・予算:◯
・小型軽量:☆(302g)
・画質:◯(1型センサー)
・AF:◎
・望遠:△(200mmまで)
・手ぶれ補正:◯

やはり小型軽量はソニーのお家芸です。1型センサーとα9譲りのAFを300g程度のボディに搭載します。

しかし最大でも200mmまでしかズームできません。スマートフォンが高倍率レンズを搭載する昨今、「スマホでいい」場面と被ってしまうかも知れません。とはいえ、コンパクトデジカメというメリットを活かせれば、小型軽量でとても良い選択肢のはずです。

Panasonic LUMIX DC-FZ1000M2

・予算:◎
・小型軽量:◯(810g)
・画質:◯(1型センサー)
・AF:◯
・望遠:◎(400mmまで)
・手ぶれ補正:◯

FZ1000 M2は、予算を抑えつつすべての条件に合致します。スペックに特に不満もなく、以前から気になっていたカメラでもあります。もうこれで決まりかも。

Canon PowerShot ZOOM

・予算:☆(新品でも3万円以下)
・小型軽量:☆☆☆(145g)
・画質:△(1/3型センサー)※1/2.3型CMOSセンサーの中央部分を使用しているそうです
・AF:◯
・望遠:◎(光学ズーム:400mm、デジタルズーム:800mmまで)
・手ぶれ補正:◯

なぜ今まで気づかなかったのでしょう、大きいメインカメラのサブに大きいカメラを持ち歩くことのおかしさに。

スマホでもメインカメラでも撮影できない写真がPowerShot ZOOMなら撮影できます。最大800mmまでズームでき、手ぶれ補正やスマホとの連携機能もある。それでいて145gの小型軽量ボディで予算の1/5以下で済みます。しかも何気にDIGIC8搭載で絵作りにも期待がもてます。

しかし、1/3型センサーは一般的なスマホカメラのセンサー(2/3型)よりも小さいです。画質はどうなのでしょうか。

キヤノンのサイトを見てみました。やっぱりいわゆる一眼の画質と比べると見劣りはします。晴れた屋外でないときつそうでもあり。
とはいえ、1/3インチセンサーであることを考えるとそれほど悪くない画質だと感じました。
したがって、激しい動きものを撮影したり高画質を追求しない限りは、小型軽量で持ち運びがし易い超望遠というメリットのほうが大きくなりそうです。

Canon IXY 650

・予算:☆
・小型軽量:☆☆☆(147g)
・画質:△(1/2.3型センサー)
・AF:◯
・望遠:◎(25-300mm デジタルズームあり)
・手ぶれ補正:◯

PowerShot ZOOMに競合するのもまた、キヤノンの高倍率コンデジでしょう。何でも撮れる25-300mmのズームを搭載し、旅のパートナーとして最適。それを裏付けるようにインバウンド需要で品薄のようです。

キヤノンのコンデジのラインナップが凄すぎて、予算と目的に合わせてここから選べばそれで幸せになれそう。流石は天下のキヤノンです。

さて、ここまでで4種のカメラを紹介しましたが、一般的な撮影においてはFZ1000 M2かPowerShot ZOOM、またはIXY 650を使用されれば満足できると思います。

しかし、カメラおたくとしてはもっと変わったカメラを使いたいという、へんな欲望があります。以降は満足できない方向けとなります。

変わったカメラの候補

Nikon COOLPIX P1000

・予算:◯
・小型軽量:△(1415g)
・画質:△(1/2.3型センサー)
・AF:◯
・望遠:☆☆☆(3,000mmまで)
・手ぶれ補正:◯

24-3,000mmの光学ズームを搭載し、マクロから月までを手持ちで撮れる唯一無二のコンデジです。
巨大なレンズの上には巨大なポップアップ式のストロボが載っています。ニコンらしくファインダーもきれいです。

非常にニッチな需要を突いた本機。代替になるカメラは思いつきませんでした。

カバンに忍ばせるには大きいですが、超 超 超望遠を気楽に撮影するならこれしか選択肢がありません。私のように、そういうカメラが好きな方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか。

OLYMPUS E-M1X & ED 75-300mm F4.8-6.7 II

・予算:◯(合わせて中古で15万円程度)
・小型軽量:△(ボディのみで約1kg、レンズを付けると約1.4kg)
・画質:◎(マイクロフォーサーズ)
・AF:☆(被写体認識あり)
・望遠:◎
・手ぶれ補正:☆(7.5段)

約10万円で買える、かつてのOLYMPUSのフラッグシップカメラです。
連写や手ぶれ補正、その他の機能もフラッグシップのそれです。当時のフルスペックを搭載しています。2019年頃からカメラの進化が動画方向に向かったこともあり、スチルでは未だ一線級です。

これまでに紹介したカメラとの一番の違いは、本機がレンズ交換式カメラであることです。撮影シーンによってマイクロフォーサーズ規格の多種多様なレンズを選択することが出来ます。

これらを踏まえ、発売当時は33万円程度だったことを考えると圧倒的なコストパフォーマンスといえます。
名機だと思うのですが、マイクロフォーサーズなのに1kgとはこれいかに、という空気が当時あったように思います。
その後程なくして、多くのスペックが共通で一部は進化したE-M1 Mark3が登場したこともあり、想像するにE-M1Xの一般への受けはあまり良くなかったのかも知れません。このあたりはGFX100とGFX100Sの関係にも似ていると思います。でも、それらを差し引いても格好良いんですよね。

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2をGFXで使う

・予算:◯
・小型軽量:×(レンズのみで約2kg)
・画質:☆☆☆(GFXの44*33mmセンサー)
・AF:◯
・望遠:◎
・手ぶれ補正:◯

GFX用のAFマウントアダプターを販売するFringerが以下のような動画を上げています。

レンズ後部のパーツを外せばケラレ無しで使用できるようなので気になっています。手ぶれ補正も使えるとのこと。
しかし、小型軽量はどこへ行ったのでしょうか。私は気を付けていないとシステムが大型化してしまうようです。

所持している機材群からの候補

レンズ資産が活きれば、カバンの中のレンズと追加投資が少なくて済みます。そこで、所持している機材群で望遠撮影する方法を考えました。

SIGMA fp & MC-21 & 50-100mm F1.8 DC HSM|Art

・予算:◎(一から揃えた場合は30万円弱)
・小型軽量:×(レンズのみで約1.5kg)
・画質:◎(fpのフルサイズセンサーをAPS-Cクロップ)
・AF:△
・望遠:△
・手ぶれ補正:×

SIGMA fpにマウントアダプター MC-21を装着し、50-100mm F1.8 DC HSM|Artを装着しました。

これの利点はfpの豊富なカラーモードが活かせることでしょう。撮って出しできれいなので撮影時のイメージを形にしやすいです。

また、豊富なアスペクト比を活用すれば、焦点距離によってはAPS-Cクロップをせずとも使用出来ることもあります。

一方、電子シャッターのみであること、手ぶれ補正がないこと、さほど望遠でないこと、AFが弱いこと、重いことが弱点でしょうか。……ほとんどですね。その分、Artラインレンズの画質は抜群です。

SIGMA fp & MC-21 & 105mm F1.4 DG HSM|Art

・予算:◎(ただし一から揃えると30万円弱)
・小型軽量:×(レンズのみで約1.5kg)
・画質:☆☆(fpのフルサイズセンサー)
・AF:△
・望遠:×
・手ぶれ補正:×

GFXでもよく使うレンズなら、fpで使用するのもよいかも知れません。幸いこれらの機材はよくカメラバッグに入っています。

105mm F1.4 Artは度々取り上げていますが、やはり最高の画質です。

しかし100mmまでしか使えないことに加えて先述の50-100mm F1.8 Artの弱点がそのままついてくるので、これで航空祭などで必要とされるような超望遠撮影は難しいです。

やはり、望遠レンズが必要……振り出しに戻ってしまいました。

なんにせよ、レンズ資産を活かせれば初期投資が少なくてよいです。GFXでニコンのPFレンズなどが使用できれば、軽くて画質のよい選択肢になるのではないかと思います。

結論

今回は、予算15万円で軽量かつ高画質の(超)望遠撮影を実現する方法を考えました。

結論としては、用途に応じてLUMIX FZ1000 M2かPowerShot ZOOMを選択するのが良さそうです。

前者のLUMIX FZ1000 M2は先に上げたすべての条件に合致し、メインカメラの不得意な部分を補うサブカメラとしてしっかり機能するはずです。

後者のPowerShot ZOOMはとにかく小型軽量で、価格も3万円以下と手頃です。スマホでもメインカメラでも撮影できない写真が手軽に撮れます。
おそらく私の用途にはこのカメラが最適と思われます。

そして11月10日からキヤノンのキャッシュバックキャンペーンが始まりました。PowerShot ZOOMは3,000円がVisaギフトカードで戻ってきます。おおよそ10%引き。
これはおそらく一番手頃な「キヤノンの白レンズ」でしょうね。

一方で、カメラ好きとしてはOLYMPUS E-M1Xが一番ぐっと来ました。フラッグシップとしての機能を備えながらも、コストパフォーマンスが高いです。このさい重さには目を瞑ります。

ところで、最近PanasonicからG9 ProⅡ(DC-G9M2)が発売されました。
本記事での条件に合わなかったので紹介こそしませんでしたが、最も新しいだけあってここのどのカメラよりも概ね高性能です。懐が許せば強力な選択肢になると思います。

今回紹介したようなネオ一眼は2019年を境にぱったりと更新が止まり、その後ほとんど世に出ていません。残念ですが、コロナ禍の影響やスマホカメラの進化に押されてしまったのでしょう。
しかし、最近はそのコンデジが流行しているようす。α9Ⅲ譲りのグローバルシャッターを搭載したRX10 Mark5が出ないか妄想しています。

小型軽量に望遠を撮影する方法を考える際に、本記事がお役に立てば幸いです。

買いました

悩んだあげく、PowerShot ZOOMをキャッシュバックに負けて買いました。

これでようやく発作が収まりました。めでたし。めでたし。

レビューはこちら。

micro SDカードは128GBも必要ないかもしれませんが、あって困るものでもないので。お手持ちのものがあればそのまま使えるはずです。


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