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【レビュー】中判ボケマスター 105mm F1.4 DG HSM | ArtをGFXで使う
はじめに
本レンズは2018年に株式会社シグマより発売された、フルサイズ一眼カメラ用単焦点レンズです。
詳細については以下の公式ページをご覧ください。
本記事では、GFX 50Sで本レンズを使用した際の使用感等について記載します。
本レンズは中判サイズ(約44mm×33mm)のセンサーをもつGFX 50Sでもケラれ無しで使用することが出来ます。
なお、以下のレビューではSHOTENのEF-GFXアダプターを使用しています。
※本記事のAmazonへのリンクはアフィリエイトです
外観・使用感
大きさや重さについてよく言われる本レンズ。GFX 50Sに着けるとなおさら大きくなります。縦位置グリップを着けるとグリップ感は増しますが、流石に重すぎ。後述の重量バランスも縦位置グリップなしのほうが良好に思えます。シーンに合わせて選択したいところです。
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また、他の方のレビューではあまり取り上げられませんが、気に入っているポイントがあります。三脚座(着脱可能)にPeak Designのアンカーが取り付けられる部分です。
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ここにストラップを着けることで、レンズと本体の重量バランスが取れて肩への負担が減ります。
何より、重量のある本レンズをマウントアダプターを介してカメラに着けて持ち運ぶことで、マウントアダプターの破損に繋がらないか心配しなくてよくなったのが嬉しい。レンズ側にストラップがあるおかげでその負担も軽減されそう。
絞り毎の描写の変化
絞りを段階的に絞った際の描写について、中心部と左端部を等倍に拡大した画像とともに以下に示します。
ボディはGFX 50S、ISO100、カラーモードはスタンダードで、補正などは特にしていません。
F1.4
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中心部は開放から高い解像力を発揮しています。
F2
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絞るといっそう解像力を増し、周辺減光が改善します。
F2.8
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![](https://assets.st-note.com/img/1716781135537-LdjVd2BBr4.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716781144167-USJyGn2DtB.png?width=1200)
周辺減光を抑えつつ、大きなボケを得たい場合はF2.8程度まで絞るのが良さそうです。
F4
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![](https://assets.st-note.com/img/1716781157950-pJ3ixMoMof.png?width=1200)
周辺減光はほぼ解消されたように見えます。
F5.6
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![](https://assets.st-note.com/img/1716781164342-GCzz1j14iE.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716781170493-IPxW9b1ptc.png?width=1200)
F5.6まで絞ると周辺減光はほとんど気にならなくなります。
個人的には描写のピークに感じます。
F8
![](https://assets.st-note.com/img/1716780525944-3CWdkfqqob.jpg?width=1200)
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重箱の隅をつつくような見方をしなければ風景でも使えそうです。
F11
![](https://assets.st-note.com/img/1716781070696-2s4aOWdhie.jpg?width=1200)
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![](https://assets.st-note.com/img/1716781199205-i56HrNsLBO.png?width=1200)
F16
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![](https://assets.st-note.com/img/1716781206347-h7FKKBATBj.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716781213736-FeuKgCHj08.png?width=1200)
F16以降は僅かに回折の影響を感じます。
F22
![](https://assets.st-note.com/img/1716780628634-2EfzJeOnkJ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716781220802-eu6Cdq905O.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716781227353-pJsXbrbyCX.png?width=1200)
以上、105mm F1.4 DG HSM | ArtをGFX 50Sで使用した際の絞り毎の描写の変化を紹介しました。
撮影した写真
次に、撮影した写真を掲載します。画質を定量的に評価するのは難しいので、補足に留めます。
以下の写真はいずれも開放で撮影しました。カラーモードはVelvia。場所は愛媛県宇和島市の「天赦園」というところ。
![](https://assets.st-note.com/img/1682431602953-6VvEJAkOmf.jpg?width=1200)
本レンズは「Bokeh Master」とも呼ばれるくらい、ボケに配慮されたレンズです。2018年のCP+では、CP+技術アカデミー(当時)の中で本レンズの設計担当者による解説がありました。結論だけ言えば、ベンチマークとしていた同社の85mm F1.4 DG HSM Artを上回る解像力とボケを実現したとのこと。
![](https://assets.st-note.com/img/1682431602353-5lvPmw78ab.jpg?width=1200)
ボケが大きく、解像力の高いレンズで撮影した写真は、ピント面とボケている部分の対比によって、いっそうピント面の解像力が際立ちます。相反する2つの要素を融合させていることが本レンズの素晴らしいところだと思います。
周辺画質
一方で、本レンズはフルサイズ一眼カメラ用のレンズのため、周辺光量の低下を始めとする周辺部の画質劣化はある程度存在します。
![](https://assets.st-note.com/img/1682433461476-n0jurtYyQW.jpg?width=1200)
とはいえ、先述のとおり、絞れば段階的に改善されるものですし、周辺に主題を置かなければそれほど問題になりません。
開放から周辺まで最高の描写の写真が撮りたいのであれば、67レンズなどカメラのイメージサークルを上回るレンズを使うのがよいでしょう。
中判でボケを得る選択肢に
中判デジタルカメラには明るいレンズが少なく、また、あったとしても非常に高価であったり、AFが効かないなどの制約がある事が多いです。その結果として、純正レンズだとフルサイズと呼ばれるフォーマットのカメラよりもボケが得にくい場合もあります。
そんな中、本レンズは中古で14万円程度(2023年4月時点)で、AFがある、画質は抜群、サポートも続いている(2023年現在)など、至れり尽くせりです。
本レンズをGFXで使用すると、換算84mm F1.1程度となります。同じくらいの描写とボケ量を得ようとすると、ミラーレス一メーカー3社の85mm F1.2とそのカメラボディが必要になってくるのではないかと思います。
仮に(価格の落ち着いた)NIKON Z 6に同社の85mm F1.2を着けるとして、併せておおよそ50万円程度でしょうか(2023年4月時点のマップカメラ価格参考)。
一方、GFX 50S、EF-GのAFマウントアダプター、105mm F1.4 DG HSM Artの組み合わせであれば、おおよそ40万円程度で実現できます。価格が上昇傾向にあるフルサイズミラーレスカメラ用レンズ1本分で揃えられるセットとして、また、初めての中判デジタルに合わせるレンズとして、面白い選択肢なんじゃないかと思います。
中古ならフジヤカメラやマップカメラあたりが品数豊富でおすすめ。実店舗はそれぞれ中野と新宿にあります。
おわりに
本レンズは「高画質」とは何か、使用者に問いかけてきます。
高画質の定義は結局のところ不可能で、人による部分が大きいです。私がこれまで「高画質」と思っていたものを揺さぶる魅力がこのレンズにはありました。
先述のとおり大きく重たいですが、使用中は不思議と重くありません。
重さなど、このレンズで写真を撮る楽しさに比べれば……そんなことは頭の中からすっぽりと抜け落ち、写真を始めたばかりの頃の驚きと高揚を思い出しました。
しかし、身体はしっかりと覚えていました。幅広のストラップを使っていても、気がつけば肩が痛い。翌日は筋肉痛に悩まされること請け合いです。
以上の理由から、写真にマンネリを覚えている人、または強靭な身体をもつ人に勧めたいレンズです。
(おまけ)使用しているストラップ
パッドの幅が広く肩が痛くなりにくくなっています。メッシュ素材で蒸れにくいのもメリットです。
よければこちらもご覧ください。
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