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スポーツ業界への転職準備【企業研究編】

皆さんこんにちは。PLMキャリアの藤井です。
今週立ち上げたばかりの本アカウントですが、実質的な第1回配信にあたる今回から早速、スポーツ業界への具体的な転職準備の方法について(熱き求職者の皆さまとの出会いを楽しみにしつつ)お伝えしたいと思います。

というわけで、まずは基本的なことから。
これは必ずしもスポーツ業界に限ったことではないですが、転職活動の第一歩は、自分と相手(業界・企業)の両方をよく知ることです。いわゆる自己分析、業界分析、企業分析ですね。いずれも非常に大切な作業になりますが、この中でも今回は特に、企業の分析・研究の方法に的を絞って具体的にお伝えしたいと思います。(業界研究編も後日改めて配信します)

ちなみに準備する順番としては、まずは自己分析、次に業界研究を行い、それから企業研究を行うのがおすすめです。職業選択にあたって客観的な自己理解が前提になるのは当然として、志望する業界の市場規模や構造、あるいは業界内のビジネスの流れ等を把握してから企業を調べた方が、その企業に対する理解も確実に深まるからです。

また企業研究の効用は、単に志望する企業に採用されることだけではありません。もちろん短期的な意味としては採用に向けた準備ということになりますが、長期的にはスポーツビジネス全体の視点を学ぶ好機と捉えることもできます。また自己分析と照らし合わせることで、改めて自身のキャリアを考えることにも繋がります。

それでは、いよいよ具体的に企業研究のポイントを見ていきましょう。前述のようにスポーツ業界に限らないポイントもあれば、スポーツ業界だからこそ押さえておきたいポイントもあります。今回は私自身の個人的経験を踏まえ、プロ野球の球団職員への転職を想定する形でお伝えしますが、皆さまがそれぞれ志望する種目・業種・企業に置き換えてお読みいただければと思います。


1.インターネットで情報収集

企業研究の最初のステップは、インターネットによる情報収集です。「ネットで調べるなんて当たり前過ぎて言われるまでもない!」と感じる方もおられるかもしれませんが、まさに誰でもいつでもどこからでも可能な方法だからこそ、「単なる情報収集」と「徹底した情報収集」の結果には大きな差が生まれることになります。改めて、必要な情報は本当に調べ切れていますでしょうか?
もちろん人によって必要となる情報の量や幅にも差はあるかと思いますが、今回は最も基本となる情報収集のステップを3つご紹介します。

①球団公式サイトをチェック

基本中の基本になりますが、まずは志望する企業(球団)の公式サイトを細かく(一切の見落としがないくらい)確認します。特に直近の情報は要チェックです。ちなみに野球好きの方が球団サイトを閲覧すると、試合情報や選手名鑑など、主に競技面の情報把握に偏ってしまうことがあります。その結果、チームや選手のことをどれだけ知っているかをアピールポイントと捉える求職者の方も実際にいらっしゃるのですが、実はここは大きな落とし穴です。監督やコーチでなく球団職員を目指す場合、求職者の立場で必要になる情報は、同じサイト内の「ニュース」に主に掲載されています。もちろん掲載情報の多くはファンの方に向けた内容ですが、顧客としてのファンに対する球団の考えや動きを理解・把握しておくためにも必ず目を通しておきましょう。具体的には以下の視点などが大切です。

・どんなファンを対象にどんなイベントを実施したのか?
・どんなグッズが発売されているのか?
・スポンサーデーではどんなアクティベーションがあるのか?
・地域活動ではどんな取り組みをしているのか? など

球団の採用面接では「このイベントについてあなたはどう思いますか?」などと具体的に質問されることもしばしばあります。事前に確認してよく知った上で自分の考えを述べられると、志望度が高いことが伝わるでしょう。逆に良くないパターンとしては「入社後に〇〇のようなイベントを新たに企画実行したいです!」と威勢よく伝えたものの、実は既に実施済みだった、といった例があります。こうなると「あまり調べていないな」というマイナスの印象を与えかねませんので、やはり少なくとも公開されている情報はしっかりインプットしましょう。一方でインプットだけで決して満足せず、その上で自分の意見や考えを持つことも意識してください。面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれた際にも、自分なりによく調べた上で質問できることが望ましいです。

②経営者のメッセージをチェック

志望する企業の経営者の考えをよく知ることも大切です。企業の最高の意思決定者である経営者がどのようなバックグラウンドを持ち、どんなことを大事にしている人なのか、詳しく把握しておきましょう。経営者のメッセージは下記のような手段で知ることが出来ます。

・企業HPの経営者メッセージ
・新聞、ネットなどの取材記事
・経営者のTwitterなどのSNS
・経営者の著書 など

球団はもちろん、プロスポーツ関連企業の経営者は、比較的よくメディアの取材を受けています。ネットで名前を検索するだけでもたくさんの記事が出てきますし、著書を出している場合もあります。TwitterなどのSNSで情報発信している方も多いので、タイムリーな話題や発言も知れるでしょう。

パシフィックリーグマーケティング株式会社 HPより

例えば直接的に球団の例ではないですが、パ・リーグ6球団による共同出資会社である弊社PLMの代表取締役CEO 根岸友喜の名前をGoogle検索すると、実に1万件近くヒットします。勿論この全てを閲覧する必要はありませんが、検索結果の最初の数ページを辿っていくだけでも、SNSアカウントでの本人による発信や各種メディア掲載記事を通じて、根岸の経歴から考え方まで様々な情報を得ることができます。経営者の考え方は企業の方針や在り方に少なからず反映されますので、経営者のメッセージを通じて、企業への理解を深めましょう。

面接対策としては、経営者だけでなく、面接官になることが想定される人物についても同じようにチェックしておきたいところです。採用プロセスが具体的に公開されている場合はもちろん、そうでなくても人事担当者や希望部署のトップなど、工夫して検索すれば一定の情報を得られることがあります。

③職種をチェック

組織全体と経営者について調べたら、次は自分が応募する職種についても調べましょう。球団職員志望の場合、その仕事の中身は知られているようで、意外とファンの立場からは見えていないことも少なくありません。例えば球団には法人営業という職種がありますが、具体的にどんな商品を誰に営業するか、ご存知でしょうか?
もしご存知でない場合、やはり調べる必要があります。これも先ほどの経営者の例と同じで、プロスポーツの仕事はメディアの取材を受けることが多いため、ネット記事やスポーツ雑誌、あるいはスポーツビジネス関連書籍を探せば具体的な情報を得られることが多く、希望職種への理解が深まります。またこの段階で、志望する職種が自分のイメージとかけ離れていないか、自分のどのような経験が実際にに活かせそうかなど、改めて自己分析と照らし合わせてみることも大切です。

ちなみにPLMキャリアの公式サイト上でも、実際に球団職員としてご活躍されている方々へのインタビューを掲載していますので、ぜひご参考にしてください。

▼PLMキャリア INSIDE STORY


2.人に聞く、人に会う、人と繋がる

インターネット調査がひと段落したら、次の行動が向かう先はズバリ「人」です。具体的には、実際にスポーツビジネスに関わる方の話を聞くことです。志望する球団や企業で直接働いている方の話を聞けたら最高ですが、そうでなくても多くの情報や学び、視点を得られます。セミナーでスポーツ企業の経営者やスタッフの講演を聞く、交流会や知人の紹介を通じて実際に会う、あるいはSNS等で連絡を取ってオンラインで話すなど、方法は様々ですが、インターネット上の記事や書籍による情報だけでは分からないリアルな情報収集が出来るでしょう。


3.リアルな現場へ足を運ぶ

球団を志望する求職者様と面談をしていて、意外とやっていない方が多いと感じるのが、この「実際に足を運ぶ」という準備です。個人的にはネットの情報収集と同じか、あるいはそれ以上に大切なことだと思っています。もちろん球団職員を志すほどにプロ野球を愛する方であれば「球場なら昔から通っている。当たり前だろう」と仰る方もおられると思います。でもここでお話しているのは、単に野球ファンとして足を運んだ経験ではなく、スポーツビジネスの現場としての球場やイベント会場に足を運んだことがあるかどうかです。つまり大事なのは、スポーツビジネスパーソンとしての視点を持って現場に行ったか?ということです。具体的には以下のような視点となります。

◎営業職であれば、どんなスポンサーがついて、どんなアクティベーションがあるのか?
◎MD職であれば、どんなグッズがどんな売り場で展開されているのか?
◎飲食担当であれば、どんなスタジアムグルメが販売され、どんな店舗が入っているのか?
◎マーケティング職であれば、どんなファン層が来場していて、どんな動きをしているのか?

現場に行って、視察することはたくさんあります。その現場を見た上で、自分は何を感じ、何を課題と捉え、入社したら何に取り組みたいのか、アイデアもたくさん湧いてくると思います。

実は球団職員には、試合をゆっくり見ている時間はありません。もちろん担当するビジネスに関係するので、試合状況自体は事務所のテレビなどで確認していますが、ファンの皆様の動きやスポンサー様の反応を見ることも、同じくらい大事です。

「その球団のファンだから自分は誰よりもファンのことを理解している」と思いがちですが、ビジネス目線で球場へ行けば、きっとファンの時には見えなかったことがたくさんあると思います。厳しい言い方ですが、それが見えない人、ファンのままでしか現場を見られない人は、“スポーツを仕事にする”ということを今一度、考え直してみてください。

とはいえ現職と並行しながらの転職活動は、時間のやりくりが大変です。でも、ナイターも土日の試合もありますし、(居住地域にもよりますが)比較的アクセスがスムーズな球場もたくさんあります。全てチケットを買って入場しなくても、3時間の試合を最初から最後まで観なくても、試合日に球場周辺を見るだけでも現場の様子がわかります。ぜひ、自分の目で現場を視察して、自分の考えを深めてみてください。

実は私自身、球団職員の公募に応募すると決めた時、一番最初に取り組んだのが現場視察のスケジュール調整でした。面接までの日程で、行ける限りの球場とグッズショップへ行き、自分なりに感じたことをノートにまとめました。

最初に挙げたネット上の情報収集で得られる内容はみんな同じですが、現場で自分自身の目で見たことに関しては、面接においてもあなただけの言葉で伝えることが出来ます。ですのでやはり、大変でもできるだけ時間を作って、現場へ足を運ぶことをおすすめします。運が良ければ、その場で球団職員の方にお話を聞くことも出来るかもしれません。また更に余裕があれば、他競技の現場も併せて見に行くと比較が出来て、色々な気付きがあるでしょう。例えばプロ野球球団を受けるにあたって、JリーグのスタジアムやBリーグのアリーナにも行ってみる、といったことです。

また学生の方を含め、今すぐの話ではなくとも、将来的にスポーツ業界への転職・就職を考えている方は、日ごろのスポーツ観戦時にビジネス目線で現場を視察してみると、たくさんの学びが得られるでしょう。視察によって得た知識はご自身のキャリア資本として蓄積されますので、転職活動の面接対策としてだけでなく、晴れてスポーツビジネスパーソンになった時にも大いに役に立つはずです。

まとめ

というわけで、今回はスポーツ業界への転職について、特に企業研究における重要ポイントをお伝えしました。一言でまとめるならば、インターネットなどのデジタルツールの活用と、足を運ぶなどのアナログな努力の二刀流ということになります。また人と繋がる方法に関しては、デジタルとアナログと両方のアプローチが可能です。

ここまでやれば完璧だ、という到達点はありませんが、まずはご自身の時間の中で出来ることからやってみて下さい。これは私の個人的な感覚ですが、転職は事前準備で9割決まると言っても過言ではありません。もっと調べておけばよかった…と後から後悔しないためにもしっかりと準備をして面接に臨みましょう。

最後に、元プロ野球選手の金本知憲氏の言葉に「準備=覚悟」という言葉があります。スポーツ業界への転職準備を入念かつ本気で取り組むこと、それが転職する覚悟にも繋がるでしょう。

さあ、覚悟は固まりましたか?

固まったという方はぜひ、一緒にスポーツを仕事にしましょう!

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