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「文学フリマ東京」に出店しました

ハンドメイド作家のPlava Stabloこと、青木弘之です。

11/22(日)、「第三十一回文学フリマ東京」に「海外旅豆本Plava Stablo」として出店してきました。

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昨年11月の文学フリマ東京に初参加して、今年5月も参加申し込みはしたものの、新型コロナウイルスの影響で中止となり、まだ市中感染は続いているものの、事務局サイドで各種コロナ対策を講じてくださったおかげで、一年ぶりに文学フリマ東京に参加することができました。

昨年に比べると、ブースの数も少なく、だいぶ間隔を空けて配置されていることもあり、通路スペースにかなりの余裕がありました。

また、時間を区切って入場者の人数制限をかけていたことから、あふれる人波状態になることもなく、お客様もかなりゆったりした状態でブースをまわることができたのではないかと思います。

おかげさまで、多くのお客様が私の海外旅豆本に興味を持って下さり、売れた豆本の冊数も、昨年を大きく超えました。どうもありがとうございました。

お客様と直接お話しすることが出来るのも、イベント出店の楽しみです。マスク着用の中、熱が入ってついつい声が大きくなりそうなところを抑えつつ、作品の背景やエピソードなど、お客様にご説明するのは、私にとってもいい経験になります。

改めて考えてみたのですが、「文学フリマ東京」において、私の作品は、他の出店者の方々の作品とはかなり異なるのではないか、と思っています。

作品の点数が異様に多い

今回の「文学フリマ東京」では、私は57点の海外旅豆本を展示・販売しました。

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全てのブースをまわってみたわけではないので、想像の域を出ませんが、作品数の多いブースでも、作品数が10点を超えるのは少ないのではないかと思います。

大抵のブースに並んでいる作品の大きさは、だいたいA4~5サイズが多いと思いますが、私の豆本はA8サイズと、かなり小さいです。限られているスペースに限りがある以上、一度に展示できる数も限られてくるのは当然の事でしょう。

また、多くの作品を展示すると、それぞれの作品の印象が弱まって、作品の魅力がお客様に伝わりにくくなる、ということもあるかと思います。

私は逆で、たくさんの作品を並べることによって、お客様の目を引く効果を狙っている…わけでもないのですが、自然に目を引く展示になってしまっています。

作品はすべて手作り

大抵のブースの出店者さんは、自分の書いた文章や、撮影した写真を発表するために、だいたい印刷物にして販売しています。

※ちなみに「文学フリマ」では、デジタル媒体も販売可能です。

この際、自分で編集した原稿を専門の業者さんに渡して、印刷・製本してもらう形が一般的です。製本方法はページ数にもよりますが、少ページなら、ホッチキスの中綴じ、ページ数が多ければ、無線綴じが一般的でしょう。

専門の業者さんに発注するメリットは、自分で印刷・製本する手間が省けることもありますが、何といっても、見栄えよく作品が仕上がることではないでしょうか。

文章はともかく、写真はやはり鮮明に印刷されているに越したことはありません。

一方、私の豆本は、一冊ずつ全て私の手で作っています。

表紙に使う布の裏打ち、ボール紙の裁断、表紙の組み立て、本文原稿の作成から印刷と裁断、折丁づくりに糸綴じ、表紙と本文の合体から、仕上げの国名ラベル張りまで、全て手作業です。

私の作る豆本は、本文糸綴じの上製本仕立てにしているので、街中で売られている、一般的な書物(無線綴じやあじろ綴じの並製本)に比べても、丈夫にできています。

本文は家庭用インクジェットプリンターで縮小印刷していますが、小さいコメントの字も何とか読めるし、写真も、専門業者さんの印刷に比べれば、画質は正直落ちますが、旅の雰囲気を感じていただける程度にはきれいに印刷出来ていると思います。

考えてみると、私の海外旅豆本は、「文学フリマ」のような自作の著作物を展示・販売するイベントと、手づくり市のような自作のハンドメイド作品を展示・販売するイベントの両方に出品できる、珍しい作品なのではないかと思います。

価格が高い

大抵のブースで出品されている作品の価格は、500円から1,000円程度が一般的だと思います。安ければ300円とかあったりしますし、一方、専業の出版社の書籍でもないかぎり、2,000円を超すのはそうそう多くないと思います。

私の海外旅豆本はというと、イベント時は全て一律1,500円で販売しています。一見すると、その大きさの割に随分高いなあ…と感じられる方もいらっしゃるかと思います。

価格については、材料費と多少の利益は含めているものの、ほぼ人件費と考えていただいてよろしいかと思います。専門業者さんによる、一括機械生産とは異なり、完全個人手作業生産のため、生産効率を上げることにも限界があり、一冊の豆本を完成させるのに、それ相当の時間を費やしています。

今回の出店で、私の作品をお買い上げになったお客様も、この価格に納得してくださっているようなので、実にありがたく思っています。

私の推測なのですが、文学フリマに出店されている方の多くは、純粋に自分の創作した文章を読んでほしい、撮影した写真を見てほしいという想いで、利益度外視で作品を販売しているのではないのではないでしょうか。

個人的な感想ですが、こんなに内容が充実した力作なのに、こんな安い価格でいいの?と、私が申し訳なくなるような価格設定をされている方もいらっしゃるので、次回の新作を発表するための資金をプールするという意味で、もっと価格は上げてもいいのでは?と思うことがあります。

私を含め、購入する側からみれば、価格が安いとお財布にも優しいし、いろんな作者の方の作品を購入することもでき、結果として、多くの作者のためになっているのかもしれませんが、作者の方々の創作活動を支援するという意味で、多少の利益は得られるくらいの価格設定は許されるのではないかなあ…と思います。

今後のイベントに向けた課題など

今回は、おかげさまで売り上げは好調でしたが、次回以降の出店に向けて、いろいろな課題点も見えてきました。

まずは、これからも増えていく新作豆本を、限られたスペース内でどのように展示していくかです。

今回も、16冊置ける棚を3つと、平置きで9冊置いて、なんとか幅90cmのスペース内に収めましたが、これが展示できる限界に近いかなあ…と感じています。棚を4つ置くには、幅180cmのスペースを確保しないと難しいのですが、出店料が倍になってしまうので、その分売り上げを増やさないとペイできません。大きなイベントのため、そんなに出店料が安いというわけでもなく、出来るだけ最小のスペースで出店したいところなので、作品の展示方法も工夫しないといけないと思っています。

また、豆本の点数が増えていくにつれて、持参する販売用の豆本の数も増えていくことになります。

せっかく購入したいお客様がいらっしゃるのに、在庫切れという事態は避けたいので、今は全作品について、手元に在庫がある限り4冊ずつは持っていくようにしていますが、今回一番売れた国の豆本は3冊で、4冊持っていくことはまあ妥当なところかな、と思ってはいます。

ただ、持っていっても全く売れない豆本もあるわけで、イベント出店を重ねるにつれて、売れ筋の作品は大体わかってきてはいるので、作品ごとにある程度、数に幅を持たせて持参することも考えないとまずいなあ…と考えています。

あとは、展示している豆本の国・地域が一目で分かるような一覧地図や宣伝文句のPOP、購入していただいたお客様にお渡しできるような、紹介を兼ねた小冊子の作成など(私の名刺はお客様にお渡ししていますが)、今後のイベントでいろいろと試してみたいと思います。

次回のイベント参加は、12/6(日)の「おけがわ手づくりマーケット」になります。詳細につきましては、別途記事にてお知らせいたしますが、先月に続いての出店になりますので、もしよろしければ、どうぞお越しくださいませ。お待ちしております。

※海外旅豆本は、minne・creemaでも販売中です。








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