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毎日ワクワクしていらっしゃるのだ

今勤めている施設の凄いなあーと思うところは、毎日レクレーションが開催されているところだ。
文字にすると簡単だが、毎日決まった時間になると全員離床するということになる。誰が起こすの?誰が誘導するの?というと、それはもう介護職員さんでしかない。

そんなに広い施設ではないので、二つ三つの食堂や多目的ホールへ移動させるわけだが、これだけでも骨が折れると思う。経管栄養の人も、まったく意識がないと思われるレベルの人も全員連れて行ってくれる。
(この何の反応もないと思われがちな人が歌っていたり、目を瞑ったままピアノを弾く動作をすることもある。皆が笑うときは笑う。その場所にいると、確かに面白いのだろう。)

施設のご老人たちの一日は、皆さんが思うよりずっと忙しい。朝、昼、夕とご飯を食べたりお風呂に入ったりするだけでも忙しいのだが、その間に処置の人が訪れたり往診の先生が来たり、オムツを換えたり、やれ薬を飲まなければならなかったり。色んなスタッフが出たり入ったり。

以前勤めていた施設では、コロナ渦に突入してからはほとんどレクをやっていなかったので、この施設の在り方には驚かされる。
あるフロアでは輪投げ大会、別のところではダーツ。お絵描きやカフェ、体操。

で、その流れで「え?」とビックリしたのは、日曜日である本日まで、いつものようにレクが行われていたこと。しかも、色んなネタを考えていて凄い。

そして、通常のおやつの時間をカフェと言い張り、「皆さん、コーヒーでいい?お茶?」と言い、この辺まではどこも同じだと思うのだが、一杯だけでやめようとする人が居ると「え?おかわりしないの?俺なんか喫茶店行ったら3杯、4杯とおかわりするけどね!」と言うさり気ない促し。

だいたいの施設が「水分を取らないと身体壊すよ。」というニュアンスのことを言ってしまうか、もしくはそれに近い促し方を醸し出してしまうのに。

「じゃあ、もう一杯貰おうか。」と皆さん自然におかわりしていた。「そうだよ。もう少し喋って行こうよ。」と答える人。

時折、その賑やかな会話が聞こえて来て笑ってしまう。

とても大変なお仕事だと思う。過酷だ。でも、間違いなく仕事を楽しんでもいる。前施設と同じくここでも介護職員さんたちに胸打たれ頭を垂れた。

看護は、やはりなかなか厳しい場面に直面し、いつも笑顔で居るのは難しいのだが、また一つ目標が出来た。全部は無理でもそのエッセンスを貰うことは出来る。

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