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けーす ばい けーす

この先は、色々と施設のマニュアル作りをやって行きたいと思うのだが、いつも思うのはマニュアルはマニュアルに過ぎないということ。

例えばコロナ感染など有事の時に隔離して他の利用者様にうつさないようにするというきまりはあって良し。
でも、本人の療養のためなのだから、血管がプッツンしてしまうほど激怒させるのだったら他の方法を考えなければならないし、閉じ込められ感を感じて鬱っぽくなってしまわれるようだったら、これまた他の方法を適宜考えなければならない。

ところが、どこの施設にでもいる『部屋から出しちゃダメって言われたら何があっても出しちゃダメだろ!』と他の職員を取り締まる職員。良く言えば真面目、悪く言えばナンチャッテ警察。

先日の勤務日は、たまたまナースさん二人が、片方は4歳児を子育て中で片方は高血圧、つまりは基礎疾患をお持ちの方だった。それで、とっくに子供も手が離れており、パートナーも同じく介護業界の人間である私は、『今日は私が感染部屋に出入りするから、あなた方は近づかなくて良いですよ。』と指示を出した。

それを聴いていた他の介護職員が『え?自分も高血圧だけど!あと、あの人も小さい子供居るけど!』と言い出した。

中には『独身は死んでも良いってこと?』と言い出す人もあり。

いやいやいや、たまたま我ら看護サイドは今日それが可能だったから、このやり方で手分けしただけだよ。他の部署まで皆同じようにしろなんて言ってませんがな。
それに、『感染部屋に近づかないで』と言ったところで、何か急変とか大変なことが起こったらきっと彼女たちを呼ぶはめになるわけだし。

『なるべく』という言葉を知らんのか。

自称真面目な人々というのは、こういった自分の頭で考えるという義務に関してはとことん不真面目だ。自分のこと真面目って思うな。

以前の施設でも、現場の事情が変わる度にその日のメンバーで話し合って対応する日々の中、『俺が来る度にやり方が変わっている!』と激怒している人がいた。
あたりまえだろ。生身の人間が疾患にかかってるんだから毎日やり方も変わるわ。

それでもいちおうマニュアルというものは作らなければならないので、作るけど、多分やたらと『なるべく』という注釈をつけたり、物凄い数の例をあげて記すことになってしまいそう。

・・・・。いや、やめておこう。そんなん百科事典みたいになってしまうわ。誰が読むねん、そんなマニュアル。

そう言えば、先の『マニュアル通りじゃない!』とか『マニュアルがない!』とか『じゃあ、こういう場合はどうするの?!』とパニック気味に言う人たちに限って、作らないんだわ、マニュアル。それどころか作っても読まない。


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