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はずれ / 釣りバカ猫

職場である施設がある街に、美味しい焼き肉屋さんがあった。

特に相方Kちゃんが大好きなもつ焼き系のお店だった。

大繁盛していたのに潰れたので、もしかしたら店主のおいちゃんの体調不良が原因かも知れない。とにかく二人残念がった。

で、その後、居抜きでカフェが出来た。

表にピラフやナポリタンの写真がメニューとして飾られていて、それはそれで美味しそうだなと思い、とうとう昨日入って観たのだ。コンセプトとしては『あの時の』が強調されていた。つまりは、昔懐かしのナポリタンやピラフ、昔懐かしの喫茶店というのが狙いだろうか。
ところが、二人テーブルについてすぐ嫌な予感がした。

焼き肉屋の頃の排煙口が撤去されぬまま天井からテーブル真近まで降りている。撤去されていないので、向かい合った私たちは互いの顔が見えず横から顔を出して会話していた。
そして出て来たナポリタンとピラフを無言で食べた。ピラフはピーマンやニンジンなどは細かく切られているのに、何故だか玉ねぎは千切りでしゃくしゃくしていて辛かった。いったい何故。
ナポリタンは脂っぽいだけで味がなかった。

しかし、文句を言うと(Kちゃんに)悪いと思い黙って歩いていた帰り道、『あーあー・・』と下を向いて呟いたKちゃんの顔を見て爆笑してしまった。私がうるさいだけかと思ったけど、同じ気持ちで良かったよ。

今夜、おうちでエビピラフを炊こう。そしてナポリタンを作ろう。

***

話は変わるのだが、近ごろブランカが気に入っている、床から一本のワイヤーで伸びている玩具。ワイヤーの先に獲物に見立てた玩具がついている。
本来はこうして遊ぶ。

ところが最近は、まるで人間が釣りをするかのような遊び方をしている。『おっとっとっと!』と根本から釣り竿を操るようにして引き寄せ、最後に捕まえている。つくづく変わった猫である。

本人が楽しそうだから良いのだろう。

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