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ゲーム分析

昨日、正社員の看護師が『明日休んでいいかな?』と言う。
良いですよと答えたところ『えー、月曜日にも休んだのに、いいの?』と。

具合が悪くて休んだんだから仕方ないですよ。

というわけで、今日は新人の正社員さんと二人きり。

が、もう入って来られて2週間は経っているし、私も一人勤務でもこなせたから大丈夫だろう・・・と思っていたが。

ダメだった。

『利用者さんのところに目拭き綿が無い人がいるんですけど!』

この質問は、10日前から毎日回答している。『目薬がある人だけご家族が購入されています。その他の人の目やにはフェイスタオルかティッシュで優しく拭き取って下さい。』と。

毎日同じ質問が来て、毎日回答しているが、今度は相談員を捕まえて同じ質問をしている。事務の課長や介護職員にも全く同じ質問をしているのが聞こえる。
そう、この人は、次へ行けない人なのだ。

一人勤務の時よりも長い時間がかかる。『どうも目拭き綿のことが気になって。』とまた行って来るのだから。他にも2~3種類同程度の質問があるのだけど、これも毎日同じ質問で、段々周りも気が付き始めている。何か変だな?と。

2~3人係で行う処置の時は自分がやりたがるので私たちは体を支える係をしているのだが、ブツブツ言いつつ人の4~5倍の時間をかける。こうなると利用者さんもしんどいので、とうとう先輩ナースが『もっと手早くやってあげて!』と注意した。

そうすると『では普通、何分くらいでやる処置ですか?』と色んな人に聞いて回る。もちろんそういう問題ではないのだが。

実は普通にいくら答えても、いくら時間を費やしてもその人が納得することはない。
何故なら、人と長いこと絡んでいたいというゲーム的交流だからだ。

あちらこちらで怒られたり、また食い下がってりしているうちに、やがて交流する人が居なくなるのだが、そうすると余計に症状が悪化する。段々不自然な言動になって行くのだ。

ゲームという名の交流は、無意識に行われる。だから、本人としては『なんで、皆、怒ってんの?困ってんの?』と本気で思うらしいのだが、それを繰り返して『私はノー。(存在価値がない。)あなたもノー。(世の中の皆も冷たくて価値がない。』ということを証明しようとしているだけ。

そこまで分かっていてもなるべく真摯に向き合うのだが、忘れてはならないのが、目の前のことは絶対に何が何でも進めること。何せ賃金貰って働いている大人の世界なのだから。

ゲーム的交流は悪いことばかりじゃない。恋人の拗ねて見せたりする人もいるだろう。それはよし。
願わくば、職場でゲームをやらなければならないほど自分を孤独にするのは止めて欲しい。
その穴は自分自身にしか埋められないから。

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