厄介とハッピーは同時に起こる
昔は田舎の中の都会暮らし。地方にいる時も猫や犬や鳥達の方からやって来て住み着いた。
シェルターだのペットショップだのと、こんなふうに動物を売買するのは初めてだった。しかし、印象的だったシェルターの店員さんは若い女性だった。猫にやってはいけない事を必死で何時間も説明してくれた。
「もう、いいっすか?」と内心思っていたけれど。
「猫を洗っちゃいけません。猫は自分で綺麗にします。ストレスを与えないでください。よくリードで散歩する人なんてのがいますが、もってのほかです。etc」
私は生まれて初めて猫を飼う人かのように、「わかりました。はい。わかりました。」と返事をし続けていた。
しかし、脳裏に浮かぶのは、どうしても湯船や洗面器に飛び込んで来た子や、人が出かけようとする空気が少しでも見えたら、先回りして自転車の籠に飛び込んで行く子、様々な個性的な子たちだった。
あと、野良さんだったから、最初は洗うしかなかったしなあ。
最後に時を一緒に過ごした子はマジで水やお湯がダメで、しかし、野良さんだったので、猫様のウエットティッシュみたいなので拭いたあと毎日ブラッシングしてあげていた。それを白ちゃんは喜んでいた。
いやあ、人間と同じで色んな子がいるのよねと思いつつも「はい、わかりました。」と素直に聞いていたのである。
さて、数ヶ月が経ち、シェルターから連れ帰った白猫ブランカちゃんも大きくなった頃、何故だか月齢2ヶ月の子猫を迎える事になった。
この子がまたほとんどグルーミングをしない子で、野良猫ではないのに、いつも臭い。
おそらくは、お母さんがペロペロして教え込む前に引き離されたのだろう。それでもブランカ姉さんを見習って少しづつ自分で綺麗にしつつあった。
店員が言っていた。
「9月くらいまでは洗ったりしないで下さい。ストレスなるので。子猫用の餌をふやかして与えてください。それから。。。。」
ペットショップの店員さんも猫が大好きで、とても心配なのである。
うーん、9月まで洗えないのか。厳しいなあ。でも、守ろう。
そう思っていた昨今だったが、トイレから便まみれで出てきて前を通過するブルーノを見て、目が点、口が貝。
次の瞬間、「うわああああ!」と抱え上げ、kちゃんと2人でまさかの洗体。
まったく、ブランカの餌を横取りしてガリガリ食べるから。どんなに工夫しても、食べ過ぎる。
もう我が家に来た時の倍くらいの大きさだし。
さらにはトイレの後の砂かけも下手っぴなので埋めようとして、いつも失敗している。
それなりに騒いでいたが、3日経過。身体の負担にはなっていないようだ。そればかりか、洗面台の方へ行くと嬉しそうについて来るようになった。いったいどうしたことか。流石にそうそう洗わないが、ほんとに色んな子がいるもんだ。
グルーミングが下手でトイレが下手で臭い。人の分まで食べる。じゃあ。可愛くないのか?
可愛いんだよね、これが。
手をかけていくしかないというこの厄介な幸せをありがとう。ふう。
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