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誠実さとか愚直とか

先日、ごり押しして来る派遣会社の話を書いたのだが、そこからの鬼電が続いている。もう他の派遣会社に頼みましたので大丈夫ですと言っているのに『いやいやいや、とても良い施設なので見学だけでも!』としつこい。後輩の仕事を取り上げたくせに。
その横取りした案件が『私』なので、これは絶対契約させないとダメな状況なのだろう。

が、偽りばかりの広告を出しているので先が見えている。例えば杉並区で駅から5分と書いてあったのに、いきなり葛飾区や板橋区の施設を薦めて来るくらいだから。
『駅から近い施設に内定貰ったので、ほんとにもう結構です。』と言っても、そのキンキン声の女性は『駅の近く?それなら全く問題ございません!』と言いつつ、遠い駅からさらにバスで行く施設を提案して来る。もはや何を言っているのか分からない。

そんなことはさておき、疑わしき派遣会社も変えて、今度行く施設が決まった。採用の是非を問うはずの面接開始後数十分後には採用どころか正社員になって欲しいという話が出て来る謎の面接だったのだけど、とにかく終了した。

帰り道、知らない番号だなと思って電話に出たら、またしても先述した派遣会社の女性で「時給200円アップです!」とのこと。まだ言っている。どうしてこうも何でもかんでもお金で人を動かせると思い続けているのだろう。時給3000円超えでも絶対行かない。

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同日、Kちゃんもとある施設の面接。先日まで行っていた特養で知り合った方の紹介だったのだが、そこはかつて彼女が内定を貰って蹴った施設だったので難航する面接になっている。

でも、Kちゃんのやって来たことが書かれている職務経歴書を読んで蹴る施設ならば、そこはもう行っても仕方がない施設なのだろう。

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Kちゃんの面接結果はまだだが、とりあえず面接が終わったということで夜二人で飲みに行った。

私は先日まで勤めていた有料老人ホームを辞めて後、つくづく自分は我儘だなと落ち込むことがあった。何せそこでの色んなことを我慢すればKちゃんと一緒に働けたのだから。

療養型や急性期、つまりは病院に戻ろうかな?とも思った。近所のクリニックの話もあった。
手っ取り早く稼げるほどの時給だったし、少々大変でも良いかな?と。
ただし、クリニックは『この高時給なので週3しか雇えない。』という条件付きだったけど。

でも、その話も決まりそうになると何故だか憂鬱になった。理由は分からないが、感覚的に嫌がっているので仕方ない。取りやめた。でも、そう感じる自分がやはり我儘だと思って落ち込んだ。

この年齢でそんなこと言っているのだから、そのうち飢えて食べて行けなくなってしまうだろうなどなど、色んなしょーもないことを考えた2週間だった。

が、結局はその我儘な感覚に従って来た2週間後の今日、最後に行っていた有料老人ホームよりも10パーセントアップ、当初行こうとしていた週3のクリニックと同じ時給で週5日、フルで雇ってくれるところに繋げて貰えた。

今度の派遣会社の担当の方は若き日の大江千里さん似で、細身で小柄な男性で、待ち合わせ場所に『道に迷いました!すみません!』と言って遅刻して来たのでビックリ仰天した。
私も方向音痴だから心配だったけど、まさかそんな人が居るとは。
しかも『寒い』と言って震えているではないか。大丈夫かな?この人と思ったが、ちゃんと一生懸命良い条件のところへ面接を繋いでくれたのだ。口下手だけど誠実だった。

案内人なのに道に迷ったり、寒さで震えていたりしつつも、とても良い仕事をして下さり感謝している。

今回のことでまた一つ学んだ。
見習って、不器用でも誠実にやって行こう。
私も口が上手くないし我儘だけど、このままで行こう。

そうすると、出会いたい人、出会いたい人に辿り着くしかないのだという久しぶりに思い出した法則だった。

と、そんな夜に杯交わす。

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