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散髪したら誰だか解らなくなる

看護師目線での記事を書きたいと思う。
介護する施設、
支える家族、
私も体験したから、
他人事ではない。
あなたにも知ってほしい。

自宅で生活をしていた。
夫婦2人の暮らし。
妻のほうが認知症だが、
なんとか夫が面倒をみていた。

ある日、
夫が床屋に行き、
髪を短くしてきた。
そしたら、
夫だと認識できなくなった。

「知らない男の人が家にいる。
「おとうさんがいなくなった。」
と何度も警察に電話する。

「おとうさん、おとうさん。」
目の前にいるのに叫ぶ。
目の前の人は夫ではないのだ。

本人にとっては恐怖しかない。
入院となった。

もう2人で暮らしていくのは限界だった。
妻は療養型の病院に転院した。
荷物を届けたりしてくれた夫。
夫を見ても、
誰という妻。

もう夫と認識することはない。

夫も穏やかな日常が戻り、
少し元気になっていた。

人が生きるということは、
本当に大変なことだと思う。

おだやかな人生。
それが幸せななんだろう。

私の父も、
家族がわからない認知力だった。
なんとかわかったが、
「お父さんが忘れたとしても、
私達が覚えてるからね。」
妹たちと、
そう言って影で泣いていた。
介護って大変だ。

わたしもどうなるんだろう。


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