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月刊『高校教育』11月号は “総力特集 教科「情報」”(1)

情報教育支援プラットフォーム ELDI(エルディ) 事務局員の寺西です。

本noteでも以前お伝えしましたが、月刊『高校教育』11月号は教科「情報」特集です。
本noteでは、3回に分けまして、記事の一部を紹介したいと思います。

<第1回紹介>
教科「情報」のねらいと推進へ向けての課題と対応(鹿野利春)
大学入学共通テスト『情報I』のねらい(水野修治)
<第2回紹介予定>
誰でもできる「情報教育格差」を生まない授業実践(高田昌輝)
「情報I」の授業実践(前田健太郎)
<第3回紹介予定>
中学校までの情報に関する学習状況(渡邊茂一)
高校3年間の継続的な実践で身につける情報活用能力(特集関連企画)

教科「情報」のねらいと推進へ向けての課題と対応

文部科学省の教科「情報」の教科調査官を務められていた、京都精華大学メディア表現学部教授の鹿野利春氏による記事です。

一つ目の課題は、情報科担当教員の負荷削減である。
二つ目の課題は、先生方への研修機会の提供である。
三つ目の課題は、生徒への学習コンテンツおよび環境の提供である。
四つ目の課題は、カリキュラム・マネジメントである。

注:4つの課題の間で述べられている文章は省略し記載している。

本記事では、日本の情報教育の方向性が定められてきた経緯と、教科「情報」のねらいと内容、そして教科「情報」の課題と対応が語られています。
上記では、課題のみを取り上げましたが、対応については、ぜひ月刊『高校教育』11月号を購入し、ご覧いただければと思います。

なお、記事には、このような文章もあります。

教科「情報」については、社会的にはデジタル人材の育成、大学としては数理・データサイエンス・AI教育の文脈に沿って、その重要性は高まっていくだろう。

これからの社会で必要な力を磨かなければいけないからこそ、高校で「情報」を学び、入試にも出題されるわけだと思います。

大学入学共通テスト『情報I』のねらい

独立行政法人大学入試センター試験問題調査官の水野修治氏による記事です。

高等学校においては、これまでの「社会と情報」および「情報の科学」の2科目からの選択必履修から、平成30年告示の学習指導要領のもとプログラミングやデータの活用を含む共通必履修科目「情報I」が今年度から年次進行で実施されている。これは、文系・理系を問わず、問題の発見・解決に向けて将来にわたり情報や情報技術を活用する能力を国民的素養として身に付けるための基盤となるものである。

この文章のポイントは2つあると思います。
1つ目は、これまでも教科「情報」の授業は行われてきているということ(換言すれば、今年度いきなりできた教科ではないということ)。2つ目は、情報を活用する能力の必要性が高まり、いまでは文系・理系を問わない国民的素養として捉えられていること、です。

Society5.0社会に向けて、高等教育では、文理を問わず数理・データサイエンス・AIについての基礎的な資質・能力を備えた人材育成が求められている。高等学校の教科「情報」はこの資質・能力の基本となるものである。この大学入学共通テスト「情報I」が、初等中等教育から高等教育への継続した「情報」の学びに資するものになるよう、令和7年に向けて検討を続けていく所存である。

この文章にもポイントは2つあると思います。
1つ目は、図らずも鹿野教授の表現と重なった「数理・データサイエンス・AI」の資質・能力は、我々の多くが高等教育までに身につけていないものではあるものの、これからの社会には必須であり、その基本が教科「情報」で身につくこと。2つ目は、共通テストでの出題は、初等中等教育から高等教育への継続した学びに資するために重要な位置付けであること、です。

ほか、記事内では、『情報I』導入の背景、令和7年度共通テスト「情報」に関する決定事項、『情報I』で問いたいこと、問題作成の方向性・担当部署の公表、が述べられています。大学入試センターの試験問題調査官自らが書き下ろした記事となり、何よりも令和7年度共通テスト「情報」について正確な情報が得られると思いますので、ぜひ月刊『高校教育』11月号誌面にてご確認いただければと思います。

自分達が経験していない学びだからといって、これからの社会でそこまで必要はない、という捉え方を大勢の大人がしていると、これからの社会を生きることになる、いまの子供たちにとって不利益になることもたくさんあるのではないでしょうか。
大人が学んだことをベースに初中等教育を組み立てるばかりではなく、先を見越した学びを入れた上で、児童・生徒や教師の負担にならないよう、全体の時間数を調整していくことが、これからの教育課程には一層求められると思います。

今後もELDIでは、「いままで」ではなく「これから」を見据えた、子供たちの学びのための情報発信を続けていきます。
とくに先生方におかれましては、ぜひ公式Webサイトより入会登録し、さらなる情報をキャッチしてほしいと思います!

月刊『高校教育』11月号に関する記事は次に続きます!


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