【美術館と建築】 コンクリートと水鏡の美術館。 ー高梁市成羽美術館(岡山県高梁市)
周囲の緑の景色を写し込む大きな池。その中に浮かぶように見える建物。直線的なコンクリートの塊だけれど、無機質ではなく、建物自体が抽象絵画のようにも見えてくる。
高梁市成羽美術館(たかはししなりわびじゅつかん)
岡山県高梁市にある、美術館と考古学系博物館の複合施設です。設計は建築家・安藤忠雄氏。
入り口には成羽陣屋跡(山崎氏御殿跡)の石垣が残り、街道側から見た時と山側から見た時では印象が大きく異なります。
(大手門の石垣を生かしたエントランス)
街道側から建物の裏手にまわり、大きな池の上の緩やかなスロープを昇って2階にある美術館の入り口へ。
館周囲にあるのは、地下水を利用した人工池「流水の庭」。そして、館内には「静水の庭」。
地中美術館のように、2階から1階へ、「静水の庭」をぐるりと囲うようにスロープで結ばれています。
展示室とは区切られたロビーには、自然光もたっぷりと入ります。
昭和28年県下初の町立美術館として開館し、平成6年に現在地に移転。現在の建物は3代目として新築されたそうです。
大原美術館の礎となるコレクションを収集した画家の児島虎次郎氏は、ここ、高梁市成羽町の出身。館内には児島虎次郎氏の作品のほか、児島虎次郎氏が収集したエジプト等の古代美術品などがコレクションされています。
(訪問した際に再現されていた児島氏のアトリエ。展示室は基本的に撮影NGですが、こちらのみ撮影OKでした。)
屋上から見える空も素敵です。
建物や周囲の景色、刻々と変わって行く光の様子も作品のように楽しめる美術館でした。
なお、市内には、現存12天守のひとつで石垣が見事な備中松山城や、蔦屋書店の入る高梁市立図書館などもあります。
(備中松山城)
また、備中神楽発祥の地ともされ、美術館前や商店街など、人形を探しながら歩くのもまた楽しいです。
◾️高梁市成羽美術館(岡山県高梁市)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日または振替休日の場合は開館し翌日休館とします)
年末年始(12月28日~1月4日 ※変更する場合があります)
住所:〒716-0111
岡山県高梁市成羽町下原1068-3
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