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不安なときほど手を止めて段取りを~一級建築士の進め方~

いつも「あの件どうなった?」と心配される人から卒業しよう

前回は(仕事は段取りが9割)、1つの仕事を例に、2週間先から逆算しながら段取りをつくるお話をしました。

でも1つの仕事だけでなく、複数の仕事が並走しているのが日常ですよね。そんなとき、色んな人から「あの件どうなった?」と心配そうに声をかけられてばかりの人がいます。

そんな人こそ段取りが命なのですが、たいていアドバイスすると「ありがとう、でもいま段取りしている暇なんてない。とりあえず今直近の締切の課題が終わったら、落ち着いて段取りしてみるわ。」という返答がきます。

でも実は、そんな人は常に他の仕事も考えながら、業務に当たっているので効率が良くないし、いつも不安でいっぱいな人の典型。今回は、そんな方への具体的な処方箋です。

※今回の内容は、特に日々の仕事のスピード上昇、成果上昇をさせるということです。その中で、過去に「(私の部門の)段取り力の高さ⇒具体的な動きを発信してほしい」という声から、社内へ発信した話です。
※ちなみに、水野学さんの「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」も、普段、部門で共有していた話と非常に近く、とても参考になります。

不安なときほど手を止めて段取りを

・日常的な段取りはもちろん、課題が輻輳(ふくそう)したときほど緻密に段取りする必要がある。

・頭がパンク状態で課題に向かっても成果は上がらない。またその過半が実は5分考えれば答えがでる、次に進む課題だったりする。

※そのときに目の前に時間のかかる課題があったとしても、先に段取りを決めた方が後の作業が圧倒的にスピードが上がる
ここを後回しにして、目の前の課題を順番に処理するのが一番やっちゃダメ。また、段取りを決めたとして、その段取りで進めて間違いないか、必ず関係者とすり合わせがいる。

★基本的には「どう動けば次に進むか?」という視点で段取りをする。
★だいたい段取りは、30-40分でつくる。最大でも1時間。
それ以上かける必要はない。

特に、建築設計の公共施設の実施設計(建物の詳細設計)などでは、情報も関係者も膨大なので、段取りは必須。

補足)数百枚の建物の図面を描くことになります。関係者は、意匠・構造・設備担当、営業、プロマネ。建物に関わる素材や製品のメーカー数十社etc。自分のところで段取りが破綻すれば、かなり多くの方々の工程が連動して遅れていくことに。

段取りをしてみよう

具体的に段取りをつくっていく手順は以下の通り。今回は、全てのプロジェクトの課題を扱う。

【①課題を洗い出す】

・とにかく思いつく限り全ての課題を書き出す。(手書きでもワードでも、自分の整理しやすいやり方で)
・関わるプロジェクト、部門の定例会議、会社庶務分担etcも、まずはTODOベースで箇条書きで出す。

【②課題の期限を決める】

・①で出した課題ごとに正確に期限を決めていきます。
・その際、11月中、とかアバウトな設定はやめること。11/26 15時、と確定させると動き方が決まっていく。
・できるだけ期限は、最終締め切りの1日~2日前に前倒して設定するとなお良い。

※課題と期限を書き出してスケジュール化した例。黄色マーカーは完了したチェック。

スライド1

スライド2

【③正確な作業時間をおさえる】

・一つ一つの課題、および作業の正確な時間を掴んでいく。概ね2時間とかで良いが、例えば資料が5ページあったら、1ページずつ見積もって、積み上げていくとより正確となる。
(1ページ20分×5ページ=100分、+修正20分で、概ね2時間、と言う風に)

・なかなか仕事時間が予測できない or 予測通り終わらないことが多い方は、作業を「予測何分→結果何分」で計り、正確な予測時間が把握できるように練習すると良い。

※自分自身、入社1年目の頃、時間通りに仕事が終わらず、参考にした本がある。「なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? 」


【④洗い出した課題に、次の動きを分解して書き出していく】

・ある成果品をつくる場合でも、細かい手順がある。特に手が動かない課題ほど細かく、作業手順を分解する
・例えば、「Aの打合せ資料作成」とだけ書き、中々手がつかないときは     

   ①打合せ資料の方向性を上司と会話
→②類似事例の調査
→③メーカーへヒアリングしコスト調査
→④パワーポイントで整理(A4 2枚程度)
→⑤上司チェック
→⑥修正して11/26に完成

という風に、具体的に分解して、細かくスケジュールを決めると、前に進めるイメージが湧いてくる。(この辺りは前回記事もご参照下さい)

【⑤関係者との課題を優先して決めていく(いつ資料を渡すか、完成させるか)】

・段取りをつくりながら、その場で関係者にどんどん聞きに行く。
・特に自分で手順・答えの展望が見えないものほど、会話する。方針化する。そうすると驚くことにその5分程度の繰り返しでどんどん作業が終わる、もしくは見通しが経つ。

以上です。
①~⑤までが洗い出せたら、週間スケジュールの中で、どの時間に、どの課題を何時間でやるか、書き込んでいくことができます。

そこは、前回記事を参考に、2週間先まで読むつもりでやっていくといいでしょう。

段取りは1度つくったら終わり、ではない

もう一つ大事なのは、段取りは1度つくったら終わり、ではないということです。
私の場合は、段取りをしたスケジュール表を常に手元に置き、一つの仕事が終わる度(1~2時間毎)に見直しています。そうして常に抜け漏れなく、かつ頭をクリアにしながら、進めていくことで段取りがうまくいきます。

また、段取りもありますが、机やデスクトップが汚い・物にあふれて狭い状態が数ヶ月~半年以上続いている人は、仕事のスピードを1/10にしていると言って良いです。
「とにかく情報をシンプルに整理すること」も重要です。これは書き切れなかったので、次回のテーマにします。

お読みいただき、ありがとうございます!分からないことは是非コメント下さい!

次回テーマは、「頭のメモリの負荷を減らす」です!お楽しみに。

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