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『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』 2022年1月5日(水)

2022年はじめての劇場の映画鑑賞。
劇場で観る映画はスマホや雑音から解放されるので、やはり集中できる。そういう体験をする場でもあるのだ。

観たのは『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』。

これがやっている劇場が少な過ぎる。

キャスティングも豪華だし、硬派で骨のある作品なのにもったいない。
そういう訳で、梅田の大阪ステーションシティシネマまで出かける。
しかも一日1回の上映って、どうなってるんだ。
新年早々、文句を言いたくなる。

アメリカで実際にあった訴訟事件をベースにしたドラマ。発がん性物質を廃棄していた大手化学メーカーに対し、ある企業弁護士が7万人の住民を原告団にした集団訴訟を起こす。監督は『ワンダーストラック』などのトッド・ヘインズ。『スポットライト 世紀のスクープ』などのマーク・ラファロ、『魔女がいっぱい』などのアン・ハサウェイ、『ミスティック・リバー』などのティム・ロビンスのほか、ビル・キャンプ、ヴィクター・ガーバー、ビル・プルマンらが出演する。

1998年。オハイオ州の名門法律事務所で働く弁護士ロブ・ビロット(マーク・ラファロ)は、ウェストバージニア州の農場主ウィルバー・テナントからある調査依頼を受ける。それは大手化学メーカーのデュポン社の工場から出た廃棄物が土地を汚染し、190頭の牛が病死したというものだった。廃棄物について調べるロブは、デュポン社が発がん性物質の危険を隠蔽(いんぺい)し、40年にわたってそれを廃棄していたことを知る。ロブは住民7万人を原告にして、デュポン社に対する集団訴訟を起こす。

大企業が利潤だけを追求して、その代償を隠蔽しようとするというストーリーはよくある筋書きだが、この話はほんとうの現実社会で起こっており、いまだに係争中であるというのが驚く。

アメリカは変な国だなと思うことがあるが、こういうことを実名を挙げて映画化出来るところがすごいなと思う。
先日、Netflixで『スキャンダル』を見たが、あれもFOXのセクハラ事件を描いたもので、実名でちゃんと描かれている。
日本だと考えられない。

それにしても我々にも身近なテフロンがそんなに危険なもので、健康被害を与えるものだとは知らなかった。
日本でも水俣病などが同じような事例にあたるのだろう。
よその国の話では済まされない問題である。

主演のマーク・ラファロ。猫背の冴えない弁護士を熱演。
デュポン社に対して何かしら思いがあるのだろうか。
『フォックス・キャッチャー』に続いてだもんな。
アン・ハサウェイやティム・ロビンスも良かった。

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