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京都みなみ会館で『ただ悪より救いたまえ』と『偶然と想像』を観た 2021年12月29日(水)

今年最後の公休日。
映画を観に行けるのも今日が年内最後である。
今のところ今年劇場で観た映画は47本。
年間劇場鑑賞50本の達成は無理そうだが、今日は頑張って『ただ悪より救いたまえ』と『偶然と想像』の2本を観ようと思い立ち、タイムスケジュールを確認して京都みなみ会館へ向かった。

実は、初めて行くミニシアターである。
京都駅まで出てぼちぼち歩いて東寺駅前へ。
二階建てのいい雰囲気のミニシアター。
今日はまだ寒さも緩く、陽だまりが気持ちいい。

ただ悪より救いたまえ

我らがファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが共演となると、あの名作『新しき世界』を思い出す。

引退を決めたすご腕の暗殺者インナム(ファン・ジョンミン)。最後の仕事として日本のヤクザ、コレエダ(豊原功補)を殺すが、彼の義兄弟である暗殺者レイ(イ・ジョンジェ)に追われることになる。レイはインナムと接点のある人間を次々と手にかけ、タイに暮らす彼の元恋人を殺した上に娘をさらう。娘の存在を初めて知ったインナムはタイに乗り込むが、レイも彼との直接対決に臨もうとする。 


正直なところ『新しき世界』と比べると観ている時の興奮は無かった。
誘拐された娘を取り返すのは『96時間』を彷彿とさせるし、イ・ジョンジェ側を描き切れていない物足りなさもあった。
それでも、二人が対峙するシーンは気持ちが昂ったし、自分はやっぱりファン・ジョンミンが好きなんだなと改めて思った。
でも、出てきた出演者の中で一番強そうだったのは白竜さんでしたね。

偶然と想像

『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞を狙えそうな勢いの濱口竜介監督の最新作であり、三篇からなる短編集。
年間ベストにラストで追い込んできたよ。

「ハッピーアワー」「寝ても覚めても」の濱口竜介監督初の短編オムニバス。2021年・第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した。親友が「いま気になっている」と話題にした男が、2年前に別れた元カレだったと気づく「魔法(よりもっと不確か)」。50代にして芥川賞を受賞した大学教授に落第させられた男子学生が逆恨みから彼を陥れようと、女子学生を彼の研究室を訪ねさせる「扉は開けたままで」。仙台で20年ぶりに再会した2人の女性が、高校時代の思い出話に花を咲かせながら、現在の置かれた環境の違いから会話が次第にすれ違っていく「もう一度」。それぞれ「偶然」と「想像」という共通のテーマを持ちながら、異なる3編の物語から構成される。

観ていて、これは《言葉》の映画であり、「扉は開けたままで」の教授のセリフにも出てきた《カウンセリング》の映画でもあると思った。
少ない登場人物と会話だけの映画なのに、めちゃくちゃスリリングでもあり、文学的、演劇的でやっぱり映画的であるという、素晴らしい作品。
第3話で出てきたあや役の役者さんの声がすごく良かった。調べると河井青葉さんという役者さん。これから注目しておこう。

『ドライブ・マイ・カー』もまだ観ていないので、年が明けたらすぐに観に行こうと思う。

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