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オーバードーズ


近頃、毎日のようにオーバードーズしている。今までは市販薬買うのがめんどくさくて高くてたまにしかしてなかったけど、最近は買い置きの風邪薬がないと心に余裕がなくなる。結局また男絡みで失敗した。運命の出会いとまでは思わなかったけど割と本気で一生を共にしそうだと思ったし、向こうもそう言ってた。毎晩電話して、毎日LINEして、
向こうが車で2時間弱かけて会いに来てくれたけど、やっぱり体を許したらLINEの返信が遅くなって。ハメ撮りしたから私は騙されたんだと思ってめちゃくちゃメンヘラになった。結局ブロックはされてなかったんだけど、もう用済みなんだなあ、ヤリ捨てはしないよって、今度昼間にデートしようねって言ってくれてたけどやっぱりもうどうでもいいんだなあ、と思ったら安い自分が惨めで依存先を一つ失ってぶっ壊れてしまった。45錠入りの薬の瓶をアルコールで一気に飲み干しても私は救われなくて、あれ、そもそもあたし生きてるっけ、ってなって、あ、めんどくさいって思った。そういえば夜職を始めた。19歳だけど20歳ですとお客に言う。50歳のおじさんにプロポーズされたらどうする?と言われ、ロールプレイする流れになった。「養ってください」とニコニコしながら言ったらみんなが盛り上がった。タイトなドレスを着た。10代なので、こうしてラウンジ嬢として勤務するまではそもそもバーなんて行ったことがなかったけど、まあそれなりに楽しかったし性に合う世界だと思った。けど男を1人失った後だから客の話に集中ができなかった。

あんなに一生懸命生きてきた私がこの短期間のうちに安い女に成り下がった。薬がないと生きていけない。でも母を苦しめたくない。彼女は、もう十分傷つけられてきた人だから。だから死なない程度に自傷を繰り返すけど、さすがに薬物乱用の頻度が高すぎていつ死ぬかわからなくて、深夜に母に電話をした。二度かけて出なかった。大声で泣いた。公園だった。大学の先輩に電話してみた。やはり出なかった。どこまでもひとりぼっちで朦朧とする意識の中ぼんやりした。そしたら母から電話がきた。もっと泣いた。頑張りたいのに、前に進みたいのに、世界の進むスピードが速すぎてついて行けないよーと打ち明けた。母は私の話をよく聞いてくれた。

私には、愛し方がわからない。愛し方がわからないからいつも恋愛関係が短期間で破滅する。もしかしたら私の恋はいつも、「好き」なのではなくて「執着」なのかもしれない。私を離さないでと言わんばかりに、些細なことで被害妄想が広がってパニックを起こしてしまう。離されて当然だ。

自分を守ってくれると信じていた父親が、おそらく私が出会った人の中で最も危険人物だったのと同じように、本当は誰のことも信じていないし愛してるわけでもないけど、ただ私の寂しさを埋めてほしいだけなのだ。メンヘラという言葉はネガティブなレッテルだけど、そう呼ばれる子にもきっと其々そうなる理由と背景がある。

あと、見知らぬ男に体を差し出す安い女に成り下がってる以上、そのうち妊娠するのではと思う。けど子供ができても私は絶対にろくな母親にはなれない。自分が幼少期をやり直したいと思いながら生きてるから、きっと自分の子に嫉妬して面倒は見れないと思う。


書きながら今もオーバードーズをしている。
なんか、宮台真司氏にお会いしたい気分だ。孤独と性愛について熱く語らいたい。あの毒舌に救われそうな気がする。


愛し方を学ぶこと。自分の心身を守ること

死を選ぶにはまだ若い。死なない程度に、生きるのをほんの少し放棄したい

そんな、真夜中でした。

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