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ちょっとだけ個性を添えて~日本で生きづらさを感じている女の子に寄り添いたい

 みなさま、はじめまして。
私は、国際NGOプラン・インターナショナルが実施している「女の子のためのチャット相談」の相談員をしている清水と申します。四国に居を構えながら、日々たくさんの女の子たちとオンラインで対話しています。

日本のスイスと呼ばれる四国カルストの夏景色

このチャット相談は、2020年6月のスタート以来着実に件数が伸び続け、夏休みに入り心や身体に変化が生じることが多いこの季節、お知らせチャイムが4時間鳴り止むことなく日々が続いています。

私自身チャット相談は初めての経験で、相談員として働き始めた当初には、どんな人が来るのか、どんな会話になるのか想像がつきませんでした。
実際、相談の内容も背景も本当にさまざまです。
おしゃべり程度の軽いものから、深刻な内容まで多岐にわたります。

年齢も地域も性別も、本当のところは何もわからないチャット相談は、対面とは違う感性、想像力、スキルが求められるという発見がありました。
伝えたいことは同じでも、選ぶ表現や語尾が1つ違うだけで伝わり方が変わってしまう、そんな緊張感もあるのがチャット相談の世界です。

一回ごとで終結、担当も変わるシステムの中で、私たちのチャット相談では有資格者のスタッフが対応しており、誰が応えても話してよかった、来てよかったと思ってもらえるような場を提供できていると感じています。

こうして毎日何件もの相談を受けるなか、最近私が試みていることがあります。今日はそのことをご紹介したいと思います。

それは会話の中に「ほんの少しだけ“私”という個性を添える」ということです。

チャット相談に来る人たちの多くは、話せる人間関係が希薄で、会話する機会がとても限られています。彼女たちが求めているものは専門職としての冷静で客観的・受容的な言葉だけじゃないかもしれないと感じることがあり、以来ちょっとだけ伸ばしている背筋を緩め、肩の力を抜いた言葉を使えそうな時は発してみる、ということをやっています。

やってみて、この「等身大の私」のひと言がそれまで白黒だった会話にパッと彩りを加える瞬間が結構あります。
彼女たちにとって私は、年齢も容姿も名前もわからない「番号だけの相談員」ですが、私個人の経験談や失敗談を話したり、感じたことを飾らない言葉で伝えることで会話が生き生きと動き出す瞬間を体感します。
「あ、今心が繋がったな」「心がほぐれたな」と感じる時はとても嬉しくなります。

専門職として私たちには大事にしなければならないルールやセオリーはあるけれど、私は画面の向こうの彼女たちがくすっと笑えたり、一緒に怒ったり、ハッと違う視点を持てたりする、そんな30分間になればいいと今日もそんな想いを乗せ、私らしい言葉を選んで画面の向こうの女の子たちと対話を続けています。

「女の子のための居場所・相談」プロジェクト
プラン・インターナショナルが実施しているこのプロジェクトでは、女の子の権利推進とエンパワーメントに注力してきたプランの豊富な知見を活かし、社会や家庭から孤立し生きづらさを抱えている日本の女の子と若年女性を支援します。女の子のための居場所「わたカフェ」(東京都豊島区池袋)の提供や全国からアクセスできるチャット相談を通じ、専門知識を備えた社会福祉士・精神保健福祉士、臨床心理士、助産師が彼女たち一人ひとりの声に耳を傾け寄り添いながら、前向きな人生を歩めるよう後押ししています