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イヤイヤ期って言わないで!#3

イヤイヤ期を乗り越えよう

何をしても「いやっ!」「ダメっ!」どうしたいのか聞いても大衆の前で寝っ転がって叫ぶ・お決まりのパターンですね。なぜ子どもが「いやっ!」「ダメっ!」というのか『本質』を知ることで、乗り越える術を見出せるように思います。

イヤイヤ期の本質

イヤイヤ期の本質について、子どもは大人と同じ思考をしている。ただし、子どもが故に、大人のようにその気持ちを整理して伝えたり、優先順位を立てて生活することができない。その結果、言葉も未熟なため「いやっ!」という言葉に変換されると思っています。もう少し細かく本質を細分化してみましょう。

子どもは大人と同じ思考をしている


例えば、お外から帰宅後、大人は『手を洗う→ばい菌もついているし先にお風呂に入る→清潔な状態で食事をする』というように、状況に合わせて考え行動できます。ですが、大人でも、疲れたからちょっとゆっくりしてからお風呂に入ろうかな・・・と思うこともありませんか?子どももそれは同じなのです。子どもでも疲れます。気が乗らないこともあります。まず、この考え方は結構重要になるので押さえておきたいです。

物事の本質を充分に理解できていない


『疲れている』という条件下にある時、大人は、手を洗わないと風邪をひくとわかっているので必ず洗う。でも、人混みも少ない場所への外出だったから、疲れているし先に食事をとって休憩してからゆっくりお風呂に入ろうと考えたりします。疲れていても、手を洗わないことはまずないですよね。なぜなら、手には菌が沢山あり洗わないと風邪をひくと、デメリットをわかっているからです。簡単なたとえなので当たり前のことのように思いますが、大人は、やらなくてはいけない物事の本質を理解しているので、“疲れている“という気持ちと折り合いをつけながら、優先順位を立てて行動しています。これが大人の特徴です。
それに対して子どもは、『手を洗うことの意味』を充分に理解していないため、帰宅後、目の前に好きなおもちゃがあれば、そこに一直線、手洗い・お風呂は後回し、急にご飯を食べたい!となります。

言葉が未発達で気持ちを伝えられない


これはよく耳にするので、なじみのある考え方かと思います。子どもは、「疲れているから●●したい」というように、なぜ嫌なのか、本当はどうしたいのかを伝えられないので、フラストレーションを感じてすべて”いやっ!”となることは想像するに容易ですね。

イヤイヤ期は複合的な要因


  1. 言葉が未発達で気持ちを伝えられない

  2. 物事の本質を理解できていない

  3. 優先順位を立てられない

今までお話したことをまとめると、子どもは大人と同じ思考なのです。しかしながら、複数の要因からイヤイヤ期は訪れています。「いやっ!だめ!」というから『イヤイヤ期』何をしても聞かない動かない時期と思いがちですが、冷静に考えると少し子どもの思考が理解できる気がしませんか。

イヤイヤ期というワード


私は『イヤイヤ期』というワードを好みません。なぜなら、子どもと大人は同じ思考で、その思考に対して大人のほうが、物事の本質を分かっているから上手に行動できるだけなのです。“またイヤイヤ言っている。イヤイヤ期だから”と片づけがちですが、大人が根本的に”子どもにも今の状況がある(疲れているetc…)。その上で、こちらの要求の意図がわからないからやってくれない”と考えると、子どもに対するアプローチが変わると思います。

イヤイヤと子どもに言われたら

イヤイヤという状況になったら、大きく3つ対応策があると思います。

床で寝転ぶ・叫び倒すときは状況を変えて時を待つ


あらかじめ親が対処していても、子どもが床で寝転んで叫び倒すときもあると思います。様々なお子さんを拝見していますが、これをする・しないは本当に子どもによります。後述する別の方法をとると、普段はすんなりと納得してくれるのに、スーパーに行く時だけは全くダメということもあります。そもそも、この現象も、子どもは『ほかの人の迷惑になる』という概念が少ないので、場所や周りの目を気にせずに、自分の気持ちを優先しているのです。例えば、仕事帰りにスーパーに立ち寄り、疲れているから早く帰りたいのに、レジで大行列。そんな時、大多数の大人は『相手の状況(お店が混んでいるetc…)がわかるから我慢』します。子どもは、その状況を理解することが難しいだけなのです。大人でも稀にレジの方に暴言を吐いたりしていますよね。『状況を見て我慢する』ということは、大人でも難しい場合があります。未熟な子どもならなおさらです。
そんな時には、落ち着くのを待つしかありません。状況が変わると気持ちが落ち着やすいので、その場を去ることが有効です。※私も忙しい中で買い物をしたり出掛け、子どもの機嫌で何もできないことはたくさんありました。できても子どもは泣き叫んでしまい周りに謝り倒したり。こればっかりは本当に親も辛いですが、一緒に頑張りましょう。大丈夫です、子どもは成長します。※

理由を伝える・聞く習慣をつける


これは普段からできる、そして子どもが生まれた時からできる長期的に有効な対応策です。前述しましたが、子どもは『理由がわかり、気持ちを言葉にし、先を見て行動できる』ようになると、こちらのリクエストにこたえてくれることも多くなります。リクエスト内容が嫌でも、子どもが気持ちを伝えてくれれば、親も解決策が見いだせます。
それには、まず子どもが『親が言うことには理由がある』と潜在的に思うことが重要です。そのため、どんなことも口に出して子どもに伝えることがとても大切です。例えば、コップが机から落ちそうだと、さっと無言で手を出してしまいがちですが、「コップが机から落ちてお茶がこぼれそうだからコップを奥に置くにおくね」と声をかける。このような習慣を大事にできるととても良いです。そもそも、大人が子どもによく話しかけることは、言葉の発達にもつながるので『気持ちを言葉で伝える』ということにも効果があります。
そして、「なにがいやなの?」「●●がいやなの?」と聞くことも大切です。子どもに「疲れているから少し休憩してからお風呂に入りたい」と言われたら、大人も”30分後に入ろうか”と譲歩することもできます。言葉が発達しないと難しい部分もありますが、言葉が発せられなくても親の言うことは理解していて、ジェスチャーなどで反応してくれることもあります。結果的に『気持ちをつたえることで状況が変わる』と理解することになります。言葉が発達してきても、伝えることがわからないと解決は遠のきます。子どもが喋らない・拙い言葉しか発しない状況でも、聞く・汲み取ることは大事です。子どもは、言葉を覚えるところから始めています。上述したことはすぐには習得できません。積み重ね・習慣が大事になるのでぜひ試していただきたいです。

すぐに効果がある方法!


理由を伝えてわかってもらうことがbestですが、これには時間がかかります。そんな時は、子どもが好きなものを一緒にその場に持っていくと効果的です。例えば、お風呂に入る時、子どもが「いやだ!」を発動したとします。その時に、車が好きなら車を持って行き、お風呂で洗車の真似をして遊ぶ。お人形が好きなら持って行って、一身体を洗うなどごっこ遊びをするなんてことです。この時、このおもちゃはお風呂に入れると音が出なくなってしまうとか、大人は色々考えがちですが、絶対ダメなもの(高すぎて流石にこれは壊れたら困る!)は最初に隠します。その上で、好きに子どもに選択させて付き合いましょう。
細分化すると、『大人はお風呂に入る理由が分かっているが、子どもは理解しきれていないからとにかく気持ちが向かない→しかし、お風呂には入らなくてはいけない→どうしたら入るのか→子どもの好きなものを持って行く』という流れです。親と子どもが折り合いをつけて、リクエストに応えてもらうという構図です。好きなものを持っていかせるのは親が譲歩する点、お風呂に入ることは子どもが譲歩する点になります。
仕事や大人の人間関係で、リクエストに対して微妙な反応をされたら、これはどう?これならどう?と提案をして納得してもらうことと同じです。提案内容が子どもと大人で差があるだけで、やっていることは同じです。

最後に


『話す・聞く』習慣をやらなかったとしても、子どもは自然と気持ちを伝えたり、考えて行動できるようになるので、いやという時期は次第に少なくなります。ただ、子どもに説明してわかってもらわなければいけないことはたくさんあります。イヤイヤ期と言われる時期に、意識して『話す・聞く習慣をつける』ことは、その後も必ず活きていきます。
重要になるのは、前述した『子どもは大人と同じ思考』ということです。“いやじゃない!“で片づけてしまうと、本来意図を組んで解決できることができなくなってしまうのです。子どもにも気持ちがあるが善悪がつかない場合も多く、社会にはルールがあるので教えないといけないことも沢山あります。だからこそ、対話することでお互いの気持ちを理解しあい、子どもが『本質』を理解することで、次の行動を考えられるようになるサポートができると理想ですね。

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