7/32の火星

地平線だけの世界で
いつまでも眺めていたかった
空色に茜が差す

明日が来る、いいことだ、きっと
いいことだろうか、ほんとうに?
今はいつまでも
このままで7月が

火星から手を振る君が見えたら
手のひらに浮かべた星を閉じ込めたいと願うこの
7月の終わりのもどかしさを、砕けるだろうか

掬った星が少しずつ
きらきらと零れていった
さよなら、また別の世界で


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