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ファウスト

"知恵の最後の結論はこういうことになる、自由も生活も、日毎にこれを闘い取ってこそ、これを享受するに値する人間といえるのだ、と"1808年から発表された本書は実在した錬金術師の伝説を下敷きにした著者のライフワーク的代表作にして、日本文壇にも大きな影響を与えた長編戯曲。

個人的には、初恋女性の名前をとったグレートヒェンがヒロインとして登場する第一部は以前に読んでいたものの、スケールが大きくなる第二部で躓いていた事から今回あらためて完読に挑みました。

さて、そんな本書のあらすじはファウスト博士が悪魔メフィストと出会い、死後の魂の服従を交換条件に、現世で【人生のあらゆる快楽や悲哀を体験させる】という契約を交わすわけですが。若かりし時に書かた『若きウェルテルの悩み』も彷彿とされる悲劇的恋愛の第一部は【メフィストとの軽妙なやりとり】もあって、やはり大変読みやすく楽しめます。

一方で、第二部の著者の人生体験が大幅に影響を与えていると思われる【国家の経済再建や埋立事業】そして、まさかのホムンルクスを連れての【ギリシャ神話ファンタジー展開】に関しては、率直に言って突然スケールが大きくなりすぎて【難解かつハラハラした】のですが。見事に【第一部の伏線を回収して終わっていて】何だか某スターなウォーズep9を鑑賞後の様にホッとさせられました。

20代から80代まで【ライフワーク的に書かれた大作】に興味ある誰かへ。また【様々な作家に影響を与えた作品】として興味ある人にもオススメ。

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