鏡の国のアリス
オススメ15。"偉大なチェスをやってるんだわー世界じゅう総がかりのーこれが世界だとしたらね。まあ、おもしろい!わたしも仲間入りしたいわ!"1871年発刊の本書は、前作の6年後に出された続編にして、今度は鏡の国でチェスのルールに従って、マザーグースのキャラクター達と繰り広げるシュールな夢物語。
個人的には、前作の『不思議の国のアリス』こそ読み終えてましたが、続編のこちらは未読だったので手にとってみました。
さて、そんな本書は前作から作品内では"半年後"の雪の日、今度はネコとおしゃべりをしているうちに【気がつけば暖炉の上の鏡を通り抜けてしまう】所から不思議な冒険が始まり、イギリスの童謡『マザーグース』のキャラクター、ハンプティ・ダンプティやトゥイードルダムとトゥイードルディーと【ナンセンスな言葉遊びを繰り広げる】所は前作と同じなのですが。即興的な前作とは違い、本書は【割と緻密かつ知的に】今回はチェスのルールに従って物語が展開していくわけですが。
映像化作品では『不思議の国のアリス』と一緒くたにされている印象がありますが。前作のヒットで一躍有名人になった著者が今回は【最初から出版を意図して書いた】というわけで、前作と一見『言葉遊び』などシュールな会話をして、別れを繰り返すスタイルは同じなのですが"はっきりとした違い"が良くも悪くも感じられて新鮮でした。
また(こちらは前作同様)本書の魅力はやっぱり【どこか変だけど筋が通っている】登場人物たちの会話を楽しめるかどうか?だと思うのですが。私自身が『マザーグース』にそもそも馴染みがなかったり、また作中作として登場する『ジャバウォックの詩』他の詩や童謡の背景となる教養がない事から、その辺りを【存分には楽しめなかった】のが、もどかしく悔しかった(笑)です。(英語圏の人が読んでいるのとは『確実に印象が異なる』のでしょうね。。)
ミステリーやゲーム他、様々な2次創作イメージの源泉として、また子供向けというより知的なユーモアが好きな大人にオススメ。
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