見出し画像

オカシナ記念病院

"『患者の気持は最大限、優先する。治療も患者がやってくれと言うならとことんやればいい。しかし、患者が求めてもいないのに、病気を治そうとするのは、医者の驕りだと私は思うよ』2019年発刊の本書は、医者でもある著者が現在医療の問題点を通して、生死を問いかける医療エンタメ小説。

個人的には、こちらも関わらせていただいている【読書による文学賞】の推薦図書として手にとらせていただきました。

さて、そんな本書は離島医療を学ぼうと(どうやら沖縄近くにある)架空の岡品記念病院にやってきた真面目一徹の研修医を主人公に、患者が明らかに重症とわかっていても【求めなければ治療もせず】場合によっては延命治療もとい『縮命治療』と称して【安楽死すら間接的に手伝う】先輩医師たちに反発するも、逆に空回りしてしまう姿を描いているのですが。

人生100年時代、とにかく【長生きする事が絶対的に正しい事】だとする空気感に『人それぞれではないか?』と違和感を覚えている私にとっては、こんな病院が実際に存在したら社会的には大問題かもしれなくても【どこか憧れてしまう】不思議な読後感でした。

また著者の本は初めて読みましたが、本人が医者でもあることから、場面場面での描写やセリフのやりとりがリアルというか、がんや認知症予防でまことしやかに語られていることは【果たして本当なのか?】こちらも考えさせられます。

全ての人生の午後世代へ、また現状の【本人の意思や家族事情を考えない】医療現場に疑問を感じている方にもオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?