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琥珀の夢で酔いましょう

"琥珀のゆらめき バッカスの祝福 そうか 『一意専心』の『一意』って 『いい作品』のその先ー おいしいお酒もごはんも すぐに消えてしまう でも その一瞬 しあわせな夢に酔う 夢みる人たちと喜びを分かち合える"2019年発刊の本書は「白熱ビール教室」の著者・杉村啓が監修&コラムを担当、実在するクラフトビール、お店が登場する京都舞台の大人の群像劇

個人的には、毎週の様に立ち寄っている『京都ビアラボ』他も多数登場している。と知って、手にとってみました。

さて、そんな本書は京都の広告会社に派遣社員としてがむしゃらに働くもスタンドプレーとして、社内の人間に自身の仕事が認められないことに苛立ちを感じていた剣崎七菜が、偶然入った居酒屋「白熊」で、高知出身の店主・野波隆一とカメラマン・芦刈鉄雄と出会って【お店のクラフトビール専門店化】に向けてチームを組んでいく様子が、合間にコラムを挟みながら描かれているのですが。

まず、物語としては良い意味で『王道的展開』で、仕事は出来るも相手の気持ちを組まず、派遣社員としても正社員に妬まれる剣崎七菜が、たまたま入ったお店で【タイプの違うイケメン二人】クールな芦刈鉄雄と天然気味の野波隆と出会って、爽やかに成長していく姿には、描かれる【京都の街や行事の描写】も含めて、在住者としても安心して感情を寄せることが出来ました。

また、昔は居酒屋に入ったら『とりあえず生!』と頼んでいた私ですが、前述の『京都ビアラボ』さんでクラフトビールに出会ってからは、漫画の主人公たちよろしく少しずつ【クラフトビールの奥深さ】を丁寧に呑みながら学びつつあるのですが。そういった意味でも【実際に寄れるお店やイベントが紹介されている】のは、漫画とは別に楽しめる補助線、レイヤーとして嬉しく思いました。

クラフトビール好き、京都好きな方。爽やかな群像劇が好きな方にもオススメ。

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