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本のれきし5000年

"本は、紙が発明される前にもありました。それは紙のかわりに、その土地どくとくの材料を使ったもので、形もいろいろでした。『本の起源』をたずねる旅は、今から時代を5000年ほどさかのぼらなければなりません"1989年発刊の本書は書物研究家が本の歴史をイラストや珍しい写真でコンパクトに解説してくれている一冊。

個人的には【本とは何だろう?】的な事を考えていた時に紹介されて手にとりました。

さて、そんな本書は『たくさんのふしぎ傑作集』として、おそらくは振り仮名やひらがなが多用もされている事から【幼い読者を想定して絵本的に書かれた40ページ】なのですが。

パピルスから、粘土、羊皮紙、木の葉といった各地域や文明によって【今とは随分違った形の本が存在したこと】を紹介した上で、中国での紙の発明が【1500年かかってヨーロッパ全土に伝わった】ことや【活字印刷の登場による変化】を豊富な文献資料をもとに理由と共にコンパクトに説明してくれていて。大人でも楽しめる内容でした。

むしろ、世界史などを学んだ大人の方が、古代文明からシルクロード、ルネサンスに宗教革命といった様々な知識をもとに前後を補完して読めるので、イラストや写真が掲載されているとはいえ【子どもにとっての方が難しくないかな?】といらぬお節介を感じてしまいました。

5000年のスケール感で本の歴史を広く考えたい誰か。子どもに本自体を好きになってもらいたい子育て世代にもオススメ。

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