パンのおうさま
"あるとき おうさまは いいました。『このくにの すべての ものを パンに しなさい!』2014年発刊、リブロ本屋大賞4位を受賞した本書は気鋭のアートディレクター、アーティストによる人の気持ちを自然とあたたかくするような表現が素晴らしい。袋に貼られた出版日もといなラベルも保存必至。
個人的にはパン屋に併設された本屋『パン屋の本屋』にて見つけ【そのままじゃないか!】とまたフィギュアスケート高橋大輔選手の衣装他の様々なビジュアルインパクト大な作品を手がける著者によるものと知り、思わず手にとりました。
さて、続編も既に出ている本書は物語としては最早ループもの。困った王様の困った命令に王国は大混乱といった所なのですが。やはり形も大きさ、厚さもパンそっくりの外観の凝った装丁、それが1000円で購入できるお買い得さが、子供向けというより大人にも【ちょっとしたプレゼントやコレクションとして】嬉しく思いました。
また、別のインタビューにて出産を経験した事、子育ての影響で仕事だけでなく生活へシフト、ショッキングなビジュアル作品だけでなく【暮らしを豊かにするものに関わりたいという思い】が強くなり本書の制作に繋がったという事を知って、【現在進行形の生き方が作品に感じられる】のが、現代アーティストを応援する楽しみだな。と著者の過去作品を眺めながら、その才能の確かさを確認しつつ、まだ見ぬ次回作に期待したり。
パン好きはもちろん、デザインとしての本の魅力や可能性を実感したい誰かにもオススメ。
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