マガジンのカバー画像

1日1冊オススメ本レビュー

1,416
ブックコーディネーターが毎日1冊、サクッと読めるオススメ本ブックレビューを公開していきます。
運営しているクリエイター

2024年9月の記事一覧

自然を喰む 草喰なかひがしの食べ暦

"不良品という品はないのです。なにかの条件で未成熟か成熟しすぎただけなのです。料理する者…

在野と独学の近代

"現在の日本では、大学の学問が急速な衰退の危機にさらされ、他方で独学に大きな注目が集まっ…

1

Web3とメタバースは人間を自由にするか

"未来の社会では『没入』を支配するのがAIを駆使したビックテック。そして『摩擦』こそが生身…

1

建築は詩

"建築は詩であるという話をしたんです。建築というと皆さんは、石とか木とかいう物質から創造…

4

よむよむかたる

"スッ。会長が腕時計へと視線を下げた。それで場が静まった。なぜなら、スッ。会員たちが一斉…

2

本気で作家になりたければ漱石に学べ!

"漱石は、事のはじめから、いわば、あらゆる定義を欠いていることが唯一の定義となるような『…

4

究極の学び場 京大吉田寮

"事の始まりは吉田寮だった。『変わりもの』の集まる場所として注目されがちな場所だが、私にとっては人間にとってとても本質的な自由の価値を教えてくれた学舎であった"2024年発刊の本書は日本最古の学生寮『京大吉田寮』を豊かに理解していくための卒寮生や関係者による解説書。 ⁡ 個人的にはフリーペーパー専門店の店主として、吉田寮広報室が発刊している『京大吉田寮通信』も取り扱っている事から自然と本書を手に取りました。 ⁡ さて、そんな本書は2010年代に入って、大学側の体制が変わった事

口に関するアンケート

"十年くらい前、SNSが流行り出した頃から『呪われた木』って呼ばれ方に変わってきたらしいです…

2

赤と青のガウン

"オックスフォード大学の厳しい博士課程を成し遂げた者しか袖を通すことを許されない赤と青の…

3

プロだけが知っている 小説の書き方

"もしも無名の人が小説を出版してもらいたいなら、『ふつうに面白い』作品ではなくて、『驚く…

2

酒場の君

"好きでなかったものを美味しく感じることが、味覚の衰えと考えるのは少し寂しい。何かを食べ…

1

小説の技法

"もし小説がなお、発見されていないものを発見しつづけたいのであれば、なお小説として『進歩…

3

ほたるいしマジカルランド

"朝は白い。いつもそうだ。空だけでなく、目にうつるすべてのものが淡い。すれ違う人の顔も、…

1

ネイティブ・サン アメリカの息子

"『俺は殺したくなかったんだ!』とビッガーが叫んだ。『でも、俺が何のために殺したかというのは、それ自体が俺だからなんです!ものすごく奥深くにあるものが、俺に殺しをさせた!(略)』"1940年発刊の本書は、映画化もされた20世紀アメリカ文学の問題作、オリジナル版翻訳。 ⁡ 個人的に主宰する読書会の課題本として手にとりました。 ⁡ さて、そんな本書は20世紀アメリカ黒人文学の先駆者、ブラックパワーという言葉をつくったことや、晩年は俳句に凝った事でも知られる著者による一冊で、193