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時間の使い方に戦略を持つ【本:フルライフ】

予防医学研究者の石川善樹氏の著書『フルライフ:今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略 』がNewspicksで公開されていたので読んでみた。

「僕は物事を考えるときのクセとして、「人間は弱い」という前提に立ちます。」と言っていた石川氏の口調や伝え方は常に丁寧で、現代の人々はもちろん、昔の人が人生をどう生き、どう考えたのかという点に愚直で学んだことを惜しみも無く伝える、という印象。言葉そのものを再定義しながら、ご自身も現在進行形で「人間」を研究されており、わかりやすく示唆に富む内容だった。

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「時間」「空間」「仲間」
どこで、だれと、どうやって過ごすのかという問いを立てること
・「そもそも自分はどのように時間を使いたいんだろう」と考えて、何らかの規律やルールを設けていくべき
・時間とお金の使い方にリズムを作る
・時間の使い方に戦略を持つことで、フルライフ(充実した人生)を実現する

・「AorB」「AandB」も、どうやら人生は「絶対に後悔が生まれる」構造になっている
・フルライフとは、Well-DoingとWell-Beingの重心を見つけること

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・バランスをとるとはどういうことか? 基本的には自由に時間を使っていいものの、一方で規律を持たないとバランスが崩れるということ
・自由と規律がセットになることで、人は自律して生きていける

【フルライフ第1章】
仕事人生の重心は、すべて「信頼」にある

・成果を挙げる国や組織にはある共通の文化がある=「信頼の文化」
・信頼とは感情的な結びつきを含む双方向の関係性
・信頼の文化がある国や組織は、繁栄しやすい。安全や安心は、発展の礎になるから
・ビジネスの世界において、どのようなコミュニケーションを意識すればチーム内で「信頼の文化」が芽生えるのか。信頼の文化を作るには、相手の仕事・人生・プライベートと全方位的に気遣うこと。

Q. 仕事は順調ですか?(順調=学びや変化はあるか?)
Q. 人生は順調ですか?
Q. ご家族は幸せですか?

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・ハードワーク期は「質の高い仕事をすること」
・質の高い仕事をするには誰の信頼が必要か?を考える

Q. すごい人から信頼を得るために必要なのは?
A.「可愛げ」と「大物感」

Q. 若者が大物感を出すには?
A. 時代を語る>>>普段から、未来のことを考えるよう癖づけておくのがいい

・ブランディング期は、「他分野からの信頼」を獲得する時期
・アチーブメント期は、自分の仕事をどんどん社会的に還元することのできる時期。

【フルライフ第2章】
生産性の重心をとらえる3つの「時間軸」


・1日の重心は、仕事の始まりと終わりにある
・自分でコントロールできないことについては、スッパリ諦める
自分がコントロールできることに集中

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・自分の仕事を俯瞰したうえで、主体的に取り組んでいる人はバイタリティが高いという結果

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・1日を終えるときは、今日印象に残ったことを振り返る

・「うれしい」「楽しい」「悔しい」「悲しい」「怒り」等、自分の感情を振り返っていくことで、今の自分に足りないものは何かを客観的に見つめることができる。そして具体的にアウトプットすること。
・睡眠にも仕事にも効く「土曜スタート」
・土曜始まりならば「自分のやりたいこと」から埋められる。

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・すごい人は、3年プランの立て方がうまい
・すごい人の3年プランは、「積み上げ型」というより、非連続成長をする「レバレッジ型」。1年目の投資の時期はまだ結果は出ない。2年目にやっと結果が出始める。3年目にその結果が次々と拡大していく。

1年目:準備する(種を蒔く)Build期(組成する)
重心=Who(誰とするか?)
2年目:始める(芽が出る)Model期(定型をつくる)
重心=What(何をするか?)
3年目:広げる(花が咲く)Scale期(拡大する)
重心=How(どのようにするか?)

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【フルライフ第3章】
創造性の重心は「大局観」にある


ブランディング期の要となるキーワードは、「創造性」

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Q. 創造性とは何か?
A. 工業生産ではなく、知的生産に必要なもの
Q. 知的生産とは何か?
A. 情報をインプットにして、非定型なプロセスでアウトプットする仕事
Q. 知的生産の質を左右するよい情報は何か?
A. 広く、かつ深い情報
Q. 広い情報を得るために必要なことは何か?
A. 視点の高さ

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・コンセプトとは「A→Bに行く際の障害を一気に乗り越えるもの」

Q. コンセプトを作る力とは?
A.「具体の世界」と「抽象の世界」を行ったり来たりできる能力

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・直観=出す、大局観=絞る、論理=決める
・大局観=具体と抽象の往復

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・この4つの時間領域をバランスよく行き来することが、ビジネスパーソンにとって非常に重要

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【フルライフ第4章】
人生100年時代の重心は「実りの秋」にある

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春(0〜25歳)
夏(25〜50歳)
秋(50〜75歳)
冬(75~100歳)

・「これからは一つに依存する時代ではない。では、依存の反対は何か? それは自立ではなく、たくさんへの依存である」

・圧倒的な成果を出せる分野を見つけること
・いま流行っているということはすなわち、早晩廃れるということ
人間の本質に迫るような普遍的なスキルの方がいい
・マーケティングやマネジメントといった人間を扱うスキルは、今後も必要性が消えないように思える
・自分が得意な分野や自分にあった環境は必ずある

【フルライフ最終章】
真のWell-Beingとは「自分らしさ」の先にある

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・2002年、Well-Being研究の創始者であるディーナー博士らは、1958年〜1987年にかけて日本人の生活満足度がどのように推移したかを発表
・日本人の生活満足度は戦後30年間、ピクリとも向上していなかった
・苦しみを取り除きさえすれば、人々が人生に対して「意味・目的・満足」を感じられるわけではない。マイナスを減らすということと、プラスを増やしていくことは、異なる営みである可能性が高い。

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・現在Well-Beingは「体験」と「評価」について測定する、というのがグローバル・スタンダードとなった。

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・世界各国のWell-Beingには大きな違いがみられる

・経済的要因は、一定程度まで人生の評価や日々の体験に影響するが、ある閾値を超えるとあまり関係しない」
・Well-Being=(いい意味での)自分らしさ
・人間の成長とは自己中心性から離れること
・フルライフとは、自分を高めるWell-Doingと、自分を忘れるWell-Beingのバランスをとることである
・学問→産業→文化の流れで新しい時代は作られる


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