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ベトナムでマラソン大会が中止になったので、駅伝に参加することにした

前回、ベトナム人の「生きる力」の話をしていたけれど、より一層バイタリティーを感じる出来事があった。

世間は新型コロナウイルスの話でもちきりだけれど、ここメコンデルタでは日常と変わらない生活。もちろん、周りへの配慮からマスク着用しようとは言われるけれど、ヨーロッパや日本であるような「中国人お断り」なんて話は聞かないし、人種差別されることもマスク価格が高騰することも無い。人々は、とにかく強い。精神的にも体力的にも。感情的にならずに冷静な判断をし、その場で自分ができることに集中する。

新型コロナウイルスは、2月、3月に開催される予定だった祭典やマラソン大会のほとんどを延期させた。予防することが大事なので、万全の体制だと思う。私自身も、海外旅行から帰ってきた直後というのもあって、その後2週間は「自宅待機」を指示されていた。「自宅待機」とはいえ、カントーから出るなということであって、この2週間はとにかくベトナム語の勉強、スポーツ(ジョギング、クロスフィット、ヨガ、バドミントン)、そして読書時間という最強の「自分時間」だった。

今、週末は地元のランナー達で結成されたグループに入って早朝10キロ程を一緒に走っているのだが、そのグループの同じメンバーでもあるカントー市文化スポーツ観光局の局長から「駅伝に出よう」と誘われた。しかもEkidenという日本語がそのまま使われているのか!という新たな発見でもあった。

「駅伝は日本の伝統スポーツ」として紹介されているこの記事は、局長がグループに共有していた記事だ。駅伝は1917年に始まったらしい。

よく聞くと、すでにフェイスブックのグループページで、今回自主開催の駅伝の詳細が共有されていた。ランナーの一人が「メコンデルタではまだ駅伝のようなスポーツが開催されてないので、一回やってみようと思うけどどう?参加チームがいるなら、こういうルートでこういうルールでやろうと思う」みたいな、この巻き込み力とスピード感に感服。それに応じて、みんな「面白そう!うちのチームはこのメンバーで参加する」と、対応がまた速い。「自分は男性で、40歳以上だけど、誰か一緒にチーム組んで走らないか?」というお誘いのコメントもある。この詳細ページのコメント数は200以上にのぼった。

駅伝は通常、5人~10人が1グループになって長距離を走るリレーなのだが、今回は5人1グループで条件として1グループにつき2名以上は女性、1名以上は40歳以上とあった。そして、全員が10キロを走らなければならない。そして、面白いなと思ったのは、それぞれ5キロは1人で走ってあとの5キロは次の走者と一緒に走るところ!なんという斬新なアイデアなのか。新たな駅伝のルールがここに。(茂木外務大臣が国際社会の仕事の仕方として言っていた「ルールを守る」「ルールを作る」「選択肢を増やす」という言葉が、なぜかここでリンクした)

駅伝はテレビで見るのお正月の風物詩。そんなイメージを更新してくれたこの機会に感謝。そして、本番はこれから。

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