東南アジアの最高峰キナバル山4095mまでの道のり(予約編)
マレーシアのボルネオ島サバ州にある世界自然遺産キナバル山。
ベトナム・カントーからは、まずマレーシア・クアラルンプールまで飛んで、クアラルンプールからコタキナバルまで。カントーからクアラルンプール(国際線)までは所要時間1時間50分、クアラルンプールからキナバル(国内線)までは所要時間2時間40分。
東南アジアに住んでいるからには、東南アジアを知り尽くし、走り尽くし、そして「最高峰」を目指したい。
(→最高峰と思っていたら、後から東南アジアの本当の最高峰はミャンマーのカカボラジ5881mで、インドネシアのプンチャック・ジャヤ4886mも存在していたことを知ったけど、・・・いいのだ。もはやタイトルも変更せず。)
※「最高峰」という言い方に関して追記(2020年2月17日)
カカボラジ山(Hkakano Razi)はミャンマーの最北部カチン州に位置しており、中国・チベットと国境を接し、大ヒマラヤ山系の東端。つまり、エベレストとは兄弟分のようなもので、考え方によってはカカボラジ山は東南アジアに属さないのかもしれない。
プンチャック・ジャヤ山(Puncak Jaya)はインドネシアのパプア州(ニューギニア島の西半分)に位置し、インドネシア領とはいえ地理的にはオセアニアに属しているのでオセアニアと考えられることが多い。ウィキペディア上の情報だが、現地情勢が悪化していて1995年に既に一般人の入山を規制しているとのこと。以下のページでも「国はインドネシア、大陸はオセアニア」として紹介されていた。
国境付近や同じ起源を共にする世界遺産登録についても共通して言えることだが、自然の山ひとつとっても複雑な政治が絡む言い方だった。
https://peakware.com/peaks.php?pk=333
さて、話を「東南アジア最高峰」のキナバル山に戻す。
キナバル山を知ったのは、大学生の時。英国・北アイルランド留学中、マレーシア出身の子に出会い、「私の住んでいる場所にはキナバル山という山があって、日本にある富士山よりも高いんだよー」なんて話しをしていた。あれから、とてもたくさんの場所に訪れて「まわり道」をしてきたけれど、ようやく時期が来た。2020年、記念に訪れてみようと。
メコンデルタに住んでいて、「山」を意識し出したのは、同僚が「メコンデルタは平坦で、北部のような高い山も無いから面白くない」と言っていたのが、きっかけ。面白くないかどうかはさておき、確かに、メコンデルタに住んで、山岳地帯のサパや高原地帯のダラット等の多くの場所を見るようになって、改めて日本の阿蘇山や富士山の景色を思い出して、「山」がある風景って、当たり前じゃないことに気づく。
キナバル山の登山に参加するには登山登録必須?
で、このキナバル山、どうやら登山登録するのが必須みたいで、その予約も結構先まで埋まってしまっているという。日本人のブログで、2か月先のを予約してギリギリだった、という内容のを見て、そもそも私が旅行を計画したのが1か月前。焦る。そもそも、どこで予約するのだ?
1.現地旅行会社のオンラインで予約
日本から参加する場合は、飛行機や宿泊もセットになったツアーもたくさんあるみたいだけれど、いかんせん、私はベトナム・カントーから。そこでサイトを検索してみると、実はめっちゃしっかりしたサイトがあって、1日の登山客最大人数、ガイド1名につき子供何名まで、大人何名まで等といった、明確なルールがあった。よく調べていると、このツアーはAmazing Borneo Tourという旅行会社によって運営されているみたいだった。
キナバル山のツアーは、1泊2日か2泊3日がメインで、以前どこかのブログで「2泊3日は長すぎた」という意見があったのと、自分も富士山に登ったときに、早く地上に降りたい(笑)と思ったので1泊2日で検索。
(ちなみに、日帰りツアーもあるみたいだけれど、絶対にしんどい。→2020年1月現在、無くなった?)
2D1N Mount Kinabalu Climbと、2D1N Mount Kinabalu Climb (Budget)があり、料金差、実に日本円で約8000円!(←行く時期や、参加人数によっても異なる)
何が違うのか、詳細を見ていると、宿泊する山小屋の種類らしい。2D1N MOUNT KINABALU CLIMBはLaban Rata Resthouse (ABK-MK01)に宿泊。2D1N MOUNT KINABALU CLIMB (BUDGET PACKAGE)はPanalaban Assorted Huts (ABK-MK201)に宿泊。Budgetは、完全ドミトリーで、バスルームもトイレも男女共用。
ちなみに、このLaban Rata RestouseとPanalaban Assorted Hutsはとても近くにある。
そもそも、予約画面に進んでいると、旧暦正月は、ベトナム人というより中国人の登山者が多いのか、売り切れ!28日で予約するも、10分後くらいにメールが届き、28日はもう埋まってしまっているとのことで、代替日の29日を提示された。
以下で、パスポート情報などを登録する。
その後、何度か旅行会社のSales Managerの方とメールでやりとりをしていて、結局29日で登録が終わり、支払い依頼メールが来るところまで進めたのだが、ちらっと、他の日本人のブログで「現地に着いてから予約するほうが断然安い」といった内容のブログを見て、もちろん100%確保できるわけではないけれど、賭けてみようかと思った。なんせ、現在の価格でいくとAmazing Borneo TourでRM1627.40(日本円で44200円程!)。この価格、現地で予約できれば最低でも8000円は節約できる。これは、もはやカントーからクアラルンプール、クアラルンプールからコタキナバルまでの片道航空券が再度購入できる金額なので、万が一ダメだったとしても、もう一回行けばよいかと笑
2.ホステルやホテル等で予約(宿泊者限定のツアー)
ホステルの方にも確認で聞いてみることに。ホステル自体は1月末までキャンセル無料の予約で、メッセージ欄にキナバル山ツアーについて質問。すると、「予約できるよ」と。返信がはやい!(以下、ツアーに含まれている内容)そして、1月末で予約可能な日を聞くと、もともと希望していた1月27日が一番安いとのこと。(日程が1日でも異なると料金が違う、という点はよくわからないが、とりあえず、ホステルからキナバル公園までの送迎も着いているらしい。)
その金額、RM1350(日本円で約36600円)。(2名の場合は1名RM1300(日本円で約35240円))事前予約できて、安いので良いかも。というか、36600円で、安いと思ってしまうこのキナバル山の登山費の感覚がわからなくなってきた。登山は、決して、安くは無いのだ。ってか、日本の富士山が、自由に開放しすぎなのでは?笑
3.Sutera Harborのホームページ
ここまでくれば、最後に(?)Sutera Sanctuary Lodgesが催行するツアーの料金もメールで問い合わせてみた。Sutera Sanctuary Lodgesは1泊2日、ドミトリー宿泊でRM1339(日本円で約36300円)とのこと。コタキナバルからキナバル公園までの送迎(友人が片道RM20と言っていた)は含まれていない。そして、Amazing Borneo Tourの宿泊地がPendant Hutだったのに対して、Sutera Sanctuary LodgesはLaban Rata Resthouse。Laban Rata Resthouseは大型レストランも併設されており、Pendant Hutに宿泊している人々でも食事はLaban Rata Resthouseでとるらしい。
メールに添付されていた公園料金や登山者への持ち物情報。Lemaing Hostelの申込用紙も添付されていたので今回はここになるらしい。
このように、いろいろ聞いて調べてみたが、まぁ、最初の旅行会社を通して予約する一番のメリットは「安心」だろうか?正直、海外の、それも再度行くかもわからない場所だと余計、必ず事前に予約したい人々が大勢いる。そんなときに、英語で、かつ明確に、わかりやすいサイトを開設している旅行会社があれば、まぁほとんどの人は予約すると思う。
旅行会社のサイトを通さずに現地で、またはホステルに頼むと8000円程安くなるというのは、かなりでかい額だし、私自身は、まぁ登れたら登ろうというノリなのと、そもそも当日まで予定を決められない性格だからこそ、いろんな選択肢を知りたかった。
4.現地で登山登録
で、いろいろ調べていて結局現地の友人に登山寮をあらかじめ予約してもらい、パッケージではなく別々に支払うのが一番安いことに。事前に予約することに対して抵抗はあったものの、事前払いも無いし、これで行くことに。
宿泊費+食費+保険=RM607
登山ガイド=RM230
自然保護・入場料=RM15
証明書=RM10
合計RM862(市内からキナバル公園までの乗り合いバス代(RM20片道)別)(約22800円)
もはや、最初の予約の代金から20000円程の差額が。でも、どれが最低料金か、という点からよりも、事前に予約して安心したいのか?細々と現地で支払うのに抵抗無いか?もしくは予約せずに満室になっていても、諦められるか?旅程に柔軟性があるか?等、自分の旅スタイルに合わせて参加を検討したほうが良い。
以下、とても参考になったキナバル山のブログ。原価まで調べ上げる細かさ!なんだろう、ここまでいくと、もはやこの過程すら楽しんでできる人じゃないと書き上げられないものだろう。
以下、予備知識。
キナバル山(マレー語でGunung Kinabalu、英語でMt. Kinabalu)を調べていたら、マレー語でキナは中国、バルは未亡人という意味だということを知った。もしくはカダザン語のアキ・ナバル(先祖の霊が宿る山)がなまってキナバルになったという説も。中国人の観光客が多そうだ。
コタ・キナバルからキナバル山がある公園まで
コタキナバルの北部郊外にあるイナナンバスターミナル(北部バスターミナル)よりサンダカン行きのバスに乗り、約2時間程でキナバル公園の管理事務所付近に到着する。もしくはツアー参加の場合、コタ・キナバルから送迎車が含まれていることも。
キナバル山
標高1866mからスタートして、頂上(4096)まで約8.7キロ、標高差2229mの道のり。往路8時間半。
ティムポホン・登山ゲート(1866) - ラヤン・ラヤン小屋(2702) 3時間
ラヤン・ラヤン小屋(2702) - ラバンラタ(3272) 3時間(ここで宿泊)
ラバンラタ(3272) - サヤッ・サヤッ小屋(3668) 1.5時間
サヤッ・サヤッ小屋(3668) - 頂上(4095) 2時間
キナバル公園
ラフレシア、ポーリング温泉、自然ウォークなど
富士山3776mの登山
キナバル山登山のサイトを見ていて、そういえば富士山って予約いったっけ?と改めて調べてみたくなった。で、思い出した。そうだ、富士山はそもそも、登山できる期間が8月、9月の約2か月間しかなく、ほとんどの時期は山頂は雪で覆われていた。
そして、特に規制していないから、とにかく山頂付近は渋滞だった。(という私の記憶を、証明してくれる数年前の写真があったので添付)
あれ、何とかならないものかね。もっとお金取ってもよいと思うけど。あと、自国民と観光客で料金が異なるのも合理的かと思うようになった。(当然、自国民のほうが安い。)
http://www.fujisan-climb.jp/en/season/index.html
富士山のトイレはボランティアによって清掃されていると知った・・。
なぜ、もっと登山客から高い金もらって、管理費に充てないのか?わからない。むしろ、1時間5000円とか、めっちゃ条件良い額で募集したら広報にもなるんじゃないか?
そして、参考程度に、2019年10月に行ったベトナム北部、サパにあるファンシーパン山の標高は3143m。こちらは、登山ではなく最新ロープウェイでほぼ山頂まで登り、あとは徒歩!というか階段!かもしくは別途ケーブルカーみたいなので山頂に到着する。
世界の山々って面白いなぁーと思いながら、国別の最高地点一覧を見つけた。どれだけヒマラヤ山脈が国境を跨いでいるのか、とか、島国の「頂点は無名」という表示が面白い。ちなみに、日本は富士山、ベトナムはファンシーパン山、マレーシアはキナバル山が最高地点。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%88%A5%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%9C%B0%E7%82%B9%E4%B8%80%E8%A6%A7
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