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日常に隠れているもの、忘れていたことこそが「楽しい」のヒント(「とっておきのフィレンツェ/トスカーナ」を20代OLが読んで思ったこと)

最近ヨーロッパ文化という沼にハマっているこの頃です。
なぜなら図書館のヨーロッパ文化コーナーの書籍が何を読んでも面白いものばかりだからです!
(図書館ありがとう、まじで心の底からありがとう、いつも延滞してすみませんもうしません)
ちょうどその日はなんとなくイタリアンな気分だったので(どんな気分だよ)イタリアコーナーを徘徊していました。
なかでも、古澤千恵さんという、イタリアについての書籍を複数出版している生粋のイタリア好きなこのお方の本をまず最初に読んで、イタリアの素晴らしさはなんぞやからまず始めてみようと思い、「とっておきのフィレンツェ/トスカーナ」を読んでみました。

いや〜〜
イタリア最高かよ!(単純)
そりゃもちろん、本に載せるのだから、特別にお気に入りの素敵なスポットを選りすぐっている事は理解しています。
もちろん、日本にも素敵な人や場所や企業は沢山あります。
うわあ素敵だな、この人最高かよ、こんな風でもいいのかあ
と思わせてくれるような人や出会いが、イタリアという異国の地でも存在すること
遠いイタリアでも、生活を楽しんで、幸せに暮らしている人がいるんだということ
そういう事柄が、この上なく嬉しくなってしまって、私は海外の生活や旅行を綴った本が大好きなのです。

では古澤さんの目を通して見たイタリアはどんな風に素敵なのか
簡単にまとめてみました。

【①全ての物が、人や自然の力で成り立っていることを理解している】
古澤さんはイタリア暮らしで気付かされたことのひとつに、「全て作ることが出来る」という事があると書いています。
イタリアでは日本と違って生産者と消費者の距離が近いそうで、町中に工房があったりするそうです。
だから人々は意識しなくとも、自分の持ち物食べ物は、全部誰かが作ってくれたものだという事を理解しながら物を手に入れるわけです。
日本では、流通を隔てて生産者が遠くに見えるため、このキャベツ、どっかの知らない人が作ったものだ…丹精込めて作ったんだろうな…ありがとサンクス!なんていちいち感謝しないでしょう。
(感謝している人ももちろんいらっしゃると思います!その方は素晴らしいです。私は全力で見習います)
キャベツはスーパーにいつもあって当たり前。
まるで工場で大量生産される機械か何かのようです。
でも冷静に考えて、美味しいキャベツが人間の都合に合わせてポコポコ自然発生するなんてことありえませんよね。
誰かが手間暇かけて育てて、キャベツがすくすく育ってくれて、誰かが運んで、誰かが陳列して、私達消費者が初めて手に取ることが出来るんですよね。
ボローニャという町から(なんとなく美味しそうな町の名前…)車で1時間の場所に、水車で粉を挽いて販売している場所があるそうです。
(おしゃれかよ…ちくしょう…号泣)
そこでは「今日は雨がふらなくて水車が回らないから、粉は販売できませんです」ということがあるらしい。
今日ある水はジャガイモにあげないと、冬食べるものなくなっちゃうからスマンスマンということらしい。
古澤さんも言います。
「大地で作られる作物が、いつも決まった同じところにあるなんてことはない」と。
また、ローマ法王がお忍びで150個注文したという美味しすぎぶっ飛びチーズも、工房や原材料のキャパにより15個しか納品出来なかった、というエピソードも好きです。
牛にもっとミルクを作らせろ!とか従業員に残業させろ!とか、そうではないのです。
自然や人の尊厳を理解しながらのものづくりなのです。
私が幻想だと思っていたようなビジネスモデルが展開されていることがあまりに尊くて、全然涙を誘うページでも無いのに、うるっときてしまいました。

【②古物を愛する】
いやー本当に、ヨーロッパって前も別のnoteで書いたかと思いますが、古い物を大切にする文化が根付いているんだなあと改めて思わされました。
作中で、古澤さんもお気に入りのアンティークショップの記述において、「暮らしに古いものを取り入れることが、ここヨーロッパでは普通のことなのだ、と改めて気付かせてくれる」と書いています。
最近では私もサステナブルな生活にすっかりはまってしまって、もっぱら新品の服を買う機会がなくなりました。
また、古物屋さんを覗いてみるという新たな趣味も出来たのでアンティークとかヴィンテージとかいう言葉を聞くと興奮して失禁します。(しません)
いつかヨーロッパの古物市に行って素敵なアイテムと巡り会えたらいいなと夢見るのです。(海外で失禁したらパスポート没収ですかね)

【③仕事を楽しむ】
いやこれはもちろん、日本にも仕事を楽しめている人もいれば、私のように毎日何が面白いのか分からないままキーボード叩き割っている人もいて、どこの国にもこの2パターンに分かれるのは承知しています。
ただ、本文に紹介されていたクリーニング屋さんのエピソードがあまりにも素敵だったので、やっぱり自分の仕事を楽しむって本当に幸せなことだよなあ羨ましいなあと思わされたのです。
なんでもイタリア人の男性は素晴らしくぴしっとアイロンのかかったワイシャツを着た人が多いそうで、その秘訣はすんげえラヴァンデリア(クリーニング屋)なのだそうです。
すんげえクリーニング屋ってなんだよという事で古澤さんがオーダーし、仕上がった衣服を見ると、なんだか愛情を感じたそうです。
(余談ですが、私もカンボジアで衣類のランドリー(ホテルのサービスではなく、その土地のランドリー屋さん)を頼んだことがあるのですが、戻ってきた服にぴしっとアイロンがかけられ、洋服達はふわふわといい匂いを放っていました…あの感動は忘れられません。自分の洋服が3倍好きになりました)
そしてさらに、アイロンがけが終わって包んでくれた袋に
「あなたたちの洋服を、私たちは花のように扱います。」
とメッセージが添えられていたそうです。
おいおいなんて素敵な仕事人だよ!!!!!!!!!
そんな風に仕事が出来ること
お客さんにそんなメッセージを書いてあげられること
羨ましくて仕方ありません。
私もいつかそんな仕事が出来る人間になりたいものです。


【③「好き」をとことん大切にする】
私は人の趣味や好きなものの話を聞くのが大好きです。
そしてその「好き」の気持ちを大切にしている人が大好きです。
ローゼ・カンディーナというバラの花びらの砂糖菓子なんて、「かわいい!」「大好き!」「食べちゃいたい!」を最高に表現したものだと思いませんか。
なんと本物の花びらを茎ごと砂糖漬けにしてしまった砂糖菓子だそうで、なんだか最初に作ろうと思った人の気持ちを考えると、「わかる、わかるよ〜」と独り言がつい飛び出てしまいます。
(飛び出すなや)
また、ガブリエッラという女性が作る美しい庭には、ガブリエッラが山道を歩いて見つけた雑草達が美しい景観を生み出しているのだそうです。
珍しい花ではなく、自分が素敵だなと思う雑草を集めて庭に植え、ウハウハしている姿はまさに「好き」を大切に出来る人の究極だと思いました。
私の好きな考え方で(これも別のnoteで書いたかもしれません)私がモットーにしているようなものがあるのですが、
「好きなものは、あちこちに散らばっているから、自分で見つけて組み合わせたら宝物になる」
というものです。
たしか何かの雑誌でクリエイターの方の言葉が載っていて、それを学生時代の私が目にしてずっと心の中に留めているのですが、まさにこの考え方通りの事が出来る人だなあと、ワクワクした気持ちになるのでした。

やばい…
語りすぎてすげえ長文になってしモーター…
イタリアの素敵な方々の生活に少しずつヒントをもらえたので、また人生をより楽しく工夫していこうと思います。
ということで最初に戻って少し文字を減らそう…号泣

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