ぴよこ

かんがえごと。 ときどき物語。

ぴよこ

かんがえごと。 ときどき物語。

最近の記事

#04 におい

いとこから桃を貰った。 うちにいっぱいあってさ、と2つ ❥ ❥ 桃色の桃、ってわけじゃなくて ちょこんとクレヨンで塗りくわえたような ほっぺだけ赤いみたいな感じの桃で 白いネットにくるまってコロンとかわいい。 ダイニングテーブルのど真ん中に置いてみた。 携帯やらテレビやらお菓子食べるやらの、なんとなくの時間を過ごして そんで疲れたから机に突っ伏した。 そしたら桃のにおいがきた。 甘くてみずみずしい、桃のにおい。 ふわんと わたしの鼻元をかすめた。 わたしはまた2つの

    • 短編小説 「蒼と、空」

      こんな場所があっただろうか、とそう思わせる場所が僕の視界の先にふと現れた。 小さな白い花、 背の低い木につかまる黄色い花、 若い綺麗な緑たち。 そこは喫茶店へ向かう、ごくありふれた道の途中の、空き地。 建物と電柱のあいだから注ぐ陽がじんわり滲んで、フェードがかかっている。 ただの、空き地。 頭の片隅にもなくいままでこの場所に気づかなったのは、僕が、そう無意識に判別し

      • 短編小説 「蒼と、雲」

        不規則な足音が響く。 隙間からのぞく蒼は 軽々しい雲に飲み込まれていくようで、いつもの、好きなそれとはちがって見えた。 肺に入る空気。ひや、として、わざとらしい空気。カランカランなんて鳴っているのは 実は僕の心臓の音なのかもしれない。 ビル街は、いつも通り午後の香りに侵食され、輝くひかりに吸いとられていく。 PM3:21。 僕は今日、パフェを食べることができなかった。 「それでは、最新のニュースをお伝えします」 寝ぼけた頭に

        • #03 かわいい

          可愛いお洋服に お気に入りの色を煌めきを目元に乗せて 耳元で揺れる気合いをつけたなら 今日のあたし最強だ 古着屋さん大好き。 かわいいお洋服があの価格で買えることもそうだけれど なによりお洋服を見つけ出せるところがいい 1回さよならされたお洋服を、今度はあたしが迎えにいく。 ただ優越感に浸りたいだけかもしれない でもそれでいい なんか、なんか 嬉しくなっちゃう そんで、新品より愛着が湧いちゃう へんかな? へんでいいや かわいいんだもん、大事にします いつかのわたしの

        #04 におい

          #02 ぴよこです

          note開設をしてもう3ヶ月あまり経っているというのに 投稿数は脅威の2 その事実にふと気づいた ハイパー夜中テンションで紡いでいきます お久しぶりですぴよこです。 「大事にしまってた、それを変えてみようと思う」 そう決意して始めたらしい。 ちょっと大口を叩きすぎたんでは?と思う午後11時過ぎ。 大事にしまってたけど、1度外の世界へ放り出してもいいよね そう思った でもなんかそれより実際自分の身に起きていることで 精一杯になってしまって 新しい環境新しい生活で手一杯 「

          #02 ぴよこです

          #01 月をみると〜ぴよこの場合〜

          日中、月を見ると、 いつも心が浮つく。 そのほうが、綺麗だと わたしは思ってしまう。 青地に白。 いいじゃないか。 そりゃさ 星々と並んで発光してる姿は 美しいんですよ。 雅ですよ。 そうなんだけど、 何故だか 昼間の月だけが持つ、爽やかさが すきで。 同時に 世界が纏う色も いつもより生き生きしてて。 呼吸を感じて、 あ、今日この日だ って。 集めてる瓶の蓋が 新しく増えたみたいな。 こんな気持ちになります。 全身を駆け巡る 青と白のやさしいパワーが、

          #01 月をみると〜ぴよこの場合〜

          #00 ぴよこ、歩きはじめてみる。

          言葉を紡ぐ。 からだの真ん中らへん、 ちょうど心臓の裏側あたりが火照って、 ぐぅ、とエネルギーが集中して。 並んだ文字を見て。 で、また、綺麗に閉じて。 こうして書いてきた溢れんばかりの言葉たちを 大事に大事にしまうことが なんか心地よくて、 わたしにとっての 〝幸福〟 そのものでもあった。 瞬時にうまく言い回せないことを じっくり、 ああこれだと感覚しながら のめり込むように文章を書いていく。 生きてる! と心から思う瞬間。 大事に、綺麗に、しまってた。 今日からち

          #00 ぴよこ、歩きはじめてみる。