ビジネスプランに新規性は要らない
起業するというと「何で起業するか」を悩むことになります。
世の中にはビジネスプランコンテストなんてものがあって、ビジネスプランを提出すると審査してもらえて、優秀賞だとお金や支援を受けられたりします。
そういうときには「新規性」が問われがちです。
すでにあるビジネスとどう違うのか、何が新しいのか、何が画期的なのかを問われるわけです。しかしビジネスに物珍しさは不要です。
誰もやったことがないビジネスというのは、高確率で「誰も欲しくないビジネス」だということです。もしくは難易度が高すぎて「誰も出来なかったビジネス」のどちらかになります。後者が実現できればすごいですが、起業初心者には難しいですね。
インターネット黎明期は、なんでも新規性にあふれていました。書籍をインターネットで売ります。おもちゃをインターネットで売ります。工具をインターネットで売ります。そんなアイデアでも新規性があったわけです。
しかし今残っている領域というのは、せいぜいVertical SaaS (業界特化型クラウドソフトウェア)くらいじゃないでしょうか。それもニッチな業界のニッチな業務が中心になりそうです。
素人が新規性を考えると、どうしてもニッチな方向、ニッチな方向に行ってしまい、自分からビジネスの市場サイズを極端に小さくしてしまいます。それは絶対にやってはいけないことです。
Amazonに楽天という巨大プレイヤーがあるECモールでも、BASEやSTORESが参入に成功しました。いまはShopifyもでてきて競争が激化していますが、どれだけ大手が占有している領域に見えても、参入の余地はあるということです。
すでに市場があるビジネスを狙うのが良い方法です。
新規性は「物珍しさ」ではなくて、「既存の製品とはどう違って顧客により良い価値を提供できるか」で測られるべきです。
ビジネスプランは、どう実行するか、その細部にこそ価値を置くべきです。
カフェであれば、大事なのは「サブスク型のカフェを開く」ではないんです。
大事なのは、どこの立地に、どんな物件で、どんな内装をして、誰を雇って、何を提供して、価格はいくらで、客単価は、粗利は、顧客層は…..ということです。
起業はアイデアではなく、実行することが一番大切なのです。
そのために必要なビジネスプランは、アイデアや新規性ではなく、具体的な経験に基づいた詳細なプランと数字です。
ビジネスプランコンテストでもこういうところを評価するようになってほしいですね。新規性なんて評価するのはやめちゃいましょう。
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