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限界!! コロナ渦の重心障害者とその家族

退院して5日目。
変わらず松葉杖生活の私と
重心障害を持つ姉のダブル介護がついに限界を迎えた。

いや、限界なんてとうに超していた。
それでも、それに気づいたら崩壊するから、触れずにいたんだ。

うちの内実を書くことで、自体が好転することは望めない。
それでも、同じように限界寸前の家族の支えになりますように。

1.ちーやんと暮らせば

ちーやんは私の3つ上のお姉さん。先天的に重度心身障害を持って生まれてきた。
24時間、何をするにしても介護が必要。生まれてすぐに20歳まで生きられないと告げられてから、筆舌に尽くしがたい多くのことを経て、沢山の人に支えられて今でも一緒に暮らすことができている。

お風呂やトイレ、ご飯、着替えなど力仕事が多い。体型は成人女性とほぼ変わらない。当たり前だけど、24時間・365日休みなし。それでも、介護は綺麗事ばかりではない。愛情はあっても大変なものは大変。

それでも、ケアマネさんと相談して、上手に公的資源を活用して
平日の朝は、ヘルパーさんに朝ご飯介助・トイレ・着替えをお願いする。
日中は、重心障害者のためのデイサービス施設に毎日通所。
帰宅後、またヘルパーさんに来てもらって、お風呂・夜ご飯の介助を手伝ってもらう。

週末や祝日は、家族で協力してなんとかする。でも、50を超えた両親には体力的にも堪える。
車椅子を押して腱鞘炎になったり、日々の介護での慢性的な腰痛…
それでも、一緒に暮らすために、生きるために自分の体に鞭を打つ

それだと、倒れてしまうから年に何度かレスパイトケアを受ける。
レスパイトはその名の通り休息
病院や施設でちーやんを1週間くらい預かってもらうことで、介護者が自分の好きなことをする時間を作ったり、きょうだい児と過ごす時間を作れる。
うちの場合は、大体お母さんが倒れるように眠り続けて終わるんだけど笑

そんなこんなで自転車操業だったけど、25年間まわしてきた
すごいぞ!えらいぞ!!まま!!!!(ぱぱも)

2.ちーやんとコロナ

まあ、何回も限界って叫んだこともあるし、今回より大変なことなんて数しれず…それでもコロナは、重心障害者や医療的ケア児とその家族にとって大きな緊張をもたらした。ただでさえ、免疫力の弱い彼ら。普段から人工呼吸器をつけたり、吸引そしなくてはいけない子たち。

コロナに対しては様々な施設で超超超厳戒態勢が引かれた。それでも起こった障害者福祉施設でのクラスター発生
なんせ、介護は濃厚接触。仕方ない。
在宅で介護できる人は、在宅に切り替えた。どちらにしても、介護者が感染したら一発で終わりだ。神経をすり減らす日々。

私も、バイトには行かないで、(いけなかったという方が正しいんだけど)
友達の誘いも断り、極力外出しないように努めた。フットワークが重すぎてフットワークデブって呼ばれた。ギャグ線高いな笑

そんなこんなでコロナ渦をなんとかやり過ごしてきたのだけど…

3.ちーやんと私の手術

私が入院する前日にちーやんの施設でコロナの陽性者が出た。通所している彼らに移ったら一発アウト。ついにここまで来たか。
ちーやんが感染している可能性は限りなく低かったけど、

まじか。。。の一言に尽きた。
で、次に 「え?!私の手術は?!明日から、入院できるの?!」

ちーやんの施設では全員PCRを受けて、私は主治医に状況を話して手術をどうするか話し合った。入院前日は大騒ぎ。
私は入院当日にPCR検査して陰性だったので無事入院・手術できた。
それにしても全くタイミング良すぎる。

ちーやんも陰性だった。
でも、通所先の施設は消毒作業や体制の見直しのためにしばらく閉まることになり、訪問介護サービスもPCR検査で陰性が確認できてから1週間は来れないと断られた。

つまり、全介護を家族でやらなくてはならなくなった。一切の手助けなし

私は、入院していたから詳しくはわからない。
お父さんも在宅ワークにできる限り切り替えて、手伝ったらしいけど、弟の話を聞いて壮絶だったことは容易に想像がついた。

それでも、1週間頑張れば、ヘルパーさんが来てくれる。
10日間頑張れば、レスパイトケアを受けられるってそこに希望を持っていたらしい。

私も、できる限り自分のことはできるようになって退院しなきゃとリハビリに励んだ。自分で着替える。自分でトイレに行く。自分でシャワーを浴びる。2回目の手術でもやっぱり慣れない。なんとか退院の日程を決められるところまで漕ぎ着いた。

ところが…

4.ちーやん体調不良

私の退院予定日前日。ちーやん38度ごえの発熱。OMG。
ちーやんは調子が悪くなると、息を止める。食べない。飲まない。寝ない。

私たちにとってはいつものことなんだけど、時期が悪かった。
再PCR検査。と言うことは、また訪問介護は1週間先延びだし、レスパイトケアも受けられない。
そして、私の退院日は伸びた。ちーやんに振り回される。
いつものことだけど、それでもやっぱり・・・ね

最近気づいたんだけど、うちの普通はかなり特殊。ちーやんが具合悪い時は、

「息して〜」って声かけて、空気飲み込んでパンパンに膨れたお腹をぐいぐい押す。
飲まない。食べない。ってなったら、口に何か入れれば全部吹き出す。顔にかけられることも、食事にかかることもいつものこと。みんな自分の抱えてるストレスをグッと堪えて食事を済ませる。

それでも、薬を飲んでもらわないといけないから、鼻からチューブ(経管)を入れてそこから如何にも栄養だけって感じのドロッとした液体を注入し、薬もそこから入れる。食事するだけで、2時間位かかる。

そして、具合が悪いちーやんは夜寝ない。本人も疲れて寝れないのだと思う。寝返りを打たなくなってしまうので、母は3時間おきにちーやんの寝返りをよいしょっと行い(体位変換)、息をしてるか確認する。
父は隣で爆睡。朝から仕事があるから仕方ない。

母の疲れとストレスは計り知れない。しかも、コロナで訪問介護なし。通所なし。
昼夜問わず闘う。こうなってくると戦闘モード突入
こんな日々が1週間くらい続く。そして、これが2・3ヶ月に一回の周期でやってくる。原因不明。ひどい時は入院するけど、病気ではないので大体は「お母さん、もう少し頑張れる??」と言われて終了だ。


そんな最中、
松葉杖の次女が帰ってきた。


なんだかまだまだ波乱の予感なので、次のnoteに書くことにしましょう。


ちなみにネタバレですが、ちーやんは今日無事にレスパイトケアを受けられました。母よ、ゆっくり休もう。



最近になってやっときょうだい児としての自覚が芽生えてきました。
うちのようにダブル介護になることは珍しいと思いますが、コロナ渦で施設が閉まり訪問介護も受けられない家族が増えています。
この問題が表面化してこないのは、日々の生活でいっぱいいっぱいだからです。世間に訴えてる暇なんてないからです。そのような家族が孤立しないためにも、手始めにオカヤマ家を書いてみました。

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