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コンサル業界目指すなら新卒か転職か

1.はじめに

結論は、「コンサル業界に興味を持ったなら、新卒も転職も関係ない。一番良いタイミングは、今でしょ」です。

言い換えると、覚悟が決まったならば、経験する価値ある業界としてオススメします。そこに新卒も転職もありませんよ。

とは言え、メリット・デメリットはあります。私自身は新卒でコンサル業界に入り、1度も転職経験ありません。よって転職の方のメリット・デメリットは、他者を観察しての考察である点をご了承下さい。

2.新卒入社のメリット・デメリット

メリット3つ

①純正培養こその視点を持てる?
②組織内認知を受けやすい?
③20代でそこそこ稼げる?

①純正培養こその視点を持てる?

お客様の期待は、意思決定がしたい。しかし、企業内のアイデアでは限界がある。コンサルタントの斬新な提案を期待する。これはテッパンです。

その際に、サラリーマン組織の常識を知らないからこそ、(基本原理は、理解した上で)、あえて、クライアント企業のみでは出せないアイデアを提案できる。そんな度胸を持てる。かもしれません。(野球で言えば、胸元にストレートを投げ込む感覚ですよ。サッカーなら、キラーパス。)

まじめに言うと、お客様の中で、暗黙に守っている制約条件って、意味なく無いですか?とか、確信犯的に言う感じです。(丁寧にね)

私自身、20代前半のペーペー時代。「御社は腰が重いです。」と、某社のエライ方にお伝えしてしまい、その際は、運よく意思決定がトントン拍子で進んだ。なんて経験もあります。(クレームにならなくて良かった)

②組織内認知を受けやすい?

新卒メリットその2は、組織内で自己紹介する機会が多いことです。また、入社年次で、〇〇年の誰々さんね。みたいな呼ばれ方します。これ強いです。認知される。いわゆる、マインドシェアってやつですね。

新規案件が来た時に、誰アサインしよう。そうだ、彼/彼女はこんなことしたいって言ってたね。じゃあ、あの子に声掛けよう。そんな安直では無いですが、知られている。これは案件アサインなる運を高める、価値になります。

③20代でそこそこ稼げる?

これは、コンサルファームと昇進スピードに依りますが。世の中の、年収口コミサイトあるじゃないですか。あれ、結構外れてないですよ。勿論、評価の上位者か、下位者かで、幅はありますが。悪くは無いですよね。きっと。

また、世の中の企業の40代前半ぐらいまでは、コンサル会社の給与レベルは圧倒しています。ただし、40代後半以降、特に大企業の取締役クラスになると逆転されますが。これは、ファームとクラスにより前後あります。

デメリット

①会社の仕組み理解が及ばない
②組織の阿吽を読みにくい
③お客様と共通話題を持ちにくい

①会社の仕組み理解が及ばない

これは仕方ないですね。企業が社会に存在しているのは、どういう活動をしているか。俯瞰的に理解できるまで、結構しんどいです。この部署って何やっているの?みたいな。

各部署が本来果たすべき役割を理解できないのに、提言出来る訳ありません。最初は部署名を聞いて何となくわかったふりをしますが、その実、具体的な業務内容まで理解が及んでいない場合が多いです。

常駐業務は高級派遣だと揶揄されますが。特に新入社員にとっては、常駐機会は、組織の各部署がどの様な想い、軋轢、ジレンマを抱えながら、業務を回しているかを、実体験を持って経験出来る良い場と私なりには思います。

②組織の阿吽を読みにくい

これも経験を蓄積していくしか無いです。組織には、過去の長年の意思決定パターンがあります。あの人が、こう言うと、こうなる。みたいな。でも、逆の派閥もいて。みたいな。

私自身、若い時代に、ある会社で、役員間の意思決定の狭間に陥り、その調整や、いわゆる、派閥争いの渦中に陥った経験もありますが。

こういう経験をしながら、会社は各部署で働く一人ひとりが、感情を持って、運営しているんだな。経営者に限らず、働いている人、それぞれの想いがあるよね。そんな事を学んでいく訳ですね。

③お客様と共通話題を持ちにくい

新卒でコンサル会社に入りました。と言うと、やはり、異端児感は出ます。転職組なら前職の経験が雑談ネタになりますが、新卒だとそうもいきません。なぜ、新卒からコンサルへ?なんて質問されたりします。

今の40~50代のお客様自身は、コンサル業界が就職活動の選択肢にならない時代です。共通の会話が成り立ちにくいので、お客様との距離を掴みにくいですね。別のキャラクターで取り換える感じですよ。

3.転職入社のメリット・デメリット

メリット

①専門性がある様に見られる?
②初期から一定の期待値がある?
③お客様と共通話題を持てる?

①専門性がある様に見られる?

転職入社のメリットは、お客様から、前職企業のネームバリューと役職から、相応の人材と評価して頂けることですよ。

同じ事を言っても、前職の経験を加味すると、深い事を言っているかもしれないと、お客様もしっかり聞いて頂けます。

前職、某大企業で経営企画してましたとか、マーケティングしてました。なんて言うと、お客様も、ほうほう、話を聞いてみようとなりますよね。

②初期から一定の期待値がある?

これをメリットすべきかですが、案件アサインされる時の、役回りが相応の所からスタートします。新卒だと、まずは議事録書いてみる?みたいな腕試しがありますが。

これぐらいできるっしょ?のレベルをいくつか飛び越えて、この論点について、お任せするから、自分の考えで進めてみて。みたいな役回りが早く来るかも。要は、質の高い仕事に従事できるので、成長速度が高まる訳です。

③お客様と共通話題を持てる?

前職でどういう経験を積んだかですが。お客様はサラリーマン。転職経験なし。組織の軋轢の中で悩みを抱えて来た。外部に理解者が欲しい。そういう欲求をお持ちの方は、相応にいらっしゃいます。

本質的では無いですが、お客様の事を理解していますよ。そのメッセージを発する上で、自分も前職で苦労しました。みたいな話は、お客様との距離感を縮め、円滑にコミュニケーションを図る機会になります。

キャリアを積んでいけば、前職経験関係なく、自身の力量で解決していきますが、その前段では、自身を助けてくれる武器になります。

デメリット

①ルールチェンジに戸惑う?
②組織内アピール機会を得にくい?
③30代でそこそこ稼げる?

①ルールチェンジに戸惑う?

これは、能力次第ですが。転職者の方が陥る落とし穴は。「やったこと」に対して、全く評価されないこと。これに違和感を持つ事。でしょうか。

評価のすべては、「成果」です。成果創出の為に、どれだけ苦労したとか、知らない。興味ありません。よって、前職の事業会社の評価が、「やったこと」偏重の人とかは、ここで苦しむ訳です。

こんなに、徹夜しました。とか。いや、それってあなた。自分を無能って言っていますよ。とは言いませんが、結局、どういう成果出したの?ってのは聞きますよね。

要は、自分で仕事を創れる人か、指示待ちの人か。後者の、指示待ちで、大量の仕事を捌く事に長けている人。こういう人は苦労します。

②組織内アピール機会を得にくい?

中途採用された際のタイミングと、所属組織次第ですが。特に期中だと、中途入社の人が入ってきたのね。ぐらい。他の方の認知を得にくい。

そうなると組織内アピール(知って頂く機会)が減るので、自分が興味ある、もしくは、強みを発揮できる領域のアピール機会を得にくい。

超絶優秀な方は、組織内の定期交流のタイミングで事例紹介したりして、ナレッジ共有しながら、自分をアピールする感じです。

③30代でそこそこ稼げる?

デメリットに書いてしまいましたが。転職時は、ちょっとは年収アップするでしょうが、正直、ビックリはしない範囲では?あとは、スピード感持ってプロモーションするのみですよね。

前職経験の土台を活かして、〇〇×コンサルみたいに、ファーム内で独自ポジションを築けると強い。〇〇なら、あの人だよね。相談してみよう。このポジションを確立できれば、新規案件に事欠きませんし、社内の信頼ネットワークも強化されていきます。

誰もが仰ることかと思いますが、コンサル会社への入社は、スタートです。ゴールではありません。コンサル会社が持つ顧客資産、リソースを活用して、自らリーダーシップ発揮して、世の中・お客様に成果をお届けする。そうすれば、結果は自ずと付いてくるかと思います。

4.結局どっち?

結論は、「コンサル業界に興味を持ったなら、新卒も転職も関係ない。一番良いタイミングは、今でしょ」です。

たまたま、ご縁で本稿を読んで頂いた方が、就職活動タイミングならば、ぜひコンサルティング業界を目指してください。裏切りは無いです。

なぜなら、極論、コンサルティング会社は、あなたの成功に、何も約束する事はないからです。あなたを成功させるのは、あなた自身です。逆に、個の成長を促す機会は、コンサルティング会社内に多くあります。この機会を活かすも殺すも、あなた次第です。

サラリーマン組織の呪縛から少しだけ脱して、自分の成果に、対価を頂いている。そんなダイレクトなフィードバックを得る業界です。例えば、年功序列の給与テーブルを抜け出したい。実力主義の世界で挑戦してみたい。でも、いきなりフリーランスは躊躇する。それなら、本業界はオススメです。

5.おわりに

くどいですが、結論は、「コンサル業界に興味を持ったなら、新卒も転職も関係ない。一番良いタイミングは、今でしょ」です。

少しでも自分の心が動いたならば、行動ですよ。動いてみて、情報収集して、新たに学ぶ。判断はその後で良いです。頭でっかちにならず、現地、現物、現実を見ましょう。

その結果、コンサル業界、自身が描く将来像とはギャップあるな。と気づけば、志望しない。それが正解だと思います。なんだかんだ言って、世の中的には、まだ離職率の高い業界だと思います。

コンサルの枠組みを飛び越えて活躍される方も要れば、コンサルの枠組みに適合せず、新天地を目指される方もいます。それだけ業界としても未成熟なのでしょう。その理解を得る、何かしらの参考になりましたら、幸いです。

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