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長続きしない理由

多重人格というのをご存じだろうか。よく推理小説なんかで出てくるアレだ。ある人物の中に複数の人格が存在し、表に出ている人格が切り替わるとまるで別人のように振る舞う。大抵の話ではそれらの人格のうちの一つが問題を抱えており、そいつが犯行を起こす。当の本人は自分が複数の人格を持っていることに気がついていない場合が多い。

ここだけの話なのだけど、どうやら私の中にも複数の人格が存在しているようなのだ。またバカなことを言いだした、と思うかもしれないが本当の話だ。その発見に至った経緯を聞けば納得してもらえると思う。


物忘れがひどいので忘れたことを思い出すために日記を書いているということは以前別のお話で書いた。

今も毎日書いている。何せ日記に残しておかないと自分の言ったことや決めたことすら思い出せないので、ある種の自己防衛手段として必要に迫られて書いているのだ。やめても自分が困るだけなのでやめるわけにはいかない。

もちろん書くだけではダメだ。日記に書いた内容を思い出すために定期的に読み直す必要がある。読み直して初めて、自分が1ヶ月前に何をしていたか、1週間前に何を食べたかを思い出せるのだ。


その日はちょっと思い立って1年分の日記をパラパラと読み返していた。日記を読み返すのは楽しい。この月は筋トレをがんばっていたらしいとか、この期間はブログを書いていたらしいということが見えてくる。

さらに読み進めてみて見えてきたことがある。あれこれ趣味的なことを始めてみているのだけど、どれひとつとして長続きしていない。三日坊主というほどひどいものではないが、3ヶ月おきくらいでやることが変わっている。三月坊主だ。

「何事も100日間続けたら習慣になりますよ」とどこかで読んだ気がするのだけど、私の場合は当てはまらないらしく約100日続けた末に習慣になるどころかやめてしまっている。もしかして…飽き性?

いやそんなはずはない。

子供たちに「継続は大事なのだぞ」といつも言い聞かせているのだ。そんな私自身が物事を継続できない飽き性だなんて、認めるわけにはいかない。

これはあー、あれだ。多重人格だ。私の中にいくつか人格が存在しており、それが3ヶ月おきくらいで入れ替わっているのだ。

「ものづくりが好きな人格A」「文章作成が好きな人格B」「体を鍛えたい人格C」という3つの人格が存在するのだ。それらが本体である私の知らない間に「3~4ヶ月ごとに交代しましょう」という協定を結んでしまっているにちがいない。

そう思い至ったとき、良い言い訳を思いつい…ゲフンゲフンすべてのパーツがあるべきところにはまった気がした。そう、長続きしないのは私のせいじゃない。私の中の人格AだかBだかが出てきたり引っ込んだりして好きなことをするから長続きしないのだ。


今は長続きはしていないけど、3ヶ月間続けることができるならそのうちいつか長続きするようになるかもしれない。

それでまあいいじゃないか。子供たちも納得してくれるだろう…ということで終われたらよかったのだけど、もう一つしておかないといけない話がある。

実は私の中の人格は3つだけではない。この3つの比較的まともな人格とは別にもう1つまともじゃない人格が存在しているのだ。

その人格とは「ゲームと漫画が大好き、ぐうたら最高!の人格D」だ。

この人格が出てくるとあらゆる習慣は破壊され、目の前の面白そうなものにのめりこんで時間を浪費してしまう。

人格Dは3ヶ月ルールを守らない。そしてこいつはほかの3人格よりも強い。すぐ出てくる。テレビで面白そうなゲームのCMを見たとき、Kindleストアで漫画の新刊を見かけたときなど、ちょっとしたきっかけで表に出てきてしまう。私もほかの人格もそれに逆らえないのだ。

大事なことなので段落を変えてもう一度言おう。逆らえないのだ。

人格Dが出てきたら全面降伏。面倒なやるべきことを放り出し、部屋でゴロゴロおやつを食べながらゲームで遊ぶのに飽きるまで待つしかない。

もはやその人格Dがおまえ自身なのではないか、という声が聞こえるがそんなはずはない。私がゲームや漫画で時間を浪費してしまったりするのは全部私の中で勝手なことをする人格Dのせいなのである。

まったくやっかいなモノを抱えてしまったものだ。


そういう事情なので私のnoteの更新が滞っていたらそれもまた人格Dのせいである。お気づきになられた際は「あぁまた人格Dが出てきてしまっているんだな」と温かい気持ちで(フォローを外したりせずに)お待ちいただけるとうれしい。(どうかお願いします)

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